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2007-10-31 Wed 10:45
私の予想は見事にはずれた・・・
今回の警察の取り締まりは、一過性のものでは無く、その後も定期的に続いた。 平戸桜木道路側には、警察車両が止められ、随時、2名の警察官が、黄金町の周りをパトロールするという力の入れようだった。 このような大規模な取り締まりが行われる際は、どこからか、ママさん達やお店のオーナー達に情報が入るものだったのだが、今回は、まったく情報が入らないらしかった。 このような状態で働くのは、多大なリスクを伴うのだが、働かなくても、部屋の賃料と、ヤクザからのセキュリティー費の要求はやってくるので、メーオやその友達たちは働かざるえなかった・・・ ただ幸運な事に、警察はただパトロールをするだけで、メーオ達の営業を見つけても逮捕しようとはしなかったし、黄金町の飲食店のオーナーの方々の協力もあって、とりあえず、派手に行動しなければ、警察から逮捕されることはないという状態にはなった。 「派手に行動しなければ」というのは、「警察がパトロールに来た時は、とりあえずカーテンを閉め、営業してない状態にし、警察が通り過ぎたら、カーテンを開けて営業をする。」ということらしい。 とりあえず、どのようなルートで取られたのかは知らないが、このようなコンセンサスが、警察と黄金町の飲食店の間で取られ、メーオ達は、黄金町で仕事を再開できるようになった。 しかし、営業を再開したメーオ達の売り上げは激減した。 なぜなら、メーオ達がいくら営業をしても、「警察が闊歩している地域に、足を運んでまで遊ぼう。」と考えるお客様は、ほとんどいないからだ。 あとから聞いた話では、警察の狙いは、そこにあったようで、黄金町を取り締まるというよりは、お客を黄金町に寄り付かせないようにして、黄金町のビジネス自体を成り立たなくさせることが、最終目標だったようである。 そのため、店舗やヤクザへのセキュリティー費が捻出できなくなり、黄金町で働く女性は、どんどん減っていった。 メーオ自体は、そんな状況でもお客が付いていたこともあり、しばらくは営業することができたが、メーオの友達は、一人また一人と、黄金町での仕事を辞めていった。 そんな状態で、年末を迎えた・・・ 通常なら、人でごった返す年末の黄金町も、2004年ばかりは閑古鳥が鳴いていた。 そして年が明けた2005年元旦、メーオは、黄金町での仕事を辞めることを決意した・・・ |
2007-10-30 Tue 10:38
その日は突然やってきた・・・
その日は大阪出張だった事もあり、横浜市営地下鉄を使い、新横浜から伊勢佐木長者町に行き、黄金町のマンションまで歩いて帰った。 伊勢佐木町方面から帰る場合は、嫌でも黄金町のネオンが目に入るのだが、その日は黄金町のネオンが消えていた・・・ 私が黄金町にはまって以来、黄金町のネオンが消えた事が1回だけあった。 以前説明したが、夕方の6時から夜の8時までの2時間だけ、黄金町のネオンを消すという自主規制があった。 しかし今回は、夜の10時を回っていた事もあって、明らかに黄金町のネオンが消えているのはおかしなことだった・・・ 私は言いようのない不安に駆られ、メーオに電話した。 私の電話にメーオはすぐさまに出てくれた。 私はそれで少し安心したが、「黄金町はどうなってるの?」と矢継ぎ早に、メーオに質問を浴びせた。 メーオは、「よくわからないけど、今日、突然警察の取り締まりがあったの。」「今は、道に警察の車が2台ほど止まっているわ・・・」「カス、早く帰ってきて。」と、メーオは泣きそうな声で答えた。 私は、メーオの言葉が本当かどうか確かめるために、平戸桜木道路側に回った。 すると、メーオが言った警察の車とは、護送車のようなゴツイものだった。 そして、警察が2人一組になって黄金町界隈を、パトロールしているようだった。 通常、警察の取り締まりがある場合は、あらかじめそのあたりの情報が、店舗のオーナーに回っていたようだが、今回は、そのような情報が一切回ってこなかったらしい・・・ メーオは昼からの仕事だったので、警察の取り締まりが行われていることを、メーオがお店を借りている店舗のオーナーから聞き、事なきを得たようだったが、知らずに朝から営業していたお店の何店舗かは、取り締まりを受けたらしい。 その夜は、メーオの携帯に、ひっきりなしに、タイ人女性のネットワークから電話がかかってきていた。 誰もこの取り締まりに対する正確な情報は得られていないようだったが、私は楽観視していた。 なぜなら、取り締まりだけなら、以前にもたびたびおこなわれていたからだ。 そして、スケーブゴートが取り締まりを受けると、いつもの黄金町に戻ることがほとんどだった。 なので、「今回も同様のケースだろう?」と思っていた。 おそらく、警察サイドで、「急速に、地域住民に対する警察の姿勢を見せなければいけない何かがあっただけだ。」とタカをくくっていた。 ただ、護送車のような車を配置するような大がかりな取り締まりに、少々、不安も感じていた・・・ |
2007-10-25 Thu 15:46
メーオはもちろんのこと、その友達とも親しくなっていくと、彼女たちのバックグラウンドという部分をうかがい知る機会が増えてきた。
