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売春・人身売買・麻薬・殺人・・・メーオと過ごした1年10ヶ月
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夜勤
2007-09-28 Fri 22:39
メーオの仕事は順調に進み、私達の関係も安定期に入ってきた。
もちろん、メーオの仕事内容に関して、完全に受け入れているというわけではないが、「これが私達の関係なんだ!」と、割り切って同棲を続けていく事で、あまり悩みというものは感じなくなってきた・・・

また、昔は、何か問題が起こるごとに、仕事を投げ出して、黄金町に駆けつけたりしなければならないことが多々あったのだが、今はそんな事もなくなり、私自身も仕事に集中することができ、それなりに成果をあげていた。
唯一の心配事と言えば、メーオがオーバーステイだということ。
何時、入管や警察につかまり、タイに強制送還されてしまうかもわからないという現実だけが、私を不安にさせていた・・・

ただ、私の心配をよそに、ママさんの管理下から離れたメーオは、一人で横浜界隈を自転車で探索するのが趣味になっていた(笑
私の自転車で、仕事が終わって私が帰ってくるままでの間、今日は山下公園方面、明日は坂東橋方面といった具合に、色々と土地勘を養っているようだった。
今までのような、私か、もしくはお客様についていくだけの生活に、メーオなりに危機感を感じていたのだろう・・・

しかし、その姿勢はとても素晴らしいと思うのだが、そこはやっぱりオーバーステイのタイ人。
中国人や韓国人のオーバーステイならまだしも、見かけもスタイルも日本人には見えないオーバーステイの外国人が、自転車で夜間に動きまわるのはかえって危ないと思い、私はそのメーオの唯一の楽しみを、止めさせてしまった・・・

メーオは、私の考えに渋々納得したようだったが、「じゃあ、一人の時間はどうするの?」という感じで、少々不満のようだった。
そして、このメーオの趣味を止めさせたことで、メーオは、今まで以上に働くことになる・・・

ある日、私がマンションに帰ると、メーオが化粧をしていた。
私は、「今日はお得意様とデートの日か?」と思い、その事を尋ねると、メーオは、「今日から、夜も黄金町で働くことになったんだ!」と答えた。
私は、その場に倒れ込みそうになるほど驚いた(笑
「昼も働いて、夜も働くの?」「じゃあ、いつ寝るの?」と驚く私を見てメーオは、「夜の仕事は、AM 1:00 ~ AM 5:00 までだから大丈夫よ!」
「カスがいない一人の時は、何もすることがないから、寝てるしね~」
「だからちょうどいいと思って!」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

私がメーオの唯一の趣味を止めさせた罰だった・・・

まあ、それでも、夜にお得意様とホテルに泊まられるよりはましだし、フラフラと出回って捕まるよりは、何倍もましだと思い、私は、「体を壊さないように頑張ってね!」とだけ言った・・・

そしてメーオは、身支度を終え、完全に仕事モードの顔になった。
夜の出勤初日は、メーオが、「ちょっと怖い。」と言うので、夜に働く店舗まで送って行った。
夜の黄金町で、仕事モードのメーオを見るのは初めてだったが、さすがに場慣れしたのか、淫靡さを漂わせるプロフェッショナルさが漂っていた。
その姿を見て、同棲したことで、「メーオが身近に感じられる。」などと思っていた自分は、「なんて自惚れていたんだ。」と痛感した・・・

そんな事を考えながら、メーオと一緒に夜の黄金町を歩いていると、メーオの夜の店舗に到着した。
夜の店舗は、メインストリートの中でも、毎晩、人がごった返していた、「コの字」と呼ばれる場所のすぐ近くだった。
私は、「こんな黄金町最前線で働くのか・・・」と、いつものごとく、少し落ち込んだのだった・・・
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久しぶりの喧嘩
2007-09-23 Sun 05:05
メーオの初日の営業はうまくいったようだった。
メーオは仕事が終わったあと、声を弾ませながら私に電話してきた。
しばらく、黄金町を休んでいた事もあって、新しく日本に来た女だと勘違いした男たちが、それなりに付いたらしい・・・

また、以前のお得意様にも営業の電話をかけたところ、わざわざ駆けつけてくれたお客様もいたらしく、メーオは上機嫌だった。
でも私は、声は笑っていても、メーオの営業がうまくいけばいくほど、たとえようのない暗い気持ちになってしまう・・・
「わかっていたことだろう?」と、自分で自分を理解させようとしたが、気持をコントロールするのは、そうそう容易なことではなかった・・・

そして、その日は、メーオにとって以前からの、超お得意様が、メーオの復帰祝いを開いてくれるという事になったらしく、帰りが遅くなるとのことだった。
私は、「夜の7時に帰ってくると言っていたくせに・・・」と内心、ムッとしたが、今後、メーオの仕事にも影響することだと思い、「気をつけて・・・」とだけしか言わなかった。
そして、「メーオは、今晩はホテルに泊まって帰ってこないかもしれないな~」と思い、一人で部屋にいても気がめいるだけなので、私はサウナに行った。
ここのところ、メーオと一緒にいる時間が長く、久しぶりに一人の時間が取れたことが、意外に心地よく感じてしまった私は、ついついサウナに長居してしまい、いつの間にか、仮眠室でうたた寝をしてしまっていた・・・

それからどのくらいたったのだろうか?
近くで寝ていたオヤジの、豪快なイビキに目を覚ました私は、仮眠室の壁に取り付けてある時計に目をやった。
時計は、24:30 を指していた。
そのままサウナに泊まってもよかったのだが、やはり自分のベッドで眠りたいと思った私は、最後にもう一度サウナに入って部屋に戻ろうと考えた。
そして、最後のサウナを楽しみ、気分よく自分のロッカーに戻り、着替えようとしたところ、携帯に着信履歴がある事に気が付いた。
その着信履歴はメーオからだった。
着信履歴が、1件ならまだしも、その着信履歴が、10件以上は残っている。
しかも、それぞれの履歴の間隔が、ほぼ5分という、超短い間隔だったことから、私はとっさに、「メーオに何かあったのかもしれない?」と思い、あわててサウナを出てた・・・

私は、サウナ出てすぐメーオに電話をかけた。
すると、3コールぐらいで、メーオがその電話に出た。
私は、「メーオ大丈夫か?」と言おうとしたのが、その言葉を言いきる前に、メーオの方が、「カス!なにやってるの!!!」と、どなってきた。
私は、メーオのあまりの声のでかさに、一瞬、たじろいだ・・・

メーオはそれから間髪入れずに、「カスは、私がいなくなると、こうも簡単に、夜、遊びに行く人だったの?」「そんな人は、私は信用できないわ!」という言葉を、私に浴びせてきた。
私は、「サウナに行っただけだよ。」「今から帰るから、そんなに怒るなよ。」と、言うしかなかった。
するとメーオは、突然携帯を切ってしまった。
私は、「とにかく部屋に帰らなきゃまずい。」と思い、マンションまで急いだ・・・

マンションに帰ると、キッチンのテーブルに、メーオが腕組みして座っていた。
そのテーブルには、花束と中華のドギーバックがあった。
私は、メーオに近づき、「ごめんねメーオ。」「メーオがお客さんと食事すると言っていたから、今日は帰ってこないもんだと思った。」とメーオに言い訳した。
すると、メーオは、「私が帰ってこないってどうゆう事!」と、びっくりするぐらいの大きな声を張り上げた・・・

私は、「なんというか・・・その、ホテルでお客さんとね・・・」というと、「私がいつ、お客とホテルに泊まるっていったの?」「カスは、私にそうあってほしいわけ?」と言い、泣きだしてしまった。
そして、「今日は仕事始めで、しかもそこそこうまくいったので、カスとお祝いしようと思って、お花とお酒と食事を買ってきたのよ!」と、それこそ金切り声に近いような状態で叫んだ。
私は、心の中で、「その仕事がうまくいったというのが、私は我慢が出来ないんだ!」と吐き捨てたが、とにかく、この場を収めようと、メーオに謝り続けた。
そして、1時間ぐらいメーオの非難を浴び続け、そして謝り続けた結果、やっとメーオが落ち着きを取り戻した・・・

