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売春・人身売買・麻薬・殺人・・・メーオと過ごした1年10ヶ月
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小さな希望
2007-08-18 Sat 17:07
ある日、メーオの部屋に行くと、メーオが、「お願いがあるの。」と言ってきた。
そのお願いとは、タイにあるメーオの口座に、お金を送金してほしいということだった。
そしてメーオから渡されたお金の金額は、90万円だった。
メーオは、稼いだお金のほとんどを、ママさんにとられているはずだから、その中から、ほんの少しずつ、売上をごまかしながら、貯めて行ったお金なのだろう。
そのお金の、物質的な重み以上の重みを感じながら、私はメーオからお金を受け取った・・・

その時に、メーオは自分の銀行の口座番号とメーオの本名を教えてくれた。
はじめて聞くメーオの本名は、日本人の私には、とても難解な名前だった(笑
メーオは、「私の本名を知っている日本人は、あなた一人なんだからね!」と、恩を売るかの様に、私に威張るようなしぐさを見せた。
私はそのお金を受け取った時、メーオに、「なぜ体を売ってまで働いているのか?」という、通常、風俗で働いている女性にはタブーの質問をしてみた・・・

なぜ、そのようなタブーの質問したかと言うと、私は、メーオは、体を売って稼いだお金を、タイにいる家族に送金しているのだと思っていたのだが、ある日、メーオの家族や実家の写真を見せてもらったことがあったのだが、そこに映っている家や家族の身なりや暮らしぶりは、そこそこ裕福なものに見えた。
それに、メーオは、大学も卒業していたようだし、留学経験もあるみたいだったので、とても貧困から体を売っているようには思えなかったからだ・・・

その私の質問に、メーオは、首をすくめながら、「バンコクに私のお店を出したいの。」
「バンコクでもそこそこの暮らしはできるけど、私は、もっといい暮らしがしたいし、自分の力で、自分のアイディアをビジネスにしてみたいの!」と、目を輝かせながら言った・・・

私は、その回答に、「安心」と「失望」を感じた。

「安心」を感じたのは、メーオは、「黄金町でのゴール設定を、きっちりしている。」と思ったからだ。
貧困から、自分の体を売っているなら、それこそ、ゴールは、ほぼ無限になってしまう可能性があったわけだが、少なくとも、そういう事態には陥らないという事が解っただけでも、この質問をした意味があったと思った・・・

「失望」を感じたのは、「そんなに安易に、自分の体を売れるものなのだ。」と思ったからだ。
自分の目標を達成するためと言えば聞こえはいいが、あまりに短絡的過ぎると思った・・・

しかし、なにはともあれ、メーオが仕事を辞めるタイミングが分かった事が、とてもとても小さいけれど、二人にとっての希望になるようにも感じていた・・・
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