私は、彼女たちは、「タイでの生活に困り、仕方無く日本に来ている。」もしくは、「騙されて売り飛ばされてしまった。」という理由で日本でこのような仕事に従事しているのだろうと思っていたが、そうではなかった。 彼女たちのほとんどは、仕事の内容を理解して黄金町にやってきていたようだ・・・ もちろん、日本への渡航費用・VISAの申請や手続き費用などが捻出できないため、その部分をママさんから法外な利息付きで借りているので、「ある意味売られている。」という部分は間違いではないが、人権保護団体が騒ぎたてるようなものとは、ちょっと違うようであった・・・ また、彼女たちの部屋に行くと、彼女たちのほとんどが、タイにいる家族の写真を飾っていた。 私はそれらの写真を見て、「彼女たちのタイでの生活レベルというのは、そこそこ良いレベルではないのか?」と、いつも思っていた・・・ なぜなら、階層化社会が進んだタイでは、学歴、特に大学を卒業したということは、この上ない、社会におけるステイタスである。 そのようなタイで、メーオは大学院を卒業していたし、彼女達の何人かも、きちんと大学を卒業し、留学まで経験していたようだった。 もちろん、タイの東北部・北部のど田舎から来ていた女性の写真は、かなり素朴なものであったが、「家はある。」「オートバイや車もある。」そして、「鶏や牛まで養う事が出来る(笑」と、やはり貧困から、日本にまでこのような仕事をしに来たとは思えなかった・・・ 「なんで、こんな仕事をしているの?」と風俗嬢に聞くのは、最大のタブーなので、メーオの友達すべてに聞いたわけではない。 なので、ここで書いたことがすべて正しいわけではないと思うが、彼女たちのほとんどが、「きちんとした目標を持ち、自分達の意志で、日本に仕事にやってきていた。」という事は間違いなさそうだった。 その目標達成のための手段が、「黄金町での売春」だったということだ・・・ メーオが以前言っていた、「バンコクでもそこそこの暮らしはできるけど、私は、もっといい暮らしがしたいし、自分の力で、自分のアイディアをビジネスにしてみたいの!」という言葉が、彼女達の意見を代弁しているのであろう。 まあ、結局のところ、彼女たちは、今よりも良い生活を手に入れるために、手っとり早く稼げるこれらの仕事を選んだ訳だ・・・ でも、「今よりも良い生活を手にいれたい。」と思う気持ちと、「できるなら、手っとり早く稼ぎたい。」と思う気持ちは、誰でも持っているので、その点に関しては、誰も彼女たちを非難する事は出来ないと思う。 しかし、もちろんの事、「いろんな法律を破っている。」という点において、彼女らの行為を正当化することができないのも当然のことである・・・ |
2007-10-24 Wed 11:05
酉の市とは、商売繁盛や開運を祈る晩秋の風物詩で、横浜では、横浜橋商店街から近い金刀比羅・大鷲神社で開催されている。
その期間中は、大通公園沿いに、縁起物の熊手やだるまを売る露店が埋め尽くし、あの周辺は人でごったがえす。 私はあまりゴミゴミしたところが嫌いなので、酉の市に積極的に行きたいとは思わなかったのだが、メーオはそういったイベント事が大好きだったので、メーオに無理やり連れて行かれてしまった・・・ 予想通り、酉の市で、大通公園沿いは、人でごった返していた。 私は、遠目からそれを見ているだけで、嫌気がさしてきたのだが、メーオは、そういう人ごみが大好きで、勇猛果敢にも、その人ごみの中に飛び込んで行った(笑 私は、メーオとはぐれるわけにもいかないので、渋々、メーオの後についていった。 メーオは、酉の市を見て、「タイのナイトマーケットみたい。」と、楽しむ反面、祖国への郷愁を募らせているようにも見えた。 順子ちゃんが帰国してから、その傾向が特に出ているような気がしていた。 私は、メーオのその状態に、少々不安を感じていた・・・ 大通公園沿いを歩いていると、メーオの友達にたくさん出会った。 みんな彼を連れて、酉の市を楽しんでいるようだった。 タイ人は、このようなお祭りごとが大好きらしい・・・ 途中、ララちゃんにもあったが、毎度の如く、連れている男性が違ったので、面倒に巻き込まれないように、挨拶だけかわして、私とメーオは、ララちゃんの近くから、早々に立ち去った(笑 メーオが酉の市で一番興味をもったのは、やはり熊手だった。 「商売繁盛や開運に良い。」という、熊手そのものにも興味があったようだが、特に、熊手を購入した際の、「動作」が面白いようだった。 熊手を扱う露天は、それぞれに個性と売りがある。 熊手を買うと「ヨヨヨイ、ヨヨヨイ、ヨヨヨイ ヨ!」と、火打石を打ちながらかけ声をかけてくれるが、値段によってかけ声の回数が違うようで、大物を買ったお客さんへのかけ声は、かなり気合の入ったものになる。 メーオは、とにかく自分に、景気の良い掛け声をかけてもらいたいようで、「カス、一番高いやつ買って!」と、私に注文してきた。 熊手の値段は、ピンキリで、3000円位から大きな物では100万単位の物もある。 かなりの掛け声をかけてもらうためには、それなりの値段の熊手を買わなくてはいけないのだろうが、私が買える熊手は、どんなに頑張っても、2万円程度・・・ 正直言えば、「熊手なんてものに、2万円も使いたくない。」というのが本音だったのだが、メーオの喜ぶ顔が見たくて、熊手に、その日もっていた全財産を使ってしまった(笑 そして、購入の際に、「外人さんに、日本人の心を見せてあげて!」と、お店の方に耳打ちしたところ、かなり景気の良い掛け声をもらうことができた。 メーオは、それが大変気に入ったようで、「One More Please!」とお店の方におねだりした。 私は、メーオに、「これは一回だけだよ。」と説明したのだが、お店の方たちは、メーオのために、いやな顔一つせずもう一度やってくれた。 メーオは、お店の方々に、感謝をこめて「アリガトウゴジャマシタ!」と、下手な日本語でお礼を言っていた・・・ その後、おなかが減った私たちは、露店で何か食べようと思ったのだが、熊手に全財産を使ってしまったことを思い出した。 メーオもお金を持ってきていなかった為、しょうがないので帰ろうとしていたところに、ララちゃんが再び現れた。 私たちは、このときばかりは、ララちゃんが天使に見えた(笑 メーオがララちゃんに事情を話すと、ララちゃんは、「ジャ、イッショニ、タベヨウ!」と言い、ボーイフレンドの脇腹を肘でつついていた。 つまり、ララちゃんのボーイフレンドが、みんなにご馳走してくれるということだ(笑 私とメーオは、ララちゃんのボーイフレンドにお礼を言った。 でも、この時ララちゃんが連れていたボーイフレンドは、最初にララちゃんに遇った時とは違う方だった。 ララちゃん、本当に恐るべし・・・ |
2007-10-23 Tue 11:25
ある日、マンションに戻ると、メーオの友達が遊びに来ていた。