メーオは、「私はこんな仕事をしてるけど、簡単にお客とホテルに泊まったりはしないわ。」
「どうしてもそうしなければいけない時は、きちんとカスに説明するし、できる限り早く帰るようにする。」「だから、私をそんな風に見ないで・・・」と、今までとは打って変わって消え入りそうな声で呟いた・・・

もちろん、今まで一度も、そんな風にメーオを見た事はないし、今回の件だって、純粋に、メーオの仕事の内容を考えて思った事だった。
私にも色々と言い分はあるが、やはり、女性に泣かれると、男としては何も言えなくなってしまう・・・

私は、「わかったよメーオ」と言い、そっとメーオを抱きしめた。
するとメーオは、やっと許してくれたのか、軽く私を抱きしめ返してくれた。
久々の喧嘩だったが、私は、メーオが今まで以上に身近にいてくれているという事を感じ、少しうれしかった・・・
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営業再開
2007-09-22 Sat 08:03
とうとうこの日がやってきた。
働き者のタイ人女性のメーオにとっては、一日千秋の思いで待ちわびた日。
私にとっては、できることなら回避したかった日である・・・

メーオは、今まで昼までダラダラしていた生活をしていたのだが、この日は、朝の7:30の目覚ましが鳴ると飛び起きた。
そしてテキパキと身支度を済ませ、昨日、川崎大師で購入し、部屋に飾ってある、
「身代守」
「厄除御守」
「開運御守」
のお守りに、熱心にお祈りを捧げていた・・・

本当は、「商売繁盛」のお守りを、メーオは購入したかったようだが、「商売繁盛」のお守りは、川崎大師には売っていなかった。
私は、「冬になったら、横浜橋で酉の市があるから、そこで商売繁盛のクマデを買おうね。」とメーオに言ったのだが、さすがに先のことすぎて、メーオには不満のようだった。
そこでメーオは、当面の間は、「商売繁盛」に関しては、タイ人が愛してやまない、ラーマ 5世様を、神様とするようにしたようだった(笑

ラマ5世

まあ、タイ人にとっては、神様と同じぐらい崇められている方なので、何らかのご利益はあるのだろう・・・

そして、メーオは、一通りお祈りをした後、「カス、夜の7時には帰ってくるね!」と言い残し、仕事に行ってしまった。
ちょっと歩けば、会いに行けるぐらいの所で働いているのだが、私は、実際の距離以上に、メーオとの距離を感じていた。
そして、何も考えない為に、もう一度布団に潜り込んだ・・・

すると、突然ドアが空き、メーオが部屋に駆け上がって来た。
メーオは、「カス、忘れもの!」と言い、私にかなりハードなキスをしてきた。
そして、
「カス、心配しないでね。」
「これは仕事だからね。」
「私の心は、カスだけのものだから・・・」
といい、もう一度私に軽いキスをして、あわてて出かけて行った・・・

その後私は、「私の心は、カスだけのものだから・・・」というメーオの言葉を、頭の中で、何回も何回も反復しながら、一人ぼっちになった部屋で、だらしない笑顔を浮かべていた・・・
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願かけ
2007-09-21 Fri 10:03
メーオが営業を再開する前に、私達は川崎大師に行ってきた。
信仰心の深いタイ人は、必ずこういった節目に、お寺にお参りをする。
いつもは、中華街の関帝廟にお参りに行くのだが、この日は時間もあったし、いろんなお守りも買ってあげたかったので、二人して川崎大師まで足を運んだ・・・

川崎大師に行くのは、今年の初詣以来である。
人もまばらな境内を見て、メーオをかなり驚いていた。
まあ、お正月の混雑時を知っている、信仰深いタイ人にしてみれば、普通の日には、参拝客がほとんどいないという事に、ちょっと日本人の性格に対して、疑問をもったようだった(笑

私が、「日本では、宗教を信じるという事は、ある意味、Crazy と取られるんだよ。」と、ちょっと私情がこもった極端な説明をすると、これまたメーオは驚いたようで、「日本人はあまり良くないね~」と、色々と考え込んでいる様子だった。
私は、「まあ、いろんな考え方が国別であるという事だよ。」と、その話を軽く流そうとしたが、メーオは、「カスも神様を信じないの?」と聞いてきた。
私は、「基本的にはね。」「もし神様がいるなら、メーオとこんな出会い方をしてないからね。」と、少々、メーオの質問にイラつきながら答えた。
するとメーオは、「神様がいるから、私達は出会えたんじゃない?」「日本人とタイ人の私たちが出会うなんて、そうそうないことだと思うけどね。」と、満面の笑みを浮かべながら答えた・・・

これも国民性の違いなのだろうか?
何事も否定的に考えがちな日本人。
そして、何事も肯定的に考えがちなタイ人。
どちらがいいとは一概に言えないが、この時ばかりは、メーオの方が正しい事を言っていると思った。
このメーオの言葉に、私は、救われたような気がした・・・

その後、私とメーオは、本堂でのお祈りを済ませ、川崎大師を後にし、メーオが働くために必要な備品である、マウスウォッシュ・ウエットティシュ・ティシュ・KYジェル・業務用コンドームを大量に購入し、一度、私達のマンションに戻り、メーオの仕事用の洋服・化粧道具等と一緒に、メーオのお店に全て運び込んだ。
そして、すべての準備が整った後、お店に鍵をかけ、二人して黄金町のメインストリートに出ると、昼間だと言うのに、女性を物色しようとうろついている男性の視線が突き刺さった。
私は、「メーオは、明日から、この男たちを相手にしなければいけないのか・・・」と、いつものごとく、暗い気持ちに沈んでいた・・・
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土地の利権
2007-09-20 Thu 10:52
先日の日記で、「メーオは台湾人のオーナーから店舗を借りた。」と説明したが、実はこの台湾人の女性は、メーオが借りた店舗の経営者であって、地権者ではない。
つまり、「権利の又貸し」ということだ・・・

日本の水商売関係も、「権利の又貸し」が当り前のように行われているようで、このこと自体はなんら珍しくもないが、黄金町は、この「権利の又貸し」が、何重にもわたって行われていたため、「お店でどのような事が行われているかも知らない。」とい地権者も少なくなかったらしい。
まあ、黄金町の地権者が、「そこで行われている内情を知らない。」というのは、明らかに無理があるから、罪から逃れるためのいい訳なんだろうが・・・

後でわかったことだが、メーオの店舗は、台湾人のオーナーの次に、何と、あのメーオのママさんが入っていて、その次に、メーオのママさんが若かりし頃のお客だった日本人が入っていた。
こうすることで、「何か摘発があっても、捕まるのは最初のオーナーだけ。」という仕組みが出来上がっていたらしい。
でも、最初のオーナーこそが、ハイリスク・ハイリターンだったのかもしれない・・・

多分そこから先も、私が知りうることのできない、いろいろな繋がりがあったのだろうが、そのような又貸しの連鎖によって、あの犬小屋みたいな店舗が、半日の賃料にも関わらず、1万~3万という高値になっていたわけだ。
売れ筋の店舗になると、朝・昼・晩の3交代制で、レンタル料が3万なんてところもあったわけだから、9万/1日、単純計算して、1ヵ月、30日として、270万のお金が動いていたことになる・・・

実は、私とメーオは、ある方から、「お店の権利を買わないか?」と言われた事がある。
その金額は、700万だった。
メーオは、本気で、その権利の購入を考えていたようだが、私が共同出資者になるのを渋ったので、その申し出を断った。
結果的には、黄金町は壊滅してしまい、あの土地自体は、なんの価値も生み出さなくなってしまったので、あのときの私の判断は正しかったということになる。
もし、「その申し出を受けていたら?」と考えると、今でも空恐ろしい気持ちになる・・・
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店舗決定
2007-09-19 Wed 10:17
新居に引っ越してから1週間も立つと、メーオは完全に回復した。
顔の傷の後もほとんど見えなくなり、下腹部に感じていた鈍い痛みもきれいさっぱりなくなったようだった。
メーオが元気になるという事は、この上なくうれしいことなのだが、それと同時に、メーオが黄金町での仕事を再開するという事も意味していたため、私は複雑な気持ちだった。
しかし、メーオは私の気持ちを知ってか知らずか、
「もうすぐ仕事を始められるわ。」
「ばんばん働いて、ばんばん稼ぐからね。」
と、無邪気な笑顔で私に言った。
私は、「気をつけるんだぞ!」と笑顔で答えたが、心の中では、「ばんばん」という言葉がすごく気になって、複雑な心境だった・・・

