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2007-08-31 Fri 14:40
メーオと連絡が取れないというのは、想像以上の苦痛だった。
今までも、メーオが仕事をしていて、電話をしても出てもらえないことはあった。 しかし、今回は、一度の呼び出し音もならずに、留守番電話に切り替わってしまう。 メーオの携帯の電源を切られているのは明らかだった・・・ 自分には、如何することもできないとわかっていたのだが、今の私は、メーオの情報なら、どんな小さなものでもいいので入手したいという衝動に駆られてしまっていた。 そして、いてもたっても居られなくなり、昼の黄金町へと急いだ。 昼の黄金町に行って、メーオの友達から、何らかの情報を聞き出そうと思ったのだ・・・ ひさしぶりに黄金町に足を踏み入れると、メーオの友達が、私を温かく迎えてくれた。 そして、私がメーオの事を聞こうとする前に、それぞれが知っている情報を私に教えてくれた。 メーオの話は、友達の間でも話題になっていたらしい・・・ 正直な話、ゴシップ好きのタイ人女性の情報というのは、あまり信憑性は高くない。 ある女性は、「メーオは九州に旅行に行った。」と言い、ある女性は、「メーオは北海道だ。」と言った。 終いには、「メーオはシンガポールに連れていかれた。」という話題まで飛び出した(笑 結局のところ、「メーオがどうなっているのか?」という正確な情報を聞くことはできなかったのだが、メーオの友達みんなで、「カス、ガンバルナ!」と言ってくれたことが、心から嬉しかった。 でも、一番嬉しかったのは、メーオが働いている区画で、お姉さんと呼ばれている、リーダ格の女性が、「メーオ、ゼッタイカエッテクルヨ!」と言ってくれたことだった。 彼女は、ママさんから、絶対的信頼を寄せられているようだったので、何らかの情報は知っていたのだと思う。 しかし、詳細を私に話すわけにはいかないので、抽象的な言葉で、私の疑問を払拭してくれたんだと、私は今でも思っている・・・ ちょっと気分が晴れた私は、みんなにお礼を言って、仕事に戻ろうとした。 すると、メーオの友達の一人が、「カス、ワタシトアソブトゲンキデルヨ!」と、私をからかい始めた。 それに便乗するような形で、その他の友達も、私をからかい始め、「3P、イヤ、4Pカ?」と大声で冗談を言い、私にまとわりついてきた。 それらの冗談を、スマートに交わすことができずに、ドギマギとしている私を見て、メーオの友達たちは、一斉に笑い始めた。 その光景を、黄金町で、女性を物色しようとして闊歩している男たちは、訝しげに見ていた。 普段の私なら、その視線に耐えられず、逃げるように、その区画から立ち去ったと思うが、このときばかりは、「見世物になってもいいから、このまましばらくここにいたい。」と思った。 そして、しばらくの間、メーオが働いていた区画は、黄金町の天使達の笑い声に包まれていた・・・ |
2007-08-30 Thu 20:43
昨晩の出来事に、私はショックを受けてしまったが、あのままメーオのマンションの前に突っ立っているわけにもいかないので、メーオに、「都合のいい時に電話をください。」と、メーオの携帯に、メールを出して、自分のマンションに戻った。
あの男にメーオが抱かれているかと思うと、悔しくて悔しく、たまらなかったが、ママさんから、メーオがどのような仕打ちを受けるかのほうがとても心配だった。 そして、一睡もできないまま、朝になってしまった・・・ 私は、メーオから電話がかかってくるまで、仕事がまったく手につかなかった。 とにかく、何でもいいから、「何らかの連絡がほしい!」と、ひたすら祈っていた。 すると、昼ぐらいになって、やっとメーオから電話がかかってきた。 メーオの声のトーンは、普通と変わらなかったので、「ひょっとしたら何事もなかったのか?」と希望をもったが、実際は、ママさんからペナルティとして、借金の総額を幾分か増やされたようだった。 私は、その事に責任を感じ、「その増加分は私が払う!」と申し出たのだが、メーオは、私の申し出を、かたくなに拒否した。 メーオ曰く、簡単にその増減分を払ってしまうと、ママさんは、メーオに自分の知らないパトロンがいると考え、今まで以上に、返金の催促をしてくるとのことだった・・・ また、メーオは、もうひとつペナルティーを科せられたようだった。 そのもうひとつのペナルティーとは、その男と2人で、4泊5日の旅行に行く事だった。 その間、メーオは携帯をママさんに取り上げられ、一切、外部との連絡を取らないという条件まで、その男に付けられたようだった。 「メーオは、5日たったら帰ってくるから、それまで我慢してね!」 と、私に言った。 私は、「わかった・・・」とだけ答え、その電話を切った。 後にも先にも、メーオと、4日も連絡を取らなかったことなど、この時だけだった・・・ そして、メーオがその男と旅行に行く当日、メーオからメールが来た。 「materu na!」 ローマ字で書かれた、日本語とタイ語が混じったこのメールは、「待っててね!」と言っていた。 しかし、私の心の中には、「ひょっとしたら、これがメーオと繋がりを持てる最後なのかもしれない?」と、いう考えが浮かんでいた。 そして、メーオがあの男と旅行に出かけた晩に、私は、意味もなくメーオのマンションまで行き、明かりがともることの無い、メーオの部屋を眺めていた・・・ |
2007-08-29 Wed 01:25
私は、メーオの愛人契約が開始されて以来、メーオのマンションに行く時、もしくは、マンションから帰るときは、メーオと一緒にエントランスを通らないように注意していた。