その女性は、「カス、ヒサシブリ!」と私に声をかけてきた。 私は、その女性の顔を見て、びっくりした。 なんと、遊びに来ていた女性は、メーオの以前のママさんに、田舎に売り飛ばされた順子ちゃんだった。 順子ちゃんは、以前同様、良い意味で素朴さが残った、「田舎娘」のままだった(笑 私は、「また黄金町で働くの?」と順子ちゃんに尋ねた。 すると順子ちゃんは、「ワタシ、タイニカエルネ。」と答えた。 私は、その言葉で、「順子ちゃんに何かあった。」と直感した。 なので、あまり深く、そのことには触れないようにした。 すると、タイに帰る理由を、順子ちゃんのほうから話し始めた。 「ワタシ、アカチャンモッタネ。」 「コドモト、タイデ、シアワセニナルネ。」 と、言った。 私は、「おなかの子供のお父さんは?」と聞いた。 しかし、聞いたあとに、私は、自分の質問の浅はかさを悔やんだ・・・ 私の質問に対する順子ちゃんの回答は、私の想像通りだった。 おなかの子供のお父さんと順子ちゃんは、結婚はせず、順子ちゃんひとりでタイに帰るそうだ。 私は、もうそれ以上何も質問はせず、「タイで幸せになってね。」とだけ言った。 順子ちゃんは、「コップンカー(ありがとう)。」と最高の微笑を返してくれた。 今回、順子ちゃんは、横浜の入管に出向し、強制退去の手続きをするために、横浜に戻ってきたそうだった。 その手続きをメーオの以前のママさんがやってくれるそうだ・・・ 後でメーオに聞いたことだが、順子ちゃんは東北のスナックで働いている間に、ある男性に気に入られたそうだ。 その男は、順子ちゃんの借金を肩代わりし、順子ちゃんの新しいママさんから、順子ちゃんを身請けした。 しかし、その男性は既婚者であったため、順子ちゃんにアパートを与え、愛人のような関係を続けていたそうだ。 でも順子ちゃんの妊娠が発覚するとともに、順子ちゃんとの関係解消を望み、すったもんだの末に、「手切れ金を払い、順子ちゃんがタイに帰る。」ということで、お互いに話をつけたそうだった。 私は、「ひどい話だ。」と思ったが、順子ちゃん自身は、かなりの手切れ金をもらえたらしく、今回の件に関しては納得しているそうだ・・・ それからしばらくして、順子ちゃんは、横浜入管に出頭した。 順子ちゃんは、初回のオーバーステイだったことと、それ以外の罪はなく、自分から出頭したこともあって、「強制退去」ではなく、「出国命令法」に従って、帰国の手続きが取られることになった。 強制退去手続では、日本からの出国を希望して自ら入国管理局に出頭した入管法違反者についても、身柄を収容した上で一連の手続を行う必要がある。 しかし、出国命令法の場合、一定の期間内に自主的に出国することが確実と認められる者については、退去強制令書の発付後に、自費出国許可、及び仮放免許可を行った上で、事実上その身柄を収容しないまま日本から出国させられる。 この出国命令法に従って、順子ちゃんの出国手続きが行われるため、順子ちゃんは、帰国するまでの間、入国管理局に収容されることなく、比較的自由に行動することができた。 順子ちゃんは、その自由な時間を、夜な夜な、メーオ達と若葉町のタイ料理店で、パーティーを開いていたようだ(笑 そして、とうとう、順子ちゃんがタイに帰る日が来た。 私とメーオは、順子ちゃんを成田まで送っていった。 順子ちゃんは、寂しいというよりは、タイに帰れる喜びでいっぱいのようだった。 メーオは、タイに帰れる順子ちゃんを、少しうらやましそうに見ていた・・・ 順子ちゃんがゲートをくぐる時、順子ちゃんとメーオは、大粒の涙を流しながら、抱き合っていた。 そして順子ちゃんは、私のほうを向いて、「メーオト シアワセニ。」と言い、ゲートをくぐっていった。 メーオは、順子ちゃんが見えなくなるまで、いつまでも手を振っていた・・・ 成田から帰る途中、メーオから順子ちゃんが言っていた言葉を聞いた。 順子ちゃんは、 「今まで、いっぱい辛いことを見てきたので、これからは、おなかの子供と一緒に、いっぱい楽しいことを見るの!」 と、言ったそうだ。 私は、順子ちゃんのこれからの人生が、本当に良いものであることを願った・・・ |
2007-10-22 Mon 14:57
タイは「ほほ笑みの国」と呼ばれているらしい。
しかも、黄金町の女性たちは、客商売をしているもんだから、それに輪をかけて、笑顔が上手である。 ちょっと写真を撮る場合でも、ほんのコンマ何秒で、最高の笑顔を作れるのには恐れ入る。 この彼女たちの笑顔に、何人の男たちが騙されていったのであろうか(笑 そんな彼女たちなので、プリクラで可愛く写るのはお手のもの・・・ もともと、どんな人でも、それなりに可愛く写るように設計されているプリクラなんで、その仕上がりたるや、本人たちとは、全くの別人に写っているいることもしばしばあった。 メーオもそれにもれず、プリクラで撮ったものに関しては、本物より、3割増ぐらいは奇麗に映っていたのもだった(笑 ある日、私たちは、みなとみらいの 109 CINEMAS に映画を見に行った。 タイでは、デートとなると、映画かボーリングが定番らしく、私とメーオも、その当時、映画やボーリングによくいったものだった。 そして映画を観終わって、109 CINEMASの周りでブラブラしていると、たくさんのプリクラが置いてある場所を見つけた。 メーオは、目を輝かせながら、「カス、一緒にプリクラ撮ろう!」と私の手をひっぱり走って行った。 しかし、実は私、プリクラを撮った事が、その時まで一度もなかった。 もともと、そんなに外見に自信があるわけでもなかったし、写真に撮られるのもそんなに好きなほうではなかった。 そんな私なので、メーオと一緒にプリクラをとっても、なかなか笑顔を作れないでいた。 メーオも、最初こそ、「もっと笑って!」なんて言って、二人でプリクラを取ることを楽しんでいたようなのだが、あまりに私がうまく笑えず、満足なプリクラが取れないため、最後は、半ばあきらめムードで笑顔を作り、プリクラをとったのだった・・・ 出来上がったプリクラは、メーオはさすがにかわいい笑顔で写っていたが、私は、なんというか、いやいや写らされているような顔になってしまっていた。 メーオ自身は、私の写真に満足できないのはもちろんだが、自分自身の笑顔にも満足できないようで、「こんなプリクラ使わない!」と、ちょっとすねてしまった。 そして、「このプリクラは、カスが好きに使って!」と言って、今度は自分ひとりでプリクラを取り始めた・・・ でも私は、そのメーオが私に押し付けたプリクラを見ながら、「私の顔はひどいな~」などと思いながらも、はじめてとったプリクラが、メーオと二人で撮ったという事実に、実はかなり満足していた。 そして、一枚だけ、そのプリクラを、私のスケジュール帳に貼り、残りは、私の机の引き出しにしまっておいた。 しかし、しばらくして机の引き出しを見てみると、そのプリクラはなくなっていた。 机にしまっておいたと言っても、ただ無造作に突っ込んだだけなので、いろんな書類を出し入れしているときに、誤って処分してしまったのかもしれない。 なので、私とメーオが一緒に写ったプリクラは、私のスケジュール帳に貼ってあるものだけだったのだが、そのスケジュール帳も、今はこの世に存在しない。 そして私は、あれ以来、プリクラを誰とも撮ったことが無い・・・ |