メーオが仕事を始めるにあたって、まず最初にメーオが働くお店を決めなければならなかった。
今までは、メーオのママさんが、売春を行う旧特殊飲食店のオーナーと話をつけ、メーオ達が働く店舗を借りていたので、メーオは、家賃を払うだけでよかったのだが、これからは、店舗を借りる交渉を、メーオ自身でしなければならなかった。
店舗を借りること自体はさほど難しいことではなかったのだが、やはり、それは商売なので、立地条件がいい店舗を借りる必要がある。
正直、この店舗選びだけで、売上の何割かは上下動してしまう問題なだけに、店舗選びは慎重を期さなければならなかった・・・

しかし、そういう立地条件のいい店舗は、既に借りられていて、メーオ個人の力では、どうにも立地条件のいい店舗を借りることができなかった。
そこでメーオは、ダメもとで、メーオの前のママさんと仲が良かった、別のママさんに話をしてみた。
私としては、前のママさんとメーオの間には色々あったので、このママさんの所にも、「いろんな意味で悪い噂が回っていないか?」と少々心配していたのだが、意外にもあっさりOKで、そのママさんの口添えで、黄金町のメインストリートと呼ばれていた、「パフィー通り」の店舗を所有するオーナーと話をすることができた。
そのオーナーは、台湾人とのことで、日本語に難のあるメーオの通訳として、私も同行することにした・・・

そのオーナーの方は、台湾人の女性の方で、年の頃は、40後半という感じだった。
黄金町に関係していた人に、このような言葉を使うのは、正直抵抗があるのだが、優しそうで感じのよさそうな女性だった・・・

そのオーナーとの交渉は、あっさり終了した。
なぜなら、別に契約書を交わすわけでもなく、単純に、一日の賃料に関してお互い納得したら、その場で鍵を渡されて、契約完了だからだ。
あまりにあっけない契約に、ちょっと拍子抜けしてしまった私だった。
なぜなら、個人的には、ママさんの家にメーオの借金を払いに行った時ぐらいのプレッシャーを想像していたから(笑

とりあえず、メーオはこれで、黄金町のメインストリートに、店舗を構えるフリーランスの売春婦になったわけだ。
メーオは、オーナーからもらった鍵を手に、「がんばるぞー」と、空に向かって叫んだ。
私はそのメーオの底抜けに元気な声を聞きながら、たとえようのない暗い気持ちに沈んでいた・・・
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乱された心
2007-09-18 Tue 15:34
新居に引っ越してきて次の日は、荷解きに明け暮れた。
メーオ自体は、洋服しか持っていなかったのだが、私は長年住んでいたマンションのものを、一切合財、ビニール袋に突っ込んで持って来たため、どこに何が入っているのか、全く分からなかった。
ビニール袋に、荷物を突っ込んだのが、メーオの友達たちだったというのも手伝い、調味料と一緒に、電化製品のパーツが入っていてりして、荷解きするのもなかなかスリリングなものがあった(笑
私とメーオは、だだっ広いだけの空間を、ほぼ一日かけて、生活臭の漂う空間に作り替えた。
部屋のレイアウトを見て、「国籍がどこであっても、女性が考える部屋というのは、あくまでも女性的なんだな~」と、思った・・・

引っ越し作業もひと段落ついたので、私達は、1日遅れではあるが、引っ越し祝いをすることに決めた。
昨晩も、とりあえず、「ワインで乾杯。」は、していたのだが、こういう事の節目をきちんとお祝いすることは、タイ人にとってはとても重要なことだという事で、引っ越しを手伝ってくれたメーオの友達を誘い、若葉町にあるタイ料理屋さんで、ささやかなパーティーを開くことにした・・・

約束のお店に行くと、メーオの友達は、私たちが来る前から、パーティーを始めていた(笑
この日は、タイの焼き肉の「ムーガタ」と呼ばれるというものを食べた。
私が想像する焼肉とは、かなり異なっていた・・・

ムーガタの鍋

これが、肉を焼く装置で、日本で言えば、「七輪」のようなもので、下から炭火やガスで鉄板を熱し、上の穴が開いている部分で、お肉、野菜、そしてタイ人が大好きな魚のすり身ボール等を焼くようになっていた。
横の部分の溝にはスープが入っていて、お肉のエキスが下に落ちて、スープがより一層美味しくなるということらしい。
野菜は、焼かない場合は、より一層美味しくなったスープでボイルする場合もある・・・

ムーガタ

イメージ的には、今、流行りのジンギスカンに近いと感じた。
肉自体は、焼くだけなので美味しいが、肉汁が加わった鍋の溝のスープは、お世辞にも美味しいとは思えなかった。
日本人には、匂いがキツイのだ(泣
でもメーオをはじめ、他のタイ人女性が、「このスープが美味しんだ。」と、どんどん私に進めてくるので、我慢してそのスープを口にはこんだ・・・

このパーティーには、メーオの友達が連れてきたお得意様も数人いた。
このころから、何人か、メーオの友達の彼(お得意様)にお会いする機会が多くなるのだが、やはりどの方も年齢層が高い・・・

その上、態度が横柄で、初めてお会いするのに、あいさつなしにいきなりタメ語だったりと、失礼な方が多かった。
また、普通の店で、人前にも関わらず、連れの女性の体を触ったりと、とてもじゃないが、メーオと友達の付き合いが無ければ、付き合いたくもないような方々ばかりだった・・・

でも、これからは、フリーランスの売春婦として働くメーオにとって、いろんな意味で情報を入手する手段は必要だろうと私は考え、積極的にそのような方々とコミュニケーションを取った。
彼らは、今まで何人もの不法滞在のタイ人女性とお付き合いしたことがあるらしく、「法の抜け道」とか、「タイ人女性とうまくやっていく方法」というものを、自慢げに話していた。
「タイ人女性とうまくやっていく方法」に関しては、聞いていてバカバカしくなる内容がほとんどであったが、彼らは本気でそう思っているらしかった。
ただし、「法の抜け道」に関しては目から鱗の内容が多かった。
今までバカ正直に生きて来た私には、この手の情報はほとんど持っていなかったため、この情報を聞くだけでも、このろくでもない男たちとのコネクションを持っておくことは有効だとおもった。
「全てはメーオの為。」、今考えれば、完全に独りよがりだが、そう自分に言い聞かせていた・・・

そしてやっとパーティーも終わり、お店を出ようとした時、一番年配で癖の強い方が私のそばに来て、「タイ人女を信じるな。」「そうすればあんたはハッピーになれるぜ!」と、耳元で呟いた。
私は心の中で、「あんたと俺は違う!」と叫びながら、「ご忠告ありがとうございます。」と一礼した・・・

私は、その男の言葉に、何となくイライラしてしまい、部屋に戻ったとたんに、その男が言った言葉を振り払うように、メーオに貪りついた。
そして、自分の下で苦悶の表情を浮かべるメーオを見ながら、「俺達は違う。あんたらとは違う。」と、心の中で繰り返し叫んでいた・・・
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新居
2007-09-17 Mon 01:47
私とメーオは、お互いが住むマンションを探し始めた。
メーオは、あまりマンションに対する要求が無く、ただ漠然と、「新しいほうがいいかな?」ぐらいのことしか言わなかった。
私はに関して言えば、「家賃が予算内におさまれ良い。」ぐらいの意見しかなかった。
ただ、立地条件としては、メーオが仕事に行く際に、あまり移動距離がない、黄金町界隈という部分だけは絶対だった。
そこで、私とメーオは、黄金町界隈の不動産屋さんに直接出向いて探すことにした。
ただ、やはり外国人が住むという事は、いろんな意味でハードルが高かった・・・