しかし、あの男の影が、メーオの周りでチラつかなくなった事も手伝い、その晩は、メーオと腕を組んで、メーオのマンションに行ってしまった。 そして、メーオの部屋にあがって、ほんの5分ほど経って、メーオの電話が鳴り響いた・・・ 私は、「メーオのお得意様からだろう?」と思い、いつものように、声を出さないように気をつけていたのだが、メーオの声のトーンから、あの男からだと理解した。 メーオは、「イマヒトリ。」「ウソジャナイヨ。」と、私の存在を、あの男に悟られないように対応していたのだが、今度は、突然、インタフォンが鳴り響いた・・・ インタフォンをメーオと一緒に覗き込むと、インタフォンの画像には、あの男が映っていた。 そして、あの男は、電話をかけながら、インタフォンを何回も何回も鳴らし始めた。 インタフォンのカメラに向い、うすら笑いを浮かべながら、何回も何回も・・・ どうやらあの男は、メーオの行動を観察していたようである。 私は、「このままじゃまずい!」と思い、私が部屋を出て1分たったら、あの男を部屋に入れるように、メーオ指示し、いったんメーオの部屋を出て行く事にした。 そして、メーオの階より上に移動し、エレベータの動きを見ながら、あの男が、メーオの部屋に入った事を確認して、メーオのマンションを出た。 私は、その後メーオがどうなったか、気が気でしょうがなかったので、メーオのマンションをはさんで、向い側の道路から、メーオの部屋を観察した・・・ そして、私が部屋を出てしばらくして、メーオのマンションにママさんが到着した。 おそらく、メーオが別の男を部屋にあげたことに激怒したあの男が、ママさんを呼びつけたのだろう。 その後、1時間ほどして、メーオのマンションからママさんが出てきた。 しかしあの男は、メーオのマンションから出てこなかった。 私はその後もメーオのマンションの前で、メーオの部屋を観察するという、ストーカーまがいの事をしていたのだが、あの男は、メーオのマンションから出てこず、とうとう、メーオの部屋の電気が消されてしまった。 その電気が消えた瞬間というのは、メーオがその男に抱かれた瞬間だったのだろう・・・ 「自分が愛している女性が、他の男に抱かれる瞬間を目撃する。」という、普通に生活していれば、ほぼ出くわさないシチュエーションに、正直、メーオを愛してしまった事に対して、後悔を感じた夜だった・・・ |
2007-08-28 Tue 19:14
昨晩の出来事で、メーオは、朝方まで眠れなかったようだが、外が白んできた頃には、すやすやと眠りに落ちたようだった。
私は、今日の仕事の用意があるため、メーオを起こさないように、マンションを出て行った。 そして、メーオも起きだすであろう昼に、メーオに再び電話をかけたのだが、その電話をメーオが取ることはなかった。 心配になった私は、嘘のスケジュールを組んで、仕事を投げ出し、黄金町まで急いで行った・・・ 黄金町についてメーオに電話するも、メーオは、まだ電話に出なかった。 そして、そのままお店に行ったのだが、お店も閉まっていた。 隣のお店の子に尋ねたところメーオは、まだお店に来ていないとのことだった。 「ひょっとしたら、まだ寝ているかもしれない?」と思い、私は、メーオからの電話を待つことにした。 私の着信履歴が残っているはずだから、「いつかは電話をかけてくる。」と思ったのだった・・・ そして、1時間ぐらいたってから、メーオから電話がかかってきた。 「ハーイ、カス!」 「どうしたの?」 メーオは、いつものメーオに戻っていた。 私が、「大丈夫かい?」と尋ねると、「ママさんに怒られちゃった!」とこれまたあっけらかんと答えてた。 昨晩、あの男やママさんからの電話を無視し続けたことを、ママさんに怒られたようだった。 しかし、そこはポジティブシンキングのタイ人、昨晩の事は、もう過去の事と、すっかり心を入れ替えたようである。 私は、「ちょっと会えないか?」とメーオに尋ね、とりあえず、その当時、黄金町にあったタイ料理屋さんで、メーオと落ち合うことにした・・・ メーオと無事会えた私は、まず、例の男との契約の事を、メーオに尋ねた。 メーオは、「もう決まったことだからしょうがないわね。」と、これまたサラリと言ってのけた。 「ママさんから、マンションに別の男を上がらせるなって言われちゃったわ。」 「でも、ばれなきゃ大丈夫よ。」と、可愛らしい仕草で答えた。 私も、「例の男も、毎日メーオの家に転がり込むほど暇じゃないだろう?」と思っていたので、この事は、これ以上、深く考えないようにした・・・ 事実、例の男は、仕事が忙しくなり、1週間に1日ぐらいのペースでしか、メーオの家に来なくなった。 こうなると、メーオと愛人契約をしているのは、「例の男より、私の方かもしれない?」と思えるくらいだった。 私自身も、例の男よりも、メーオを占有しているという優越感を感じて、ちょっと気分が良くなっていた。 しかし、この気の緩みが原因で、また、例の男との問題が発生してしまう事になる・・・ |
2007-08-26 Sun 11:11
例の男が、メーオのマンションのエントランスに来たことで、メーオはひどく動揺していた。