2007-10-20 Sat 16:31
私は、以前、妻帯者だった・・・
もう離婚をして、前妻とは何も連絡は取っていないのだが、時たま前妻の事を思い出す。 前妻とヨリを戻したいとかそんな事ではなく、あくまで、前妻に対する良心の呵責から、前妻の事を思い出す・・・ 私は、この当時、メーオと楽しい時間を過ごしていても、「メーオには優しく接することができるのに、なぜ前妻にはそうしてあげられなかったのだろうか?」と、自分を責めてしまう事が多々あった。 その私の微妙な変化をメーオは敏感に感じ取っていたが、メーオは、私に何一つ尋ねることなく、私をそっと抱きしめてくれていた。 私は、このメーオの行為に助けられていた反面、自分への罪悪感を通常の何倍も感じていた・・・ 私は本当に悪人だ・・・ 世の中にある、ありとあらゆる、人を否定する言葉を使われてなじられても文句を言えない事を前妻にしてしまった・・・ これだけは変えようのない事実である・・・ 前妻よ、メーオへの気持ちとはまた違う形だが、私は君の幸せを、心から願っている。 できるなら、どうか、このどうしようもない私を許してほしい・・・ |
2007-10-19 Fri 13:41
メーオの親しい友達に、ララちゃんという女の子がいた。
このララちゃん、よく私達のマンションに遊びに来ていた。 ララちゃんは元気で明るく、私もメーオも好きだったのだが、ちょっと問題がありまして・・・ その問題とは、「つれてくる男性が、その都度その都度違う。」という事。 もちろん、つれてこられた男たちは、「自分はララちゃんの彼。」という事を信じて疑ってないので、私たちとしても、その方への対応に最新の注意を払わないと、私たちの部屋で修羅場が始まってしまうため、ララちゃんが男と一緒に来た時は、本当に気を使ったものだった。 そのララちゃんが、ある日、誕生日会を開くことになった。 もちろん、メーオがよばれ、ついでに私もよばれることになった。 場所は若葉町のタイレストラン。 その日は、ララちゃんの為に貸し切られ、メーオの友達とその彼がよばれていた。 しかし、その彼女達の彼の半分は、私が今まで出会った事のない男性達だった・・・ こういう場合が、一番困る。 彼女達の本命以外の彼が来ている場合など、下手に口を滑らそうものなら、メーオ達からの怒りはもちろんの事、場合よっては、お店で修羅場が始まってしまう。 時事、以前にそういうことがあった。 騙されていた男が、メーオの友達に暴力をふるい、挙句の果てに、調理場の包丁を持ち出してきて、大変な騒ぎになったことがあった。 そういう事もあって、メーオの友達たちの、本命・お得意様をある程度理解してしまった後は、そのような集まりに行くのが、非常に億劫だった。 私は、以前から知っているメーオの友達の彼を見つけ、そのあたりの事について、色々と愚痴を言い合っていた。 「しかしララちゃんもよくやりますね?」 「知ってます?」 「今月、2回目の誕生日会ですよ。」 と、メーオの友達の彼は、私に教えてくれた。 どうやらララちゃんは、日程を変え、何人かのお得意様に、自分の誕生日会を開かせたそうだ。 「今回は、あのララちゃんの隣に座っている、禿げたおっさんが誕生日会を開いてあげたそうで、もちろん費用はあの人持ちのようですよ。」 「まあ、私達はただ酒が飲めるので、いいことですかね?」と、メーオの友達の彼は笑いながら言った。 確かに、自分があの立場になったら堪ったものじゃないが、およばれしている分には、下手に知らない男性と話さなければ、十分楽しめるものであった。 でも、私も一歩間違えれば、「このようなお得意様として扱われていたんだろうな~」となどと考え、ララちゃんの誕生日会は、いくら飲んでもシラフのままだった・・・ そして宴もたけなわだったのだが、私は明日の仕事があるので、メーオと一緒に、ララちゃんの誕生日を途中退席した。 そしてそのタイレストランの出口に向かって行っている時に、ララちゃんが私達を追いかけてきて、「カス、コノマエノヒトニ、コレナイショナ!」と、口止めに来た。 私もメーオも、だいたい予想はしていたが、ララちゃんの予想通りの言葉に、ひきつり笑いで答え、マンションに帰った。 帰り際、メーオが、「私はララちゃんとは違うからね?」と言ってきた。 私は、「そう願うよ。」と答えると、「あ~信じてないでしょ?」と、メーオはちょっとむっとしたようだった(笑 私は、「冗談、メーオの事は信じてるよ。」と言い、メーオを抱きよせて、マンションまで帰った。 まあ、正確に言えば、「メーオの事を、信じるしかない。」というのが、正直な気持ちだった・・・ それから数日後、ララちゃんが、ボーイフレンドと一緒に、私達のマンションに遊びに来た。 今回、ララちゃんが連れてきた男性は、これまた今まで見た事がない男性だった。 そして、ララちゃんは、「ライシュウ、キンヨウビ、ワタシ、タンジョウビネ!」「フタリトモ、クルネ。」と、私たちに言った。 ララちゃんの誕生日会は、これで、その月3回目となった(笑 |
2007-10-18 Thu 16:59
ある晩メーオと二人でご飯を食べていると、メーオの携帯がなった。