最初の不動産でいろんな物件を紹介してもらっていると、担当者が、このような事を聞いてきた。
「すいません。お連れの方は、お客様とはどういったご関係ですか?」
私はなんとなく嫌な雰囲気を感じたので、とりあえず「私の妻です。」と答えておいた。
すると担当者は、「すいませんが、外国人登録証を見せていただけますか?」と聞いてきた。
しかしメーオは、不法滞在であるため、外国人登録証は持っていなかった。
不法滞在の外国人でも、外国人登録証を持つことはできるのだが、私もメーオも入国管理局へ通報を恐れて、メーオの外国人登録を行ってなかった・・・

そこで私は、「今はパスポートしかもってないのですが、それではだめですか?」と尋ねた。
すると、担当者は、「そうですか、それなら、申し訳ありませんが拝見できます?」と言った。
メーオは、ママさんから返してもらったパスポートを得意げに、担当者に差し出した。
担当者は、パスポートとメーオの写真を見比べ、「申し訳ありません。土地柄、色んな外国人が、手を変え品を変え、マンションを不法に借りようとしますので。」
私は、それに対して、「いや~、大変ですね。」と苦笑いを浮かべることしかできなかった・・・

その後、いろんな不動産屋を回ったのだが、外国人と一緒に住む事に、何色を示す不動産屋が、意外に多かった。
正確に言えば、不動産屋では無く、オーナーが難色を示しているのだが、ここまで外国人を嫌うオーナーが多いことには、結構ビックリさせられた。
とりあえず、不動産屋は、マンションを内見させてくれるのだが、オーナーのところではねられる事が続いた・・・

もちろん、何事もなくマンションを貸してくれるオーナーもいたのだが、結局そのようなマンションは、不法滞在者も多く住んでおり、入管・警察に目をつけられやすいと思ったので、私達のほうから辞退した。
色々と不動産屋を回って、結局、メーオと一緒に回るのは不利な部分が多すぎると解ったので、その後は、私一人でマンションを探すことにした・・・

そして、私一人でマンションを探し始めると、一発でいい部屋が見つかった(笑
本当に、神様の気まぐれには、苦笑させられることが多い・・・
運よく、黄金町近くで新築のマンションが建設されたばかりで、入居者を募集している物件があった。
メーオの望みどおり新しく、私の望みどおり家賃は予算内に収まり、立地条件も申し分なかった。
私は両親に保証人をお願いし、さっそくそのマンションを借りることにした・・・

メーオに、内見した時に取った写真をみせると、新しい部屋に飛びあがって喜んでいた。
そして、その夜、メーオを連れてマンションの外観を見せにいった。
外観も新しく、メーオは大満足のようだった。
私は、そのメーオの喜ぶ顔に大満足だった・・・

私達の引っ越しは、鍵をもらってすぐに行われた。
私は、「引っ越し屋さんに連絡をつけなければ。」と思っていたのだが、私達の引っ越しは、メーオの友達と、その友達のお得意様の力によって簡単に終わった。
黄金町で働いている女性たちは、このようにして、ほとんど引っ越しにお金をかけず、簡単に終わらせているようだった・・・

荷造りというには程遠い、ゴミ袋に荷物を詰め込んだだけの引っ越しだったが、荷物は何一つ破損することなく、新しいマンションに持ち込まれた。
私とメーオは、とりあえずワイングラスだけを取り出し、ワインで二人の新しい門出を祝った。
そして、シャワーを浴び、床にバスタオルだけを敷き、朝まで深い眠りについた・・・
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初めの一歩
2007-09-15 Sat 18:14
借金を完済したメーオは、晴れて自由になった。
そして、あの男の傷がいえるまで、私の家で休養していた。
メーオは、私が仕事に行っている間は、家でゴロゴロし、お日様が西に傾くころになって、やっとベットから這い出し、近くの商店街に行き、私達の晩御飯の食材を買い、晩御飯を作って私の帰りを待っているというサイクルを繰り返していた・・・

いろんなところに連れて行ってあげるつもりだったのだが、結局、どこにもいかなかった(笑
でも、マンションに帰ると、メーオが待っているだけで、なによりもうれしかった。
メーオもそう思ってくれていたのだろうか・・・

ただ、いつまでもこの生活を続けていくわけにはいかないので、この日、私たちは今後の事を話しあった。
メーオは、自由にはなれたが、黄金町で働き続ける事は変りなかった。
メーオが日本に来た目的を考えれば、それは至極、当然のことだった。
つまり管理売春から、フリーランスの売春に変わったということだ。
もちろん、メーオに、今の仕事を辞めてもらいたいとも思ったが、今の私には、そんなことをメーオに言う資格などなかった・・・

ということで、あと二週間ほどしたら、メーオは黄金町の自分のマンションに戻ることになった。
そこで私はメーオに、「黄金町で、私と一緒に生活しないか?」と提案してみた。
私が、メーオのマンションに泊まったり、今回のように、メーオが私のマンションに泊まるということは、過去にもあったのだが、完全なる同棲を提案したのは、このときがはじめてだった・・・

しかし、私は、このときは、「メーオのマンションで一緒に暮らさないか?」と提案したつもりだったのだが、メーオは、「嬉しい!カスと一緒に、新しいマンションに住める!」と、なぜか、引っ越すことを前提に、話を考えていた(泣

私は、今回、メーオの借金を払う際に集めたお金が、あと、100万ほど残っていたのだが、個人的には、もしもの為にストックしておきたかった。
しかし、メーオのはしゃぎぶりを見て、「こここそが、このお金を使う時!」と、なぜか気がでかくなってしまった(笑
こうして、私たちは、初めて、「互いに同棲する。」というコンセンサスがとれたのであった・・・

同棲を始めるにあたって、まずは、メーオのマンションを引き払う手続きを行った。
久しぶりにメーオのマンションに行ったのだが、家財道具や、メーオのドレスの一部がなくなっていた。
これは、あとで聞いたのだが、あの男が、メーオと縁が切れたので、メーオにプレゼントしたものを一切合財持っていったそうである・・・

こんなセコイ男に好き放題されたメーオが、本当にかわいそうだった。
メーオは、「気にしない。だってこれからは、カスが、家財道具や私のドレスを買ってくれるもんね!」と、これまた無邪気に言ってくれた。
私は、このときほど、あの男に殺意を覚えたことはなかった(笑

そして、少なくなったメーオの衣装を、いったん私のマンションに運び、夜が更けるまで、今度住むマンションについてあれこれ語りあった・・・
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愛人契約 Vol.18
2007-09-12 Wed 13:02
次の日、私はお金をかき集めに回った。
幸運な事に、会社の株は、自分が考えていたよりも多くの金額が得られたし、仕事で付き合いのある方からもお金を借りることができた。
しかし、後、50万ほど足りなかった。
そこで私は、両親からお金を借りることにした・・・

私は、両親から一度もお金を借りたことなど無かったので、両親はかなり驚いていた。
たとえ両親と言えども、お金を貸すとなれば、その理由を聞いてくると思うが、当たりまえだが、私は本当の理由など両親に話すことなどできなかった。
それこそ、まだメジャーにはなっていなかった、オレオレ詐欺まがいの嘘を付き、両親からお金を借りた。
今は両親に対して、「本当に申し訳ない事をした。」と思っているが、その時は、メーオを助けることで頭がいっぱいだったため、なりふりかまってはいられなかった。
そして、何とか目標の金額より100万ほど多いお金をかき集めた私は、メーオと一緒にママさんの所へ乗り込んだ・・・

ママさんのマンションには、ママさんのほかに、ママさんの旦那とママさんの弟がいた。
どちらも、とうてい堅気には見えない人達だった。
私は、本当は、逃げ出したいぐらい怖かった。
普通のサラリーマンが、そんなところに来て、まともな精神状態でいられるわけがない。
でも、メーオの事を考え、本当に死ぬ気で、その場にとどまった・・・