メーオとしては、不本意ではあるが、愛人契約を結ばされてしまった以上、その仕事はやり遂げるが、全プライベートまで、その男に売り渡したわけではないと思っていたらしい。 事実、ママさんも、そのように、その男に話していたようだ。 しかし、なぜかその男は、こうして、メーオのマンションのエントランスにやってきた・・・ そして、メーオがその男からのインタフォンの呼び出しに出ないでいると、その男からすぐさまメーオに電話が掛かって来た。 メーオとその男のやり取りは、詳しくわからないのだが、どうやらその男は、ママさんにメーオのマンションを聞いたようだった。 これにはさすがにメーオも切れたらしく、今までにない口調で、その男を罵倒していた。 「ケイサツ?」 「ドウゾ!」 「ワタシ、カンケイナイヨ!」 という言葉が聞こえてきたことから、その男は、「部屋に上がらせないと、警察に通報するぞ。」と、メーオを脅したのだろう。 しかし、それが火に油を注ぐ状態になってしまい、メーオのボルテージは、一気にヒートアップしてしまった。 そのメーオの切れっぷりに、その男も収集がつかなくなったようで、とりあえず、マンションのエントランスから引き揚げたようだった。 その後、メーオはママさんに電話して、タイ語で色々と言い合いをしていた。 しかし、ママさんにかなうはずもなく、結局は、メーオが折れる形になったようだ・・・ 事の真相は、その男が、「メーオの部屋への自由な立ち入り権」と言うものを、ママさんに要求し、そしてママさんは、現在の愛人契約料金に、3万円を上乗せした形で、その権利を売ったようだった。 もちろん、その取引に、メーオの意思など、微塵も考慮されていないのは言うまでもない。 3万円で買える、個人のプライベートな時間・・・ 人間を商品のように扱えるママさんや、その男の人間性に、反吐が出るほどの嫌悪感を覚えた・・・ そして、しばらくしてから、その男から、再び電話がかかってきた。 詳しい内容はわからなかったのだが、ママさんからメーオを説得してもらった事を知り、喜び勇んで電話をかけてきたようだった。 メーオは、その電話に対して、「キョウハムリ。」とだけ答えて切った。 それからしばらくの間、その男から、インタフォンの呼び出しと電話の呼び出し、そしてママさんの電話の呼び出しが続いたが、メーオはそれらすべてを無視した。 それはメーオのささやかな抵抗だったのだろう・・・ そして、メーオがインタフォンにも電話にも出ないことを知ったその男は、あきらめて帰って行ったようだった・・・ その晩、メーオは、ずっと泣いていた。 そして、「日本人なんて大嫌い。」とつぶやいた。 私は、その言葉に対して何も言う事が出来なかった・・・ |
2007-08-25 Sat 10:24
メーオとその男性との契約は、ママさんと男性が、直接契約を交わしていた。
つまり、メーオの意思など、その契約の中には、一切考慮されていないということだ。 月の契約金は、男性から直接ママさんに支払われ、メーオには、一銭も払われないという事になっていた・・・ 私は、愛人契約をしたとしても、その男性が、メーオに対して優しく接してくれるなら、逆にいい話かもしれないと思っていた。 黄金町で、訳も分からない男性を複数人相手するよりは、メーオにとってもいい話だとも思っていた。 しかし、その男性は、メーオに対しては、 「俺はお金を払っているんだ!」 と、かなり高圧的な態度でメーオに接していたようである。 もし気に入らないことがあれば、「払ったお金を返せ!」とわめきまくっていたようである。 そんな事もあってか、メーオは、お客様からの電話に対しては、おざなりな対応など一切せず、相手の気分を良くするような対応を、心がけていたのだが、その男性からの電話に関しては、明らかにおびえている感じが、声のトーンでわかった・・・ 愛人契約が開始された当初は、その男性も、元を取ろうと、ひっきりなしにメーオに電話をし、デートをしていたようだったが、それなりに仕事も忙しいようで、しばらくすると、メーオとのデートは、3日に一度くらいのペースに落ちてきたようだった。 私も、そうそうメーオに会いに行く事は出来ないので、結局、メーオが愛人契約をしたからと言って、私とメーオの関係に、何ら支障はないように思えるようになった。 しかし、ある日を境に、この男性の行動はエスカレートしていくことになる・・・ その日は、メーオのマンションで食事をしていた。 食事も一通り済んで、メーオとまったりと過ごしていると、インタフォンが鳴った。 メーオは、「誰だろう?」といい、ビデオ付きのインタフォンの所に行った。 私は、ちょっと邪魔された感があったが、メーオが私の所に戻ってくるのを待っていた。 しかし、メーオはインタフォンの画面の前に立ちすくんだまま、返事もしない状態で立ちすくんでいた。 私はメーオの異常に気づき、メーオのところまで行った。 そしてインタフォンの画面をのぞきこむと、ある男が立っているのが見えた。 「知っている人?」とメーオに尋ねると、「私と愛人契約を結んでいる人」と言った。 そして、「何でこの人、私のマンションを知ってるの?」と、メーオは消え入りそうな声で言った・・・ |
2007-08-22 Wed 14:36
その日は、メーオが、「日本のカレーを食べたい!」と言いだしたので、伊勢佐木町にあるカレーミュージアムに行った。
そこでいろんなカレーを食べては、メーオと共に、カレーの評論会を行い、楽しく過ごしていた。 その時、メーオの携帯が鳴り始めた。 メーオは、その携帯を手に取ると、お店の外に行き、電話を取った。 話している内容まではわからないが、口の動きから、メーオが日本語を話しているという事は解った・・・ その頃になると、メーオには、結構な数のお得意さんが付いていて、私とデートをしている最中でも、それらお得意さんから電話がかかってくることはよくあった。 しかし、そんな電話でも、メーオは、私の前でその電話にでていた。 お得意さんとの電話の内容で、たまに嫉妬することもあったが、私の前で、包み隠さず話してくれていることで、逆に安心していたことも事実だった。 しかし、今回、メーオは明らかに、私から離れ、その電話の主と話している。 その事に、私は、嫌な予感を感じずにはいられなかった・・・ そして、電話も終わり、メーオは私の所に戻ってきた。 私は、平常心を装い、その電話の事を尋ねたりはしなかった。 しかし、その電話の内容を、メーオの方から話し始めた。 「カス、ごめんなさい。」 「私、今から、お客さんとデートしなくちゃいけなくなった。」 私は、「ホテトルの仕事をママさんから言われたのか?」と思ったが、そうでは無く、月30万で、愛人契約を結ばされた男性 からの呼び出しだったのだ。 「夜は、メーオのプライベートタイムじゃないの?」と尋ねると、「この男性だけは特別なの・・・」と、目を伏せて言った。 そして、「これから、この男性からの電話が多くなると思うけど、あまり深く考えないようにしてね。」 「彼、すごいヤキモチヤキなんで、カスの存在がばれると、何されるかわからないの。」 「だから、カスも我慢してね。」と、言われた・・・ 私は、「メーオが借金を返すまでの辛抱さ。」と言い聞かせ、メーオの話を理解した。 しかし、この男性の出現で、メーオは、多大なストレスを受けるようになる・・・ |