メーオがその携帯を手にとってみたところ、ディスプレイには、「非通知」と書いてあった。 通常、メーオに電話をかけてくる人は、友達か、メーオのお得意様だけ・・・ しかし、その人たちは、すべてメーオの携帯に登録されているので、「非通知」とか「知らない電話番号」からの電話には、メーオは絶対に出ないようにしていた。 不法滞在のメーオにとって、これは当り前の事であった。 私達は、「間違い電話じゃないの?」という事で、その電話を気にも留めなかった。 しかし、その非通知の電話が切れて、ものの30秒ぐらいで、また電話がかかってきた。 今度はかけてきた相手の電話番号が表示されていたが、メーオの心当たりのない電話番号だったので、メーオはまた、その電話をやり過ごした。 しかし、その電話をやり過ごした直後から、「非通知」や「知らない電話番号」からの電話がひっきりなしに、メーオの携帯に電話がかかってくるようになった。 さすがに変だと感じたメーオは、一度、電話に出ることにした。 すると、電話の向こうからは、「もしもし、ルミちゃんですか?」という声が聞こえてきた。 ルミとは、黄金町でのメーオの源氏名の事だ。 メーオは、「ダレ?」と尋ねていたが、電話の主は、「これ本物なんだ?」「ルミちゃんは黄金町で働いている人なの?」とメーオに対して質問をしてきたので、メーオもさすがにおかしいと思い、その携帯を切った。 その後何回か電話に出たのだが、いずれも違う男が、「ルミちゃんですか?」と尋ねてきた。 メーオのお得意さんなら、メーオの源氏名くらい知っているはず・・・ これは明らかに、メーオの電話番号が、どこかで公開されているということだ。 そんな事をメーオと話しながら、今後の対策を話しているところへ、メーオのお得意様から電話がかかってきた。 そのお得意様は曰く、「あるサイトに、メーオの電話番号が、公開されている。」とのことだった・・・ 黄金町末期になってくると、黄金町の事を詳しく説明したサイトが多数存在していたし、某巨大掲示板でも、黄金町に関するスレッドが多数立ち上がり、ありとあらゆる情報が書き込まれていた。 そういった掲示板に書き込まれていた内容に関しては、ほとんどがデマだったようだが、中には本当の情報も書き込まれていた。 そんな多数ある黄金町を紹介していたサイトの一つに、メーオの本当の電話番号が掲載されたようだった。 私達は急いで家に帰り、そのサイトを調べた。 すると、そのサイトの、あるトピックの中に、メーオに対する誹謗中傷とともに、電話番号が書き込まれていた。 私は、そのサイトの管理人にさっそくメールを出して、メーオの個人情報に関するトピックの削除をお願いした。 しかし、メールでの連絡しか取れないため、直ぐにメーオの情報が消されるわけではない。 しかもその間に、メーオの携帯にはサイトを見た暇な男たちからの電話が頻繁にかかってくる。 私は、「一度晒された電話番号を使う事は出来ない。」と考えていたので、その日のうちにメーオの携帯を新しく購入した。 メーオは思いがけず手に入った新しい携帯を、大変喜んでいた(苦笑 それから2日ほどしてメーオの電話番号が書き込まれたサイトの管理人からお詫びのメールが来て、メーオのトピックは削除された。 私は、これでとりあえず安心したが、メーオは、友達やお得意様に新しい電話番号を伝える煩雑さで、この事に対する怒りが、後とからこみあげてきたようだった(笑 そういう理由もあって、メーオは、「サイトにメーオの電話番号を書き込んだのが、誰なのか?」友達のネットワークを使い、徹底的に調べ、とうとうその犯人をつきとめた。 そのお客とは、メーオの、超お得意様だった人物だった・・・ どうも、その超お得意様だった人物は、メーオと私が伊勢佐木町でご飯を食べ、私達が一緒にマンションに入っていくのを見かけ、嫉妬心からこのような事をしたようだった・・・ 私は、その男が、伊勢佐木町からマンションまで、私達の後を付けていたという事実に、背筋が凍るような恐怖を覚えた。 特に、メーオと愛人契約をしていた男性の前例があるだけに・・・ メーオは、「なんで日本人は仕事と本気の区別がつかないの?」と文句を言っていた。 私は、「それは人によりけりであって、国籍は関係ないだろう・・・」と思ったが、メーオの怒りはかなりのものだったので、とりあえず、「そうだね。」とメーオに同意して、その場をやり過ごした(笑 その後、その男は、メーオのお店に出禁となり、メーオの友達からも総スカンをくらい、タイ人女性のネットワークから、その男性の情報が伝わり、黄金町のタイ人女性とは、一切遊べなくなったようだ。 まあ、自業自得である。 しかし、その男もなかなかたくましいもので、今度はターゲットを、タイ人女性から中国人女性に変え、黄金町に通い続けていたそうだ・・・ |
2007-10-17 Wed 10:48
黄金町が全盛期のころ、大岡川から見る黄金町は、ピンクや赤の妖しいネオンで、毎晩彩られていた。
大岡川の桜並木は有名だが、その当時は、夜にのみ咲くネオン並木を見るために、毎晩、男たちが足しげく通っていたわけだ。 私も、たとえ黄金町で遊ばなくても、あの光景を眺めているだけで、その当時はそれなりに楽しめていた。 なので、夜、伊勢佐木町方面から、黄金町方面に歩くような場合は、大岡川沿いに出ると、川向こうの黄金町の店舗をいつも眺めていた。 たまに、そのネオン街でメーオがしている事を思い出し、落ち込んだりしたりすることもあったのだが、あの妖しいムードは、何とも言えない幻想的な風景でもあった。 ある日、私は、いつもは京急を利用しているのだが、その日は、お客様がセンター北の会社の方だったので、横浜市営地下鉄の、伊勢佐木町者町駅から、黄金町のマンションまで歩いて帰った。 黄金町までの帰る途中、「今日は、黄金町のネオンが見れるな~」と、ひとりごちながら帰っていた。 しかしその日の黄金町は、いつもとは少々異なっていた。 伊勢佐木町方面から帰る場合は、嫌でも黄金町のネオンが目に入るのだが、その日は黄金町のネオンが消えていた・・・ 私が黄金町と出会ってそんなこと初めてだったので、私はすごく驚いた。 そして驚いたのと同時に、「メーオは無事なのか?」と思い、あわててメーオに電話をかけた。 すると、メーオは私の心配をよそに、明るい声で電話に出た。 「あ、カス、今どこ?」 メーオの緊張感のない声に、少々イラッとしながら、 「今どこじゃなくて、黄金町どうなったの?」 「あなたは、大丈夫なの?」 と尋ねた。 するとメーオは、「大丈夫よ。」