ママさんは、早く金を払えと言わんばかりの態度で私たちを迎えた。
私は、お金を払う前に、3つの事を約束させた。

1.もうこれ以上、メーオにお金を請求しないという内容の誓約書にサインをする。
2.これ以上、メーオにつきまとわない。
3.メーオのパスポートを返却する。

これに関して、ママさんは、鼻で笑いながら承諾した。
そんなことより、とにかくママさんは、お金を見たくてたまらないようだった・・・

私は、ママさんに言われた金額を入れたお金の封筒を、ママさんの前に放り投げた。
それを見たママさんの弟が、タイ語で何か叫び、私に殴りかかろうとしたが、それをママさんの旦那が制した。
ママさんの弟は、物凄く不満そうな顔で私を睨みつけ、その封筒を拾い、ママさんに渡した・・・

ママさんとママさんの弟は、念入りに封筒の中の札束を数えた。
そして、300万円を数えると、ママさんは急にニコニコ顔になり、「今日からは、あんたとメーオは、私のファミリーね!」と言った。
私は、その言葉に心底怒りを覚え、「どうなってもいいから、ママさんに飛びかかろうか?」と思った。
でも、それに気付いたメーオが私のベルトを、ギュッと握って、私を制し、ママさんに対して、タイ語で何か言った。
その言葉を聞いた、ママさんとママさんの弟は、最初、顔がこわばったが、その後大声をあげて笑った・・・

その後、メーオとママさんたちは、和やかな雰囲気で談笑し始めた。
タイ語のわからない私は、ママさんの旦那さんに、「お金を払ったのだから、そちらも約束を守ってほしい。」と伝えると、戸棚の奥から、メーオのパスポートを持ってきてくれた。
メーオにパスポートが本物かどうか確認してもらうと、どうやら間違いなく本物だった。
しかし、メーオの写真の部分を、明らかに切ろうとした跡があった。
ママさんは、メーオのパスポートを使って、何か企んでいたのだろう・・・

そして、誓約書へのサイン。
もちろん、こんなもの、こんな人間のクズどもに対して何の効力もなさないのは解っていたが、とりあえず形式だけでもサインさせた・・・

私は、直ぐにでもその部屋を出たかったのだが、メーオが、しばらくママさんと話していたので、それから、30分ほどその部屋で待たされた。
その間、私は生きた心地がしなかったが、なんとか、部屋を出ることができた。
部屋を出る時、ママさんの旦那が、
「例の男は、こちらで処理しとくから安心しときな。」
「アフターケアさ。」
と、ウィンクをしながら言った・・・

ママさんのマンションのエレベータの中で、メーオは、「これで私はカスの物になったんだけど、カスもあの男のように、私に暴力を振るうの?」と聞いてきた。
私は、
「そんなことするわけないだろう。」
「それに、メーオは、[物]じゃなくて、[私の彼女]だろ?」
と答えた。
すると、メーオは、「パクワーン」とタイ語で言った。
「パクワーン」とは、本当は、「お世辞」と言う意味だが、「嘘で甘い言葉をささやく」という感じの意味も含んでいる。
しかしメーオは、まんざらでもないようだった。
にっこりと微笑みかけるメーオの肩をしっかりと抱き、私達はママさんのマンションを後にした・・・

その後、私たちは、本格的に同棲生活をはじめて行く事になるのだが、あれ以来、あの男から、メーオに電話もかかってこなかったし、二度とメーオの前に現れることもなかった・・・

私は、メーオの愛人契約に関することは、すぐにでも忘れてしまいたかったし、何一つ思い出したくもなかったのだが、どうしても一つだけ知りたいことがあった。
それは、ママさんが、私達に、「今日からは、あんたとメーオは、私のファミリーね!」と、言った時、「タイ語でなんて答えていたのか?」いうことだった・・・

その質問に、メーオは、首をすくめながら、「あの時はね、「そりゃそうよ、あんたの旦那は、私のお得意様だもんね!」と、言ってあげたわ。」と答えた・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

私たち、よく無事に、ママさんの部屋から出られたもんだね(笑)
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愛人契約 Vol.17
2007-09-11 Tue 12:34
メーオはママさんに電話で事情を説明し始めた。
タイ語なので、何を言っているのかわからなかったが、メーオの表情を見ると、交渉はうまくいっているようだった・・・

しかし、ある時を境に、メーオがまた興奮しだした。
私は、一度その電話を遮り、メーオにママさんがなんて言っているのか訪ねた。
するとメーオは、「カスが払うなら300万円払え。とママさんが言っている。」と答えた。
私は、「借金は、120万ぐらいじゃないの?」と尋ねると、「正確には、128万なんだけど、カスが払うなら、300万って言っているの・・・」とメーオは言った。
私は、メーオと電話を変わりママさんと直接話すことにした・・・

以下は、ママさんとの直接交渉の会話です。
本来は、ママさんの日本語はたどたどしかったのですが、読みやすいように、きちんとした日本語に直して書きます。


私:
借金は128万とのことでしたが、なぜ300万になってるんですか?


ママさん:
あんたは私の客じゃない。
でも、Aさん(あの男のこと)は、私の昔からの客だからね。
メーオ以外にも、色々と贔屓にしている女がいるから、むげにすることはできないんだよ。


私:
メーオにあんなひどい事をしたのに、メーオをあの男に渡すのですか?


ママさん:
私は、メーオでいくら儲かるかしか興味ないんでね。
売られた後の女の境遇なんか知ったこっちゃないよ。
で、どうする、300万はらうのかい?
私は、あんたとメーオの事を考えて、チャンスを与えてるんだよ。
ここで自分の好きな女を守れないなんて男じゃないね~


ママさんは、私の立場が弱い事をいい事に、言いたい放題だった・・・

私:
今は、200万しかありません。
200万で何とかなりませんか?


ママさん:
ダメだね。
何とかして300万作ってきな。
私も鬼じゃないから、明日払えとは言わない。
今週末まで待ってやるから、なんとかしな!


私は、心の底から、このママさんを殺したいと思った。
しかし、このチャンスを逃すと、「メーオは一生手の届かない所に行ってしまう!」と考えた私は、ママさんと、今週末に300万円を払う約束をして電話を切った。
隣で心配そうな顔をするメーオに、「心配することないよ。」とだけ言い、メーオを強く抱きしめた・・・
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愛人契約 Vol.16
2007-09-10 Mon 12:44
メーオと晩御飯を済ませてまどろんでいると、ママさんから電話がかかってきた。
もう少ししてから、約束通りの定時連絡を入れようと考えていたのだが、しびれを切らしたママさんの方から電話をかけてきた。
その電話に最初は普通に対応していたメーオだったが、途中から明らかかにメーオが興奮してきたことがわかった。
そして電話が終わるとすぐ、メーオは泣き出してしまった・・・

私はメーオに駆け寄り何があったのか訪ねた。
メーオは、当然のことだが、ママさんは、あの男との愛人契約を解消する方向で話を進めてくれていると思っていた。
しかし、お金至上主義のママさんは、「あの男は、心から悪い事をしたと謝っているから、今後もあの男との愛人契約を続けてくれと。」とメーオに話を切り出してきた。
それに対してメーオは猛烈に反発し、話は平行線になってしまい、話し合いは終了したようだった・・・

それから30分くらいして、またママさんから電話がかかってきた。
この電話に対して、メーオは最初、かなり強い口調で口論していたようだが、どんどん元気がなくなっていき、最後は力なく電話を切ってしまった。
私は、いいようのない不安を感じ、また、メーオに電話の内容を訪ねた。
すると、私が一番恐れていた回答が返ってきた・・・

「あの男が、私の残りの借金を、全額払うと言っているの・・・」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

それはつまり、メーオはあの男に完全に売られてしまうという事を意味していた。
メーオの管理権は、すべてその男に移譲されてしまい、今後、メーオには、一切、自由が無くなるのだ・・・