2007-08-18 Sat 17:07
ある日、メーオの部屋に行くと、メーオが、「お願いがあるの。」と言ってきた。
そのお願いとは、タイにあるメーオの口座に、お金を送金してほしいということだった。 そしてメーオから渡されたお金の金額は、90万円だった。 メーオは、稼いだお金のほとんどを、ママさんにとられているはずだから、その中から、ほんの少しずつ、売上をごまかしながら、貯めて行ったお金なのだろう。 そのお金の、物質的な重み以上の重みを感じながら、私はメーオからお金を受け取った・・・ その時に、メーオは自分の銀行の口座番号とメーオの本名を教えてくれた。 はじめて聞くメーオの本名は、日本人の私には、とても難解な名前だった(笑 メーオは、「私の本名を知っている日本人は、あなた一人なんだからね!」と、恩を売るかの様に、私に威張るようなしぐさを見せた。 私はそのお金を受け取った時、メーオに、「なぜ体を売ってまで働いているのか?」という、通常、風俗で働いている女性にはタブーの質問をしてみた・・・ なぜ、そのようなタブーの質問したかと言うと、私は、メーオは、体を売って稼いだお金を、タイにいる家族に送金しているのだと思っていたのだが、ある日、メーオの家族や実家の写真を見せてもらったことがあったのだが、そこに映っている家や家族の身なりや暮らしぶりは、そこそこ裕福なものに見えた。 それに、メーオは、大学も卒業していたようだし、留学経験もあるみたいだったので、とても貧困から体を売っているようには思えなかったからだ・・・ その私の質問に、メーオは、首をすくめながら、「バンコクに私のお店を出したいの。」 「バンコクでもそこそこの暮らしはできるけど、私は、もっといい暮らしがしたいし、自分の力で、自分のアイディアをビジネスにしてみたいの!」と、目を輝かせながら言った・・・ 私は、その回答に、「安心」と「失望」を感じた。 「安心」を感じたのは、メーオは、「黄金町でのゴール設定を、きっちりしている。」と思ったからだ。 貧困から、自分の体を売っているなら、それこそ、ゴールは、ほぼ無限になってしまう可能性があったわけだが、少なくとも、そういう事態には陥らないという事が解っただけでも、この質問をした意味があったと思った・・・ 「失望」を感じたのは、「そんなに安易に、自分の体を売れるものなのだ。」と思ったからだ。 自分の目標を達成するためと言えば聞こえはいいが、あまりに短絡的過ぎると思った・・・ しかし、なにはともあれ、メーオが仕事を辞めるタイミングが分かった事が、とてもとても小さいけれど、二人にとっての希望になるようにも感じていた・・・ |
2007-08-16 Thu 13:40
メーオのホテトルの仕事に、嫉妬の炎を燃やしてしまった私は、彼女に電話をかけるのをやめてしまった。
最近は、毎日のように電話をするようになっていただけに、さすがにメーオもおかしいと思ったのだろう、連絡をやめてか、2・3日経って、メーオから電話がかかってきた・・・ メーオは、「どうしたの?」と尋ねてきたが、さすがに自分の本心を伝えるわけにいかず、「今は忙しいから。」とウソをついてしまった。 すると、メーオは、「それじゃ、休みはとれないね。」と言ってきた。 メーオは、今週から生理になるので、ママさんからお休みをもらったようだった。 その休みを利用して、私とどこか旅行に行きたいと言ってきた。 私は、電話では少々不機嫌な声を出していたと思うが、内心は飛び上るほどうれしかった。 そこで、「じゃあ、1泊2日で、箱根に旅行に行こう。」と、メーオに提案した。 メーオは、電話の向こうで、「キャーキャー」言って喜んでいた。 その声は、私の心のモヤモヤを、きれいさっぱり吹き飛ばしてくれた・・・ その日は、よく晴れた、絶好のドライブ日和だった。 黄金町までメーオを迎えに行き、そこから箱根までデートである。 よく考えれば、メーオと遠出するのは、これが初めてであった。 初めての温泉、初めての富士山、そして初めての雪、すべてがメーオにとって、エキサイティングなものだったと思う。 私も、この1泊2日の旅行に大満足だった。 しかし、箱根から帰る途中、またしても、私の嫉妬の炎が再燃することになる・・・ メーオは、ちょっと神妙な顔つきになり、「ねえカス。ちょっと聞いてほしいことがあるんだけど・・・」と言ってきた。 私は、その言葉に胸騒ぎを覚えたが、とにかくメーオの話を聞くしかなかった。 メーオは、私の目を見ながら、 「この前のお客さんだけど、私と、月、30万円で愛人契約を結びたいと言ってきたの。」 「それを私は受けようと思うんだけど、あまり考え過ぎないようにしてね。」 と、言った。 ・・・・・・・・・・・・・・・ 私は言葉を失った。 嫉妬の炎で、自分自身が燃え尽きてしまうのではないかとさえ感じた。 私は、「やるなと言ったら、やめるのかい?」と尋ねると、「その契約は、ママさんとその人が直接契約したので、私に拒否権はないの。」