「だってママさん(お店のオーナー)から、今日から6時から8時までの間は、お店を開けちゃいけないと言われてたの。」と言った。 とりあえずメーオは無事そうで、安心したが、メーオの説明があまり納得できなかったので、私は足早にマンションに帰った。 マンションに戻って、メーオから事の詳細を聞こうとしたが、メーオも詳細までは知らないようだった。 とにかく、しばらくの間、「6時から8時までの間は全店舗を閉める。」というルールができたそうだ。 しかしそのルールは、3・4ヵ月の間続けられたが、結局はうやむやになり、最終的には、24時間フル稼働の黄金町に戻ることになる。 その後、このルールの発端となった事件の事を聞いた。 どうやら、その当時世間をにぎわしていた、アザラシのタマちゃんが、大岡川に迷い込んできたことが発端らしかった。 タマちゃんを見に、さまざまな人がやってくる。 ただの観光客、タマちゃんの保護団体、そしてそれらを映す、TV局の人達、etc... 特に、TV局による、黄金町の大々的な報道を避けるために、黄金町の運営の自粛という形で、黄金町のお店のオーナー達に対して、警察から、注意がなされたそうだった。 でも結局は、TVア○ヒに、黄金町の事を報道され、黄金町浄化作戦なるものが、警察の手によってなされ、今のような状態に、どんどん追い詰められていったらしい。 まあ、警察が本腰を入れた黄金町浄化作戦は、こんな温いものではなかったが、このあたりから、今まで、黄金町を見て見ぬふりしていた警察が、徐々に、黄金町に対して厳しくなり、黄金町崩壊のうわさが立ち始めたのは事実である。 そう考えると、黄金町浄化作戦の一番の功労者は、タマちゃんということかもしれない・・・ |
2007-10-16 Tue 13:51
ある日、晩御飯を食べようと、一人伊勢佐木町界隈を歩いていると、「カツさんじゃないですか?」と、日本人男性から声をかけられた。
その方は、以前紹介した、タイマッサージ店のオーナーの方だった。 その方の奥様とは、メーオと一緒に、よくお会いしていたのだが、その方と会ったのは本当に久しぶりだった。 そして、「カツ」と、きちんとしたニックネームで呼ばれたことも、本当に久しぶりだった(笑 その方は、伊勢佐木町まで、奥様に会いに来ていたのだが、その日に限ってお客様がいっぱいで、奥様の手が離れなかったようで、仕方なく一人で晩御飯を食べに、外に出てきたようだった。 そこで私も晩御飯を食べようとしていた事を知ると、「ご一緒にどうですか?」と私を誘ってきた。 私は、その方の誘いを断る理由もないし、久しぶりに、「タイ人女性の事を知る日本人男性と、情報交換をしてみたい。」とも考え、その申し出を受け入れた。 私達は、その当時、黄金町で働いていた女性達がよく行っていた、「バイカパオー」というお店に行き、シンハビールを飲みながら、タイ料理に舌鼓を打ち、お互いのタイ人女性パートナーの良いところ、悪いところの話で盛り上がった・・・ そして飲み会も終わりに近づいたころ、その男性から、メーオと私の今後について尋ねられた。 私は正直、メーオとの結婚に関して、少なからず意識はしていた。 ただ、不法滞在の外国人との結婚の難しさというものを、「いろんな意味」で感じていたので、なかなか決心できないでいた。 しかし、その男性は、私が結婚に踏み切れないのは、「法的な部分についてのみ」と思い、「特別在留許可」について、色々と話し始めた。 在留特別許可とは、オーバーステイの外国人、つまり不法入国者と不法滞在者が何らかの理由で(例えば日本人と結婚した場合とか)、正規に在留資格を取得したいと思った時に法務大臣に対して在留許可を申請する唯一の方法。 この手続きは、退去強制の手続きの流れの中で行われますので不許可の場合、退去強制処分となり強制送還される。 オーバーステイカップルの増加とともに、この仕組みは有名になってはいるが、正式な制度ではなく特別な事情のある人のための特別な措置のため、許可までにかなりの時間を要する。 私は、この「特別在留許可」の申請を考えはしたが、そうそう簡単におりるものでは無いとも考え、決断が鈍っていた。 しかし、その方は、「そういう認識が一般的ですが、実際やってみると結構簡単に下りますよ。」「私も経験者なので色々とアドバイスできますし、メーオちゃんは、今回、オーバーステイ初回でしょ?」「パスポートも正規のものだし、絶対に問題なしです。」 「うちのなんて、私と結婚する前に、一度逮捕され、国外退去させられ、その後偽造パスポートで再入国し、私と結婚したわけですからね。」「それでも特別在留許可は下りるんですから。」と、笑いながら話してくれた。 私はその方の話を聞いていて、なんだか複雑な気持ちになった。 多分、もしメーオと出会う前なら、このような発言をする方に対して、ものすごい怒りを感じていただろう。 でも今の私は、彼の言葉を、暗闇の中にさす、一筋の光のように感じている。 人の考えなんて、置かれている状況によって、簡単にコロコロ変わるものなのだ・・・ まあ、黄金町で、いろんな不法滞在の外国人達と関係をもったことで、日本国が定める入国管理法への罪悪感がマヒしていたこともあるが、結局のところ、正規に手続きして滞在許可を取った外国人も、最初は不法でも、のちのちそれが日本国によって認められれば、立場は一緒なのだ。 もちろん、正規に取得した方々は納得いかないかもしれないが、それが現実・・・ 日本政府が取る処置によって、メーオが私と一緒に日本に残れるのなら、「トライする価値はあるかもしれない!」と、再び思い始めた夜だった。 |
2007-10-14 Sun 12:54
その後、私は、その女性と二回ほど遊んだ。