私は、その話を聞いて、そこで即決した。
そして、メーオにこう切り出した。
「私が、メーオの借金を全額払うから、メーオは何も心配しなくていいんだよ。」
「メーオの残りの借金はいくらなの?」
メーオは、「詳しくはわからないけど、後、120万ぐらい。」と答えた。
離婚の慰謝料で、現金はほとんどなくなっていたが、私は、会社の株を持っていた。
その株を売却すれば、200万ぐらいになる。
資産運用として使おうと思っていたお金だったが、それ以上に重要な問題が発生した以上、手を出さざるを得ない・・・

メーオは、私の申し出を、素直に受け入れた。
いつもは、そういう事を、頑なに拒否していたメーオだったが、あの男のものになるという恐怖感から、背に腹は代えられなかったのだと思う。
そして、あの男の申し出を解消してもらうために、直ぐにメーオからママさんに電話をかけさせた。
しかし事はそう簡単にいかなかった・・・
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愛人契約 Vol.15
2007-09-09 Sun 12:45
私は、ゴミ収集車の機械音で目を覚ました。
しかしメーオは、まだ車の中ですやすやと寝ていた。
そのメーオを起こすのは、とても可哀そうだと思えたが、そろそろ部屋に戻ろうと思い、メーオを揺り動かした。
するとメーオは、その名の通り、子猫のような伸びをして、あたりを見渡してこう言った。
「カスの住んでいるところは、住宅街なのね。」
「黄金町のようにゴミゴミしてしてなくていいところね。」
私は、「メーオがその気なら、ずーっとここに住んでもいいんだよ?」言うと、メーオは、「お金が貯まったらね!」と答えた。
遠まわしに、「仕事を辞めて、私と一緒にならないか?」と尋ねたつもりだったのだが、見事にメーオにはぐらかされた(笑

それから二人部屋に戻り、シャワーを浴び、冷蔵庫の中の残り物で作った簡単な朝ごはんを食べた。
私は会社に、「今日は休みます。」と連絡を入れた。
さすがに、このあたりの事を全く分からないメーオを一人残して、会社に行くことなどできなかった。
メーオは、顔の腫れはちょっと酷くなったものの、幸いにも、気分も悪くなってないし、血尿も出てなかった。
体の内部の異常という、最悪の状態は回避しているようだった・・・

そして、朝ごはんを食べた後、今日の予定をいろいろと考えていたのだが、「メーオは、外には出たくない。」とのことだった。
正確には、「昼間、外には出たくない。」ということだった。
確かに、女性として、こんな顔の状態を、人には見られたくは無いだろう・・・
それに、丸々、1日休みをもらえたのは久しぶりということで、メーオは思いっきり、時間を無駄に使いたいらしく、ベットの中に潜り込んだ。
私は、PCをインターネットにつなぎ、会社のメールを確認していた。
メーオは蒲団から顔を出し、私に色々と話しかけていたが、ものの30分もしないうちに、スースーと寝息を立て始めた・・・

メーオが眠っている間、私は近くの商店街に買い出しに行った。
今日の食糧はもちろんの事、会社もそうそう休めないので、私が会社に行っている間、メーオが食べ物に困らないように、冷蔵庫がいっぱいになるぐらい食料を買い込んだ。
そして、英字新聞と雑誌、それと「メーオが見たい!」と言っていた、いくつかのビデオも一緒に借りてきた。
これで、「2・3 日は、メーオも退屈しないで済むだろう。」と考えた・・・

マンションに戻ると、メーオはまだ寝ていた。
その寝顔を見ながら、私は、「オーバステイの外国人風俗嬢と再婚か・・・」と、ひとりごち、メーオとの結婚を想像してみた。
しかし、今まで生きてきた中で、一度も思い描いたことの無い選択肢に、私は苦笑するしかなかった・・・
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愛人契約 Vol.14
2007-09-08 Sat 11:51
私はメーオを、ママさんが教えてくれた、非合法の外国人でも見てくれる病院に連れて行った。
幸いな事に、骨や内臓には損傷は無く、脳波等も乱れはなかった。
ただし、「血尿が出たり、気分が悪くなったら、直ぐにきちんとした病院に連れて行くこと。」と言われた・・・

私は、「なんでこんなになるまで黙ってたの?」とメーオに尋ねると、「カスに迷惑はかけられないから。」と微笑みながら答えてくれた。
殴られて腫れ上がった顔で、無理して笑顔を作るメーオが、本当に痛々しかった。
私が、「あんまり自分一人で、何でも処理しようとしないでくれ・・・」と言うと、メーオは「ありがとう。」と言い軽く私の頬にキスをしてくれた。
私はとても切ない気持になり、メーオを力いっぱい抱きしめた。
私のあまりの力の入れように、メーオがカエルが潰れたかのような声を出したので、その場で二人、大笑いしてしまった。
笑った事で、メーオもかなりリラックスできたようで、「じゃあ、カスのオンボロマンションに行こうよ!」と冗談を言える状態にまでなってきた。
しかし、その気分を害すかのように、携帯が鳴り始めた。
携帯をかけてきたのはあの男だった・・・

私は、その携帯に出ようとしたのだが、メーオがそれを制した。
そしてメーオは、携帯に出るや否や、自分が知っている限りの日本語で、その男に悪態を付き、「モウアワナイ!」と言い、携帯に対してアッカンベーをしながら電話を切った。
その男は、その日はさすがに、それ以上電話をかけてくることは無かった。
おそらく、ママさんからその男に対して連絡が行き、何らかの話し合いがなされたのだろう。
どのような事が話し合われたかは、その時点ではわからなかった。
ママさんに電話すれば、その内容を聞くことはできたのだろうが、その時は、そうしなかった。
とにかく、私もメーオも、嫌な事は早く忘れたかった・・・

伊勢佐木町から私のマンションに行く車中で、メーオは安心したのか、すやすや眠り始めた。
私は、なるべくメーオを起こさないように安全運転で、私のマンションへ急いだ。
私のマンションの駐車場についても、メーオはまだ眠り続けていた。
私は、幸せそうな顔で眠るメーオを起こすのを忍びなく思い、メーオの顔をずっと見ていた。
「この寝顔をしばらくは独り占めできるんだ。」と思うと、とてもうれしく思えた。
そしてその寝顔を見ながら、私も車中で寝てしまった・・・

私とメーオの同棲初日は、車の中という始まり方だった・・・
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愛人契約 Vol.13
2007-09-07 Fri 16:11
メーオは、私を見ると私に抱きついてきて号泣した。
メーオが泣くところは何回か見たことがあったが、嗚咽するほど泣いているのを見るのは、今回が初めてだった。
そして、「怖かった。すごく怖かった。」と何回も何回もつぶやいた・・・

暴行をした人物が誰かは、すぐに予測がついた。
そして、その予測通り、メーオに暴力をふるった人物は、あの男だった・・・

あの男の態度は、メーオが宇都宮から帰ってきてからというもの、ますます高圧的になったらしかった。
メーオの部屋に自由に出入りができる唯一の男という思いが、メーオに対する征服感として現れたのだろう。
しかも、「自分はお金を払っているから、何をしてもいいんだ!」とメーオを恫喝し、気に入らないと、メーオに暴力を振るうようになってしまったらしかった。
メーオはそのことをママさんに直訴していたようだが、ママさんは、メーオの言い分を、一切信じてくれなかったそうだ。
ママさんは、メーオがその仕事を辞めたいが為に嘘を言っていると考え、よりいっそうメーオに厳しくなったため、メーオは誰にも助けを求めることはできなかった。
私はメーオが落ち着くまで、抱きしめてあげることしかできなかった・・・

メーオがやっとしゃべれるくらいになった頃、メーオの仕事仲間が、次々とユンちゃんの部屋に集まりだした。
そして、メーオの酷い有様を見て、その中でもリーダー格の女性が、ママさんに連絡し、すごい剣幕で何かしゃべり始めた。
私はタイ語は全く分からなかったが、それでも、ママさんに対して怒っていることはわかった。
そして、それから30分ほどしてから、ママさんがユンちゃんの部屋にやってきた・・・