という回答だった。 「じゃあ、私に聞くことでもないよね。」 「メーオの仕事なんだから、メーオが自分で判断すればいい。」 と、かなり冷たく言い放った・・・ それからしばらく、二人とも無言のままだった。 逃げ場の無い車という狭い空間は、どんな拷問よりも苦痛を与えるものである。 そのストレスに耐えられなくなったメーオは、突然、声をあげて泣きだしてしまった。 「ごめんね、私がこんな仕事をしているから。」と言って、しばらくの間、ただただ泣きじゃくっていた。 私は、彼女に何を言っていいか分からず、「早く彼女のマンションについてほしい。」とだけ考えていた・・・ そして、やっとのことでメーオのマンションに付き、メーオは無言のまま、車を下りて行こうとした。 私は、その時、とっさに、メーオの腕をつかんだ。 そしてメーオを私の方に引きよせ、思いっきり抱きしめ、「君がどんな仕事をしていてもかまわない。」 「僕は君を心から愛してる。」と言った。 すると、メーオも「私も・・・」と言ってくれた・・・ でも、メーオは、「愛してる」とは、言ってくれなかった。 この言い回しに、「メーオのなんらかの意図があったのかどうか?」、なんてことは、今となっては知る由もないが、私は、「私も・・・」という言葉の後には、「愛している。」という言葉が含まれていると、自分勝手に解釈した・・・ とりあえず私たちは、これからどうしていこうか話し合った。 まず、彼女の仕事の事に関しては、私は深く考えないようにした。 もちろん、自分の愛する人が、他の男に抱かれていることを考えると、胸を掻き毟られる程の痛みを感じるが、だからと言って、メーオの借金をすべて返済してあげられるほどの経済力は私には無かった。 そうなると、何も考えないようにするしか、方法がなかった・・・ また、メーオは、「カスはお客さんじゃないので、お金を払って、私と関係を持つなんて事はしないでほしい。」と言ってきた。 もちろん、金銭的に言えば、それは好ましいことだが、自分の愛する人を助けないわけにはいかないので、月に15万円の援助をしてあげることにした。 まとめてメーオにあげるか、Sex する度に払うかの違いだけである。 とりあえず、私とメーオは、そのように話し合い、お互い付き合っていくことになった。 有る意味、私とメーオの間にできた「契約」だったと思う・・・ |
2007-08-12 Sun 13:55
メーオは、ママさんのマンションを出たのだが、ママさんの管理下にいることには変わりなかった。
ママさんからしてみれば、メーオは大事な商品。 その商品が、元を取る前に、警察にでも捕まって、タイに送り返されようものたまったものじゃない。 ということで、ママさんは、毎晩、8時以降に彼女が外出してないか、チェックしに来ていた・・・ 私は、メーオが引っ越しして以来、お店に行く事はなくなった。 要は、メーオの新しい部屋が、私が遊ぶお店になったのだ。 そのおかげで、あの汚いお店で、衛生面を気にしながら Sex をすることはなくなったし、他のお客さんとは少し違うシチュエーションで Sex できるようになった事が、何となくうれしかった・・・ そんな関係がしばらく続いたある日、メーオの部屋で遊んだあと、身支度をしていると、メーオもまた、外出の用意をし始めた。 私は、「これからどこかに出かけるの?」と尋ねたところ、「ママさんに呼ばれているの。」とメーオは答えた。 「何か問題でも起こったの?」と聞くと、「詳しことは分からないけど、ママさんが、お客さんを紹介してくれるらしいの。」という事だった。 どうも、ママさんの友人で、メーオの事をすごく気に入った人がいるらしく、その友人が、メーオとのデートを申し込んできたらしかった。 簡単に言えば、ママさんは、ホテトルの斡旋のような事もしていたわけである・・・ お店だろうが、ホテルだろうが、やることは結局一緒なのだが、私は、なぜかこの事に対して、猛烈な嫉妬を感じてしまった。 多分、私以外にも、お店以外のシチュエーションで、メーオを抱ける輩がいることが、すごく悔しかったのだと思う。 しかし、私にはその行為を止める権利もないし、また、メーオも、ママさんの命令を断ることはできなかった。 私ができることは、メーオをママさんが待つ場所まで送り届けることだけだった。 ママさんが待つ、若葉町のスナックまで、私とメーオは無言だった。 私は嫉妬から黙り込んでしまったし、それを感じ取ったメーオも黙り込んでしまった・・・ そして、お店の前につくと、ママさんが腕組みして待っていた。 メーオが着くなり、厳しい口調のタイ語でメーオを叱りつけると、私を睨みつけ、メーオをスナックに引きずり込んでいった。 ドアが閉められる時、メーオは、精一杯の笑顔を作り、嫉妬で大人げない一面をのぞかせていた私に手を振ってくれた。 メーオは、私の何倍も、大人だったのだと思う・・・ しかし、私は、嫉妬の炎を抑えることができず、そのまま黄金町に行き、南米系女性と遊んでしまった。 メーオと出会ってから、他の黄金町の女性と遊んだのは初めてだった。 しかし、遊び終えた後、ただただ、虚しさを感じる自分がいた・・・ |
2007-08-09 Thu 17:05
初めての喧嘩 Vol.1 から次の日、私はとにかくメーオに電話をかけなければと思った。