一回は、お店をいそいそと出て行った事に対してのお詫びという意味を込めて。 そしてもう一回は、やはりメーオに対する罪悪感も感じ始めていたので、黄金町での遊びの打ち止めの意味を込めて(笑 このように、久しぶりの一人を謳歌していた私の元に、メーオが何の前触れもなく、突然、名古屋から帰ってきた。 「警察がメーオを探している。」という不安材料が、ほぼデマだとわかったことと、黄金町に比べて、名古屋の外国人パブでの収入は、かなり低かったということもあって、メーオは、ほぼ1ヶ月で横浜に帰ってきた。 私は、「調子にのって黄金町で遊び続けなくてよかった・・・」と、一人胸をなでおろした。 メーオは、帰ってくるなり、「カス、浮気してないでしょうね?」と、私の心臓を鷲掴みにするような事を聞いてきた。 私は、「そんなことするはずないだろ?」と、なるべく感情が顔に出ないように答えた。 メーオは、「もし浮気したら、お○んちんをちょん切るからね。」と、今度は、私の大事な部分を縮みあがらせるような言葉を吐いた。 ・・・・・・・・・・・・・ 私は、そのメーオの言葉に、ひきつり笑いで答えていた・・・ その後、私とメーオは、今までと同じ生活に戻った。 なにも問題のない平穏な日が続き、私は、メーオが留守中に、黄金町で遊んでいた事などは綺麗さっぱり忘れていた。 あの日までは・・・ その日は、メーオと一緒に伊勢佐木町の台湾料理のお店で、晩御飯を食べていた。 そして、ひと通り食事も終わったころ、メーオはトイレへと席を立った。 すると、トイレに行く途中、私達の席から、ちょうど死角になっているテーブルで友達を見つけたようで、その友達と何か話し込んでいるようだった。 そして一通り話し終えた後、メーオはトイレに、そして死角の席に座っていた友達たちは、会計を済ませるために、私の席の方向へと歩いてきた。 その友達とは、メーオの夜の部の友達の一人と、そしてもう一人は、メーオが名古屋に行っている時に、私が何回か遊んだ女性だった。 私は、口から心臓が飛び出るかと思うぐらい驚いた。 メーオの夜の部の友達が私に話しかけているのに、口がアウアウしてしまって、うまくしゃべれないでいた。 しかしその女性は、私がメーオの彼とすぐ理解したのだろう、まるで私と初対面であるかの様に振る舞ってくれた。 そのおかげで、メーオの夜の部の友達に怪しまれることもなかった。 メーオはトイレに行って席にいなかったとはいえ、この時ばかりは、本当に生きた心地がしなかった(笑 その後しばらくして、私は、その女性のお店に出向き、私とメーオの事を話し、「私が遊んだ事は秘密にしておいてください。」と嘆願した(笑 その女性は、「メーオ姉さんの彼だったんだ~」「どうしようかな~」と、私に対して、ちょっとした意地悪をしていたのだが、私がその女性と遊んだ事がばれたら、その女性も、黄金町のタイ人ネットワークの中で、立場が悪くなるという事で、この件は、「お互いの秘密。」ということになった。 タイ人女性は嫉妬深く、人の彼氏を寝とった(寝とられた訳じゃないが・・・)というのはご法度なんだそうだ・・・ そして、私はそそくさと、その女性のお店を出て行こうとすると、「なにか忘れてない?」と言われた。 おっしゃる通りでございます。 もちろんお金は持ってきました。 私は、3万円を彼女に手渡し、「これで許してください。」と、再度お願いした(笑 するとその女性は、「しょうがないわね~」「3万円ももらったんじゃ、貴方を、3回はイカセないといけないわね~」と、ニヤニヤしながら、私に抱きついてきてキスを浴びせてきた。 私は、最初こそ抵抗していたものの、結局、その女性のペースに乗せられてしまった。 これが本当に本当の、黄金町での最後の遊びであった・・・ その後、私はその女性とは会わなかったし、メーオから、その女性の事で追及されることもなかったことから、その女性は、私との約束を守ってくれたのだと思う。 おかげで、私のお○んちんは、まだしっかりと付いている・・・ |
2007-10-13 Sat 15:58
メーオが名古屋に行く日がやってきた。
私は、「メーオを名古屋まで連れて行かなきゃいけない。」と思っていたのだが、名古屋のお店の方が、わざわざ横浜まで迎えに来てくれるようになっていた。 私は、「不法滞在者でも、お金になると判断された場合は、それなりのインフラが整うものだ。」とつくづく思った・・・ まあ、もちろん非合法なインフラなのだが(笑 そして、とうとうメーオは名古屋に行ってしまった。 しかし、私は寂しさも感じていたが、トラブルメーカーがいなくなった事に対する安堵感も感じていた。 でもこれは、電話すればいつでもメーオと繋がる遠距離からくる安心感からきていたのだと思う。 まあ、なんというか、ちょっとした贅沢な感覚だったのかもしれない。 そしてその安心感から、私は、「メーオがいない今を謳歌してやろう!」と考えてしまった(笑 せっかく、黄金町のすぐ近くに住んでいるのである。 遊び場所としては、絶好の場所・・・ 「このチャンスを逃してなるものか!」と、私はメーオがいない黄金町に遊びに出てしまった・・・ 久しぶりに黄金町を歩いたのだが、女性の顔ぶれもがらりと変わり、見ているだけで楽しかった。 しかし、私は結局、遊びたい女性を見つけることができなかった。 「まあ、これも私の運命か・・・」と半ばあきらめて、マンションに戻ろうとしたのだが、その帰る途中に、私の好みにぴったりの女性を見つけてしまった。 私は、その女性と、「遊ぼうか?」「やめようか?」色々と悩んでいたのだが、結局、心の中の悪魔が勝ってしまった。 そして、その女性のお店に突撃したのだった・・・ その女性に英語で話しかけると、流暢な英語で答えてくれた。 見た感じ、東南アジアの女性っぽく見えるが、南米の女性のようにも見えた。 もし、東南アジアでタイ出身なら、タイ人女性のネットワークから、メーオに話が伝わり、私の立場は最悪になる。 しかし、南米女性なら、なにも問題なく遊ぶことができる。 私は、神に祈るような気持ちで、「南米女性であってくれ!」と心の中で叫びながら、その女性の出身地を聞いた。 するとその女性は、「タイからきたの。」と答えた。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ やっぱり、黄金町にはまった男には、神様は微笑まないのだ(泣 私はその答えを聞いて、そのお店から立ち去ろうとしたのだが、その女性は、私の腕を掴み、私を強引にお店の中に引っ張り込んだ。 私は、「以前もこんな感じで遊んでたっけ?」と、その女性の行動に、メーオと出会う前の自分を思い出し、一人、苦笑してしまった。 そしてお店の中に引っ張り込まれた後は、首に手を回され、甘い言葉で遊んで行く事を促されるのが黄金町。 結局、その女性の売り込みに負けた私は、その女性と遊んでしまったのだった・・・ 私は、その女性はかなり綺麗だったので、「地雷でも止む無し。」と思っていたのだが、意外や意外、遊びとしては満足できるものだった。 コミュニケーションもとれるし、明るい女性と言う事もあって、私はついついその女性に長居してしまった。 その間に、その女性の友好関係をそれとなく探ったのだが、幸運にも、メーオとはまったく関わりのないグループのタイ人女性だった。 私は、この時ばかりは神様に感謝した(笑 そして、下手に足がつかないように、早々と、その女性のお店から退散しようした。 その女性は、長居したがるお客が多い黄金町の中で、私の行動を不自然に思ったらしく、「私、気に入らない?」と、すごく寂しそうな顔で尋ねてきた。 私は、「そんなんじゃないよ。」「ちょっと時間がなくてね。」と、おざなりな回答だけして、そのお店を後にした・・・ |