ママさんは、メーオの様子を見て、ひどく驚いていた。
メーオの友達は、ここぞとばかりに、ママさんに不平不満を漏らしているようだった。
負けん気の強いタイ人女性同士の話し合いは、はたで見ている分には、かなり迫力のあるものだった・・・

そして、ママさんとメーオ達との協議は終わり、今後、どうしていくかが決まったようだった。
あの男との愛人契約に関しては、ママさんがもう一度話をつけるということになった。
そしてメーオに関しては、怪我が治るまで、私が面倒を見ることになっていた。
そうなった過程は、多分に不本意ではあるものの、これがメーオと私の、本格的な同棲生活の始まりであった・・・
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愛人契約 Vol.12
2007-09-06 Thu 12:35
その後も、メーオの青アザは、なかなか消えなかった。
正確に言えば、たとえ治っても、体のどこかに、1・2箇所の青アザがいつもできていた。
ただし、その青アザも、そんなに酷いものではなかった為、私もあんまり気にはしていなかった。
単純に、仕事部屋の狭さゆえに、「色んなところに体をぶつけているんだろうな。」と、本気で思っていた。
そう、あの電話がかかってくるまでは・・・

その日は、日曜日だった。
私は、土曜日と日曜日は、メーオにとって稼ぎ時なので、メーオの邪魔をしないように、会いに行かないようにしていた。
特に日曜日の夕方から夜にかけては、メーオのお得意さまが、多数、黄金町にやってくるらしく、昼はお店で、夜は近くのホテルでフル稼働していたようで、私は、メールは出すことはあっても電話はしないし、メーオは時間があれば、メールの返信ぐらいはしていたが、電話がかかってくることは絶対になかった。
しかし、その日は、夜の8時ごろに、突然メーオから電話がかかってきた。
私は、何か嫌な予感がして、その電話を取った・・・

電話を取るや否や、「カス、助けて!」という、メーオの叫び声が聞こえてきた。
私は、「どうしたメーオ?」と、聞き返したが、とにかくメーオからは、「助けて!」という声しか聞こえてこない。
電話から聞こえる音から判断するに、メーオは外を走りながら、私に電話をかけているようだった。
そして、「もう私、耐えられない・・・」と言い電話は切れてしまった。
私はどこに助けに行けばいいのかもわからないまま車に乗り込み、とにかく黄金町に急いだ・・・

黄金町について、再度メーオに電話をかけると、メーオはちょっと落ち着いたようだった。
そして、「今どこにいるの?」と尋ねると、「ユンちゃんの部屋にいるから来て。」と言われた。
ユンちゃんとは、メーオの友達の一人で、よくメーオの部屋に遊びに来ていた娘だった・・・

私はユンちゃんの部屋に急いだ。
今は、落ち着いているようだが、電話の時のメーオを尋常じゃなかった。
とにかく、「無事であってくれ。」と祈りながら、ユンちゃんの部屋に続く階段を駆け上がった。
しかし、私の願いは、神様には届かなかった・・・

ユンちゃんの部屋についた時、メーオの顔を見て驚いた。
メーオは、首の周りに赤いアザができ、顔の左半分がちょっと腫れていた。
明らかに、誰かに暴行を受けた事がわかった。
やはり、黄金町にはまった男などに味方をする神様など、どこにもいないのだ・・・
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愛人契約 Vol.11
2007-09-05 Wed 10:46
メーオと再び再会した私は、メーオのお店のみで会うか、メーオが仕事が終わった後に、外でデートするという付き合い方に変わった。
また、ママさんのメーオの管理方針が、横浜周辺ならば、門限無くお得意様と会ってもいいという管理方針に変わった事もあって、以前のように、メーオとコソコソ合わなくてもよくなった。
ただし、メーオの部屋にあの男以外を入れない、門限が無いと言っても、ママさんが管理していない宿泊はご法度、あの男からの電話は、いかなる時でも出なきゃいけないし、呼び出しがかかれば、お得意様とのデートは打ち切りにして、あの男に会いに行かなくてはならないという条件は付いていたようだった・・・

それに、1ヶ月も突然いなくなってしまったことで、せっかくのお得意様の多くも、メーオから離れて行ったようで、新しいお得意様獲得のため、メーオはかなり忙しくなっていった。
なので、レストランを予約したり、映画を見に行ったりしても、メーオが途中退席をすることは、稀ではあるが起こっていた。
でも、それでも私は、そのメーオとの関係に満足していた。
お店に行けば、そこに必ずメーオがいる。
それだけで、私は十分だった・・・

メーオとお店で会う関係に戻ってしばらくして、メーオのお店で愛しあった後、お互い裸で余韻を楽しんでいると、私は、メーオの腕のあたりに青アザを見つけた。
メーオは、体をぶつけると、直ぐに体に青アザを作る体質だった。
その事は、出会ってすぐのころから知っていた事だったので、あまり気にもしなかったのだが、一応、メーオにその青アザの事を訪ねて見た。
すると、「ちょっとぶつけちゃってね~」と、舌をペロッと出しながら答えた。
私はその仕草を可愛く思い、「なぜ青アザができたのか?」という事への興味などすぐに失せて、またメーオを抱きよせ愛しあった・・・

そして数日後、またメーオのお店で愛しあった後、お互い裸で余韻を楽しんでいると、今度はメーオの太ももの付け根あたりに、青アザを見つけた。
バカな私は、「またぶつけたの?」とメーオに訪ねた。
この時も、ただ聞くだけで、本心では、注意なんて一切払っていなかった。
メーオは、「スゴイ体位を要求するお客がいるの~」と、ニヤニヤしながら私を覗き込むので、「それはどんな体位だ~」などと、エロ親父に変わる為のネタぐらいにしかならなかった。
今思えば、「なぜ、あの時、メーオの青アザの事に、もっと注意を払わなかったのか?」と大変悔やまれる・・・

そしてこのメーオの青アザ事件から、メーオの愛人契約は、メーオにとって耐えがたいものとなっていく・・・
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愛人契約 Vol.10
2007-09-04 Tue 10:27
私は、メーオの宇都宮での仕事内容は、詳しく聞かないようにした。
だいたい想像はつくし、メーオは本当にあった事を正直に話すことが、メーオ流の信頼の証と思っていたフシがあったが、生々しい話を聞かされて、耐えられない部分も多分にあったので、今回は、私の方から、「詳しい話はもういいよ・・・」と、メーオの説明を遮ってしまった。
メーオは、「本当に全部知らなくていいの~」と、意地悪な笑みを浮かべながら私の顔を覗き込んで、私をからかおうとしたが、私の顔が本気だったので、メーオも、それ以上は、宇都宮での話をしなくなった。
その代り、これからお互い、どのようにしてあっていくかを話し始めた・・・

まず第一に、「私はメーオのマンションにはあがらない。」という事にした。

とにかく、あの男が、いつどこでメーオを見張っているか分からないし、もし今度見つかったら、メーオは本当に、地方都市に売り飛ばされてしまう可能性があったからだ。
その代り、メーオがお店に出ている間は、いくらでも会えるし、お客さんとして外で食事している分には、ママさんも文句は言わないという事になっていた。
以前に比べれば、メーオと一緒にいられる時間は、大幅に削られてしまったが、私はそれで充分だった・・・

そして第二に、「私がメーオのプライベートの携帯を買う。」という事にした。

メーオの携帯が繋がらなくなったのは、ママさん経由で購入していた携帯の内容を、あの男がチェックし始め、いろんな男から電話がかかってきていたことに、これまた激怒したため、通話履歴等を自分で調べられるように、自分が購入した携帯を、メーオに渡したからだった。
一度、メーオの男関係をリセットする目的が、あの男にはあったのだろう・・・

しかし、さすがにこれにはメーオも困ったようで、またお得意様のデータを集めようにも、その都度メモリーをフラッシュされちゃたまったもんじゃないので、男が渡した携帯は、あの男専用の業務用として使い、もう一つをプライベートな携帯として使いたいと言ってきたのだった。
私は、「メーオがもう一つ携帯を持っていることがあの男にばれたら、また問題になるんじゃないか?」と思ったが、そこはおねだり上手のメーオなので、うまく私を言いくるめてしまった(笑