どのように話し始めようか色々考えたが、結局、何もなかったようにふるまおうと思った。 そして、意を決して、メーオへ電話をかけた・・・ しかし、最初の電話は、留守電話になってしまった。 私は、今は接客中なのだろうと思い、その場は、あまり気にもせずに、電話を切ってしまった。 それから、1時間後、2時間後と何回か電話をかけたのだが、全くメーオは電話に出てくれなかった。 さすがにこれはおかしいと思い、私のプライベートの携帯では無く、メーオに教えていなかった会社の携帯でメーオに電話をかけてみた。 すると、「モシモシ?」と、電話の向こうからはメーオの声が聞こえてきた。 「メーオ?カスだよ。」「なんで電話に出ないの?」と言ったのだが、その言葉を言い終える前に、その電話は切られてしまった。 私は、メーオから、居留守を使われていたのである。 そこから、私は、プライベートの携帯で電話をかけ直したのだが、どうやら、メーオは、携帯の電源を切ってしまったようだった。 昨晩の出来事は、かなり根の深い問題のようだった・・・ それから、何度電話しようとも、メールを出そうとも、メーオから、全く連絡がこなかった。 私は、直接メーオのマンションにも行ったのだが、TVモニター付きのセキュリティが施されていたマンションだった為、私の来訪は、ことごとく無視されてしまった。 夜の黄金町で働いていた、メーオの友達にお願いして、色々と取り合ってもらったが、メーオは一向に私との接触を拒否していた。 そして、メーオと連絡が取れなくなって、1週間がたった。 とうとう、八方ふさがりになった私は、有給をとって、メーオのお店に、直接会いに行くことにした・・・ メーオが引っ越して以来、久しぶりに、黄金町に足を踏み入れた。 久しぶりの昼の黄金町は、相変わらず閑散としていたが、平日の昼間にも関わらず、結構な数の男たちが女性を物色しようと、闊歩していた。 そして、久しぶりにメーオが働いている区画に足を踏み入れると、周りから、「カス、ヒサシブリ!」と声をかけられた。 その声を聞いて、周りを歩いているお客が、一斉に私を見た。 私は、いろんな感情が入り混じった視線を全身に浴びながら、メーオのお店に急いだ。 そしてメーオのお店に行くと、メーオは、入口横にかけてある鏡を見ながら、メイクアップをしていた。 メーオは、お店の前に、お客の気配を感じ、あわてて前を向いた。 最高の微笑みと一緒に・・・ しかし、お店の前に立っているのが私だとわかったとたんに、メーオの顔から笑顔が一瞬にして消え去った。 最高の微笑みから、最高の怒りの表情に変わる瞬間が、ストップモーションのように、私の前で再現された。 そしてメーオは、お店のドアを閉め、カーテンを閉じてしまった。 私は、恥も外聞もかなぐり捨てて、そのメーオのドアをたたいた。 周りを歩いているお客は、好奇の目を、私に一斉に向けていた。 私は、そんなものなど一切構わずに、メーオのドアをたたき、「ドアを開けてくれ!」「話を聞いてくれ!」と叫んだ。 すると、メーオは乱暴にドアを開け、私をお店の中に引き入れた。 そして、「迷惑でしょ!仕事の邪魔をしないで!」と、ものすごい剣幕で私を叱りつけた・・・ 私が行った行為が、メーオの仕事の邪魔だという事は、100も承知だった。 しかし、こうでもしなければメーオと会う事ができなかった。 私は、「何を怒ってるんだ?」とメーオに聞いた。 すると、メーオは、「あなたは、ノンちゃんが気にいったんでしょ?」 「それならノンちゃんの所に行けば?」と言い放った。 ノンちゃんとは、この喧嘩の発端となった夜に、メーオが連れてきた友達の一人だった。 私は、「どこをどう見たら、そのような事を考えつくのだろう?」と、メーオの思考回路が全く理解できなかった。 結局のところ、メーオの友達だからと、「もてなした行為」が、メーオには、私がノンちゃんを気にいったように、映っていたらしかった・・・ 私は、「日本では、彼女の友達をもてなすのは当然だし、そうすることが当り前。」と説明した。 メーオは、「タイでは、男性は、そのような場合、友達の前で自分の彼女に尽くすのが当り前。」と説明した。 つまりは、互いの考え方の違いから、このような状態になってしまっていた。 私は、「メーオの考えは理解したから、今度から注意する。」と心から謝罪した。 その言葉を聞いて、メーオは、「二度目はないからね!」と私を睨みつけた。 とりあえず、これで二人の関係は元に戻ったようだった・・・ しかし、さすがに、こんな状態でここで遊んで行くわけにもいかなかったし、これ以上、メーオの仕事の邪魔をするわけにもいかなかったので、私は、そそくさとお店を出ていこうとした。 するとメーオが、「7時にあの焼肉屋でまってて!」と言ってきた。 「私を嫌な気分にさせたんだから、晩御飯ぐらいごちそうしてよね!」と言い、わざと怒った顔を作り、手で、「早く出て行って!」という仕草をして見せた。 私はその仕草を見て、メーオの機嫌が元に戻ったことを理解した。 メーオのお店を出て、2・3歩、歩いて振り向くと、お店の前で、最高の笑顔と一緒に、私に手を振っているメーオがいた・・・ |
2007-08-07 Tue 12:15
ある日、私は、仕事が終わったメーオと、焼肉を食べに行く約束をした。
約束のお店でメーオを待っていると、メーオは、2人の友達を連れてきた。 彼女達はタイ人だったが、2人とも、初めて見る女性たちだった。 ただ、雰囲気からして、黄金町で働いている女性たちに間違いはなかった。 私は、メーオが連れてきたお友達なので、粗相のないように、メーオの友達に、色々と気をつかった。 しかし、この、「お客様に気を使う」という日本人では常識的な行動が、メーオの逆鱗に触れてしまう事になる・・・ 食事も後半にさしかかったころ、私はメーオのちょっとした変化に気づいた。 メーオは、最初こそ、私に微笑みかけてきたり、私の顔色を窺うように、私をチラチラ見たりしていたのが、最後のほうになると、全くそんなことをしなくなった。 しかも、私が話しかけても、返事さえもしなくなってしまった。 さすがに私も、メーオの感じがおかしいと思い、その後、あまりメーオに話しかけなくなってしまった・・・ そして食事も終わり、みんな帰ろうとした時、突然メーオが、「じゃあディスコに行こう!」