2007-10-12 Fri 10:51
メーオが、ドラックの売人もどきから足を洗うと言って以来、メーオは、またいつものように黄金町で頑張りだした。
本当にドラックと完全に手が切れるのかどうか不安ではあったが、夜の仕事が終わった後、ディスコにも行かなくなったし、夜の部の女性で、ドラックと関係のある人達とは、距離を置くようにするなどして、メーオなりの努力が見られた。 私はそのメーオの行動を、信じるしかなかった・・・ それからしばらくして、私達は、福富町の例のディスコが、警察の取り締まりにあった事を知った。 警察は、そのディスコを、麻薬取引の現場として前々から目を付けていたらしかった。 メーオにコークを流していた売人はもちろんのこと、それらに寄生していた黄金町の夜の部の女性達も、数人検挙されたようだった。 結果的に、メーオは、警察の手から逃れた事になったわけだ。 メーオは、この結果を聞いて、「運が良かったわ~」と、胸をなでおろしていた。 なにはともあれ、これでメーオは、完全にドラックとは関係が無くなった。 もともと、中国人から購入した粗悪なコークを、何も知らないダーちゃんやお客に売りさばいていただけなので、簡単にドラッグの売人まがいの事は止めることができたようである。 まあ、あのまま続けていて、荒稼ぎでもしようものなら、警察だけじゃなく、中国人マフィアやヤクザにも目を付けられていた可能性もあったかもしれないだけに、この件が簡単に収束できた事は、この上ない幸運だったのかもしれない。 でも、悪いことをすればそれなりにしっぺ返しのようなものが来るようで、「黄金町で、コークの売人をやっていた女性がいたという事を、警察はすでに知っている。」という情報も出てきた。 その「売人をやっていた女性」というのが、メーオの事を指していたのか分からないが、メーオはその情報に戦々恐々とし始め、しばらくの間、身を隠すことになった。 結局メーオは、昼のお店のオーナーのつてで、名古屋の外人パブで働くことになった。 もし警察が、本気でメーオを探しているのなら、たとへ名古屋に逃げたとしても、「いずれ捕まるだろう・・・」と思ったが、私は、今回の件に関しては、メーオが名古屋に行く事に賛成した。 「身を隠す」ということはもちろんだが、「ちょっと距離をおく」という意味も兼ねて・・・ しばらく名古屋・横浜と離れ離れになるが、このことが、私たちの関係に悪影響を及ぼすようには思えなかった。 逆に、私たちの関係を一歩先に進めるために、ほんのちょっと休憩したような感じに思え、私自身は、晴々とした気持ちになった。 でも、ただ一つだけ心残りなことが一つある。 それは、ダーちゃんの事・・・ ダーちゃんは、薬への依存がよりいっそう強くなり、警察の手が自分に伸びる事を怖れたダーちゃんのママさんは、ダーちゃんをどこか地方都市に売り飛ばしたようだった・・・ 私達は、いつかこの罪に対する清算を迫られることになるのだろうか? ・・・・・・・・・・・・・・・・ 神様が本当にいるのなら、おそらく裁かれるだろう。 でも、この世に神様などいない。 絶対に・・・ |
2007-10-11 Thu 09:54
メーオがドラックを仕入れているルートは、想像していた通り、福富町のディスコに出入りしている、中国人グループだった。
夜の部の女性達が寄生している中国人男性が、そのディスコによく遊びに行っていることもあり、メーオは、夜の部の友達と一緒に、そのディスコに足しげく通うようになってしまった。 私は、そのディスコに1度だけ行ったことがあったのだが、人目もはばからずに、コカインを吸引する中国人たちがたむろするようなディスコだった。 たとえストレス発散と言えども、そういう場所だと知りながら、メーオが行く事を許していた私にも、今回の件の責任の一端はあるのかもしれない・・・ そしてメーオがマンションを飛び出て一週間がたったころ、私が仕事から帰るとメーオが戻っていた。 そしてタイ料理をたくさん作り、「カスおかえりなさい!」「ご飯作ったから、二人で食べよう。」と言ってきた。 そして私は、「何事もなかったように」そのタイ料理を食べて、食器を洗う。 これが、喧嘩した後に、私達が仲直りするための、いつものプロセスだった。 ただ、今回ばかりは、「何事もなかったように」することにはできなかった。 私: メーオ、帰ってきてうれしいけど、これからどうするつもりだい? 私の事を偽善者と思うかもしれないけど、私は、ドラックをするのも売るのも認めることはできない。 もし、メーオがどちらもやめられないというのなら、僕らの関係はこれで終わりにしよう・・・ メーオ: ドラッグを売るのはもう止めるわ。 それに私自身は、前にも言ったように、ドラックの常用者では無いの。 ディスコでハイになりたいときしか、ドラックはしたことはないわ。 だから、別れるなんて言わないで・・・ メーオは、目に涙を浮かべながら、そう私に言ってきた。 私自身、このメーオの「涙」について半信半疑だったが、やはりメーオと出会ってからいろんな事を、一緒に乗り越えてきた経験が、「愛」という気持ちに「情」という気持ちを加えていた事もあり、今回はメーオの事を全面的に信用することにした。 しかし、私も、「僕らの関係はこれで終わりにしよう・・・」とは言ったが、本気で別れる気はさらさらなかったのも事実だし、