まあ、私にしても、メーオとのホットラインができて、ちょっと安心できる部分はあったので、かなり甘い決断をしてしまったというのは事実だった。
しかし私に、「メーオに携帯を買う。」という事を決断させたもっとも重要な理由は、この携帯という文明の力がなければ、「私たちの関係は簡単に切れてしまうのだ。」という事がわかったからだった・・・

今回、1ヶ月あまりメーオがいなくなって、「私とメーオを繋いでいるのは、携帯の電波だけなんだ・・・」ということを痛感していた。
私は、メーオとは特別な関係だと思っていたが、それはとんでもない思い上がりだった。
これからは、たとへ連絡がつかなくなっても、「お互い信じあえるぐらいの関係を作っていこう!」と、心に決めたのだった・・・
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愛人契約 Vol.9
2007-09-03 Mon 12:32
思いがけないメーオからの電話・・・

間違い電話だと思い、オフィスで無造作に電話を取ったため、私は何もしゃべれないでいた。
「モシモシ? カス? 聞こえてるの?」
メーオが、矢継ぎ早にしゃべってくるので、私はあわててエレベータホールまで行き、人が滅多に来ない非常階段に飛び出た。
そして、外に出るや否や、「今まで何してたんだ!」と怒鳴ってしまった。
私は、「しまった、何怒ってるんだ?」と思った。
せっかくメーオが電話をかけてきてくれたのに、ここで私が怒ったところで、何も事態は好転しないのに・・・

しかしメーオは、電話の向こうで、無邪気に笑いながらこう答えてきた。
「ごめんね、カス。」
「私、宇都宮で働かされてたの。」
「詳しい事は後で説明するから、今から会えない?」
私は、担当の仕事を、後輩に押し付けて、黄金町まで急いだ・・・

黄金町について電話すると、メーオは、「ヤギショップの前で待ってて!」と言ってきた。
ヤギショップとは、初音町にあった、お酒や雑貨を売っていたお店である。
本当の名前は「ヤギショップ」ではなかったと思うのだが、なぜかメーオやメーオの友達たちは、そのお店を、「ヤギショップ」と呼んでいた(笑

ヤギショップで待っていると、ヤギショップの前にあるママさんのマンションから、メーオが出てきた。
私は、信号など無視してメーオの元に駆け寄って、メーオを抱きしめた。
約1ヶ月ぶりのメーオだったが、相変わらず、DOLCE&GABBANA の Light Blue の甘くさわやかな匂いを振りまいていた。
私は、このメーオの匂いが大好きだった・・・

メーオは、私をお店まで連れて行き、今までの事を話してくれた。
あの男との旅行の後、ママさんからの指示として、宇都宮の連れ出し有りのタイパブで働かされたそうだ。
その当時よく聞かされていた話だが、田舎の連れ出しのタイパブの労働条件はかなり悪く、尚且つ、かなり厳しい管理下で働かされるため、自由な時間はほとんど与えられないそうだった・・・

また、客層もかなり悪く、生の強要、どうかしたら暴力まで振るうお客が多く、多くのタイ女性は、地方へ働きに行かされるのをすごく嫌がっていた。
メーオのママさんは、約束を破ったメーオへの戒めとして、宇都宮へしばらく行かせたみたいだった。
私は、「あの男がそんな事をよく許したな?」と思ったのだが、どうもあの男も、メーオにお仕置きをしたかったらしく、メーオの宇都宮行きを望んだようだった・・・

あっけらかんと話してはいるが、色々と大変な事があったのだろうと思う。
それは、メーオの鞄の中に入っていたピルが物語っていた。
メーオは、私の目線の先に気づいて、
「ほら、こんな仕事していると、変なこと考えるバカが多いでしょ?」
「だから、もしもの為だから、変なこと考えないでね。」
と言った。
メーオのそのありがちな説明を聞いて、私は涙が出そうになった・・・
別窓 | 愛人契約編 | コメント:2 | ∧top | under∨
愛人契約 Vol.8
2007-09-02 Sun 20:52
メーオと連絡が取れなくなってしまった事は、悲しかったが、何となく予想をしていたことでもあった。
結局メーオは商品であり、お金の流れに沿って、いろんな場所に行ってしまう運命で、メーオを商品と割り切れない私には、荷が重すぎる女性なのだと思った。
今でも十分深い入りしてしまっているが、ここらが引き際かもしれないし、「なんらかの非合法な事の片棒を担がされる前に縁が切れるのは、むしろ幸せなことなのかもしれない?」と、無理やりネガティブな考えを持ち、メーオの事を忘れようとした。
でも、そこはやっぱり人間で、誰でも経験したことはあるだろうが、一度好きになった人を、そうそう簡単に忘れることなどできなかった。
メーオからサヨナラを告げられたのならまだしも、会えなくなった原因は、私やメーオの思いとは、全く関係ないところで決められたことなのだから・・・

それからはメーオを忘れるために、ガムシャラに仕事に打ち込んだ。
今まではメーオの事で、仕事を中断させられる事もあり、担当のプロジェクトも遅れていたのだが、幸運にもまいていた種が開花し始め、プロジェクトも好調に進み始めた。
今まで遅れていたスケジュールを取り戻すため、私は昼夜問わず働いた。
あまりの忙しさに、正直、メーオの事はほとんど忘れていた。
もちろん、たまにメーオの事を思い出す事もあったが、それはほとんど、「自分の過去の恋愛話」としてしか思い出さなくなっていた。
どうかしたら、メーオがいなくなってから仕事が好転したことで、「メーオは厄病神だったのかも?」とさえ思っていた・・・

ゴメンね、メーオ m(_ _)m

そして、メーオが自分の前から消えて約1ヶ月くらいたった頃、私のプライベートの携帯に一本の電話がかかってきた。
その携帯には、かけてきた携帯の電話番号が表示されていた。
しかし、会社の携帯ならまだしも、プライベートの携帯に、登録されていない電話がかかってくることなどまずありえなかった。
そこで私は、「どーせ間違い電話だろう?」と思い、その電話には出なかった。
すると、30分後に、またその携帯番号から電話がかかってきた。
私はその電話をかけて来ている方に、「番号間違えてますよ!」と教えてやろう思い、その電話を取った。
「もしもし?」
とりあえず、向こうの出方を見ようと思い、名前も名乗らずに返事だけしてみた。
すると、「カス! ひさしぶり! 元気にしてた!」と、聞きなれた声が聞こえてきた。
そう、電話をかけてきたのは、メーオだったのである・・・
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愛人契約 Vol.7
2007-09-01 Sat 12:00
一日千秋の思いで待った、メーオが黄金町に帰ってくる日になった。
正直、すぐにでも電話をかけたいと思っていたが、もしあの男が側にいて、男からの電話に逆上されても困るので、私は、メーオからの電話を待つことにした。
私は、携帯電話を枕元に置き、メーオからの電話を待った。
しかし、その晩は、ついにメーオから電話がかかってくることはなかった・・・

次の日私は、大阪に出張に行かなければならなかった。
すぐにでもメーオと連絡を取りたかったのだが、仕事をおろそかにすることもできなかったので、その日は、夜まで電話をかけるのを控えた。
しかし、客先でプレゼンをしている最中でも、頭の中はメーオのことでいっぱいだった。
失敗こそしなかったが、お客様に響くようなプレゼンはできてなかっただろう・・・

その日の仕事は、お客の接待を含めて、9時に終了した。
お客の接待をしている時は携帯を確認してなかったので、この接待が終わって携帯を確認した時に、メーオからの着信履歴が残っていることを期待していたが、結局、メーオの着信履歴は残っていなかった。
そこで、待ち切れなくなった私は、メーオに電話をかけた・・・

メーオが電話に出たら、「なんて言葉をかけようか?」と、私は色々と考えていた。
しかし、私の耳に入ってきたのは、メーオの電話への発信音ではなかった。

「お客様がおかけになった電話番号は現在使われておりません・・・」

・・・・・・・・・・・・

私が一番恐れていたことが起こってしまった・・・
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