と言いだした。 私は、明日、朝早くからミーティングがあったので、その誘いを断ろうとしたところ、「私の誘いは断るんだ?」という、ちょっと挑発的な言葉をメーオが投げかけてきた。 私は、その言葉に、ただならぬ雰囲気を感じ、渋々ディスコまでついて行った・・・ そしてディスコにつくと、メーオは私のことなど無視して、一人で踊り始めてしまった。 私は、メーオの友達に断りを入れ、メーオが踊っているところに行き、後ろから腰に手お回し、一緒に踊り始めた。 するとメーオは、私に向き直り、「私の事はいいから、友達の相手して。」と言ってきた。 私は、この言葉を、「お友達をもてなして。」という、とても日本的な意味に解釈していた。 しかし、メーオは、そんな意味で、この言葉を言ったのではなかった。 そんなこととはつゆ知らず、私はメーオの言葉を真に受け、メーオの友達二人と一緒に踊るという、大バカなことをしてしまった。 そして、そんな状態のまま、私は帰らなきゃいけない時間になってしまった・・・ 私は、メーオの所に行き、「今から帰るね!」と伝えると、メーオはその言葉を完全に無視していた。 メーオの態度が完全におかしいのは明らかだったので、私はメーオを外に連れ出し、「なぜ怒っているのか?」、とメーオに尋ねた。 するとメーオは、「別に怒っていない。」の一点張りで、話にならなかった。 私は、明日になれば、メーオも元に戻るだろうと思い、「明日電話するよ。」と言い、その場は帰ってしまった。 メーオの態度に、悶々としながら、私は帰路についた。 ただ、明日になれば全ては元に戻っていると考えていた。 しかし、それは非常に甘い考えだった・・・ |
2007-08-05 Sun 09:52
メーオは、2人のルームメイトと一緒に、ママさんが所有している2LDKのマンションに住んでいた。
しかし、ママさんが新たなタイ人女性を、3人買い付けてきたため、メーオ達は、そのマンションを出て行かなくてはいけなくなったようなのだ。 とりあえず、メーオに関しては、私の家で同棲することを提案したのだが、やはり、黄金町まで距離があるということで、メーオの方が、それを嫌がった。 そしてメーオは、プライベートの時間を持ちたいということで、友達とルームシェアをするんじゃなく、一人暮らしを考えたようだった。 しかし、日本語もしゃべれない、しかもオーバーステイのメーオが、そうそう簡単にマンションなど借りれるわけが無く、メーオは、ほとほと困っていたようだった・・・ こんな時に力になってくれるのは、お得意様のお客で、他のルームメイトはお得意様のお客にお金を出してもらい、マンションを借りたようであった。 メーオはというと、私以外のお得意様にお願いしてマンションを探していた。 私は、そのことに対して少々不満だった。 メーオは、「私をあまり頼りにしていないんだ。」と思った。 そんな私を見てメーオは、「カスには私の心の支えになって欲しいの。」 「マンションを選ぶなんて事は、どうでもいいお客にさせればいいのよ!」と言ってくれた。 その言葉が、メーオの本心だったのならば、とても嬉しいのだが・・・ 結局、そのお得意様は、メーオの為にマンションを探していることが、奥さんにばれてしまい、マンション探しを放棄してしまった。 困ったメーオは、日本にいる、タイ人マフィアのエージェントを使い、訳ありの外人さんでもマンションを貸してくれるマンスリーマンションを契約した。 しかし、訳ありの外人にもマンションを貸すような不動産会社なので、一ヶ月の賃金もバカ高かった。 1Rにも関わらず、都内の2LDK分ぐらいの家賃を請求していたようである。 全く、弱者から金をむしりとるハゲタカがなんと多いことだろうか・・・ しかし、マンションのロケーションはバッチリで、マンションのすぐ裏が、メーオの働く区画になっていた。 オーバーステイのメーオは、あまり外を歩き回ると、警察に捕まる可能性があるので、この点に関しては少しほっとした。 そして、メーオが引っ越しした夜、私は、ささやかだが、「引っ越し祝いをメーオの新しい部屋でしよう!」と提案した。 メーオは、満面の笑みで私の申し出を受け入れてくれた。 私は、メーオと一緒にお祝いをすることができるという嬉しさもあったが、お店以外の場所で、彼女と Sex できることに、軽い興奮を覚えていた・・・ その後、仕事が終了したのと同時にダッシュで黄金町に向い、花束とシャンパンを持って、メーオのマンションのエントランスを訪ねた。 エントランスが開けられ、メーオの部屋まで足を運ぶ。 その間、私は、今晩の事を色々と想像し、気持が高ぶりまくっていた。 そして、初めてメーオの部屋に足を踏み入れたのだが、そこには、メーオの友達が大勢集まっていて、既に引っ越し祝いが始まっていた。 私の淡い期待は、見事に崩れ去ったのだ(笑 正直、すごくガッカリしたのだが、そのパーティに出席したことで、得られたものも多かった。 メーオはもちろんのこと、メーオの友達にも、私はいろんな意味で信頼を得られたようだった。 そう考えると、「お店以外の場所で、彼女と Sex できる」なんて、ちっぽけな目的なんて、どうでもいいことのように思えた・・・ |
2007-08-03 Fri 06:24
私の「離婚」に関してはどうなったかと言うと、正直な話、以外とあっさりカタが付いた。
というのも、メーオの事が、妻にはばれていなかったからだ。 もし、メーオの事がばれていたら、こんなにあっさり決着はつかなかったと思う。 この点に関しては、正直、今でも、良心の呵責がある。 本当に、離婚した妻に対しては、申し訳ない気持ちでいっぱいである。 離婚して以来、元妻とは、一切コンタクトをとってないので、どうなったか分からないが、幸せになっていてほしいと、心から思う・・・ さて、メーオとのことを隠して臨んだ、妻との離婚協議だが、妻からの離婚の条件は、2つあった。 1つめの条件は、「慰謝料」であった。 これは当り前のことなので、ある程度覚悟はしていたが、「お互いが、結婚してから貯めたお金をもらえれば良い。」ということで、あっさりカタがついた・・・ 私たちはお、互い働いていたので、財布は別々に持っていた。 ただ、互いの給与から、毎月、私は5万、妻は3万を、共通の口座にプールしていた。 そのお金を、慰謝料として渡すことになった。 新たに、莫大な慰謝料を要求されることがなく、ほっとしたが、貯金が全くなくなった事で、これからの生活に、一抹の不安を覚えたのは事実であった・・・ 2つめの条件は、「離婚届の提出時期」に関してであった。 妻はどうやら、私に内緒で転職活動をしていたようで、既に新しい会社への内定をもらっていたようであった。 そこで、今の会社を辞めてから、離婚届けを提出したいとのことだった。 つまり、離婚の事実を今の会社に知られたくないし、新しい会社に入る時は、独身ということで、新たなスタートを切りたいと考えていたようだった。 それについても、私には何も問題がないので、2つ返事でOKした・・・ 「離婚」に関してのコンセンサスが取れてから、妻の行動は早かった。 銀行からお金をおろし、私のサインが書かれた離婚届を持ち、早々に引っ越し業者を手配し、行き先も告げづにマンションから出て行ってしまった。 妻が荷物を持ち出した部屋を見て、自分が住んでいたマンションは、こんなに広かったんだと感じた。 2人では狭いと思っていたが、一人では少々広すぎる間取りだった。 ここで、メーオと一緒に暮らせたら、どんなにいいだろうと思ったが、メーオの立場を考えると、「平間⇔黄金町」 間を電車通勤させるのは、リスクが高すぎるので、それは諦めた・・・ 私としては、自分が無駄にした時間が詰まった、このマンションから、さっさと出て行きたかったのだが、「慰謝料」で、貯金が無くなったので、しばらくの間は、このマンションに住み続けなくてはならなかった。 その点に関しては、あんまり気分がよく無かったが、でも、同時に、一人になれたうれしさも噛みしめていた。 そして、これからは、「もっと自由にメーオに会える。」という喜びから、遠足を前日に控えた小学生のように、軽い興奮を覚えていた・・・ |
2007-08-01 Wed 11:51
メーオにはとても仲の良い友達がいた。
彼女の名前は、順子ちゃん。 もちろん源治名で、本名は知らない。 順子ちゃんは、メーオのお店がある区画の入口のところで働いていて、私がメーオのところに遊びに来ると、冗談で、「3Pしない?」と、いつも私を茶化していた。 その順子ちゃんの誘い(誘いと言っても、順子ちゃんは本心じゃないのだが)をすり抜けて、メーオの所に行くのが、大げさだが、私にとって、ちょっとした儀式のようになっていた・・・ 順子ちゃんは、素朴な田舎臭さが残った女性で、お世辞にもかわいいとは言えなかった。 持ち前の明るさがなければ、あまり日本人男性は寄り付かないタイプの女性であった。 それこそ、黄金町に来た当初は、初もの好きなお客さんが付いていたようだが、2・3か月もたつと、あまりお客さんもつかないようになっていたようだった。 黄金町で働いて、お客がつかないとうことは、月単位で、莫大な借金が膨らんでいくという事を意味する・・・ しかし、ある時、私がメーオのお店に行くと、その日は、順子ちゃんの「3Pしない?」攻撃がなかった。 正確に言うと、順子ちゃんのお店には、別の女性が働いていた。 私は、「順子ちゃんは病気なのだろうか?」と勝手に推測し、メーオのところに行った。 順子ちゃんの「3Pしない?」攻撃は、最初のころは、うっとうしく感じていたが、いざ無いとなると、それはそれでさみしいものだった(笑 順子ちゃんに笑わしてもらい、笑顔でメーオに会いに行くというロジックが、私の中には既に出来上がっていたのだろう・・・ そしてメーオと遊んだ後、何気なく、順子ちゃんのことをメーオに聞いた。 私としては、勝手に順子ちゃんが病気で休んでいると思っていたので、順子ちゃんの容体が心配だったからだ。 しかし、メーオからは、私が想像もしてなかった言葉が返ってきた・・・ 「順子ちゃんは、別のお店に売られたみたい。」 「昨晩、嫌がる順子ちゃんを、東北のママさんが連れて行ってたから。」 ・・・・・・・・・・・・・・・・ 順子ちゃんは、メーオと同じママさんが、タイから連れて来ていたのだが、あまりお客がつかなかったので、黄金町ではなく、東北の方のスナックに売られていったそうだった。 黄金町は、都心部と言う事もあって、それなりに洗練された女性がいたので、順子ちゃんのような素朴な田舎臭さが残った女性は、田舎のスナックの方が良いと判断されたそうだ。 そこで、メーオのママさんと、東北部のママさんお間で、順子ちゃんの売買が成立したらしかった・・・ どこに行こうが、彼女達の仕事内容は同じなのだが、田舎のスナックでの対応は、コンドーム無しでの Sex がデフォルトのようで、黄金町のタイ人女性たちは、たとえアルバイトでも、東北のほうに行かされるのを嫌がっていた。 「私たちはしょせん商品だからね。」 「借金を返すまでは、私たちが意見を言う余地はないの・・・」 メーオは、私の眼をじっと見ながらこう言った・・・ 今でも思うのだが、なぜこの時、メーオはじっと私の眼をのぞきこんだのだろう? 私の表情から、何を読み取ろうとしたのだろう? 当の私は、事のインパクトが大きすぎて、ただボー然と、立ちすくんでいただけだったのに・・・ |
| 黄金町の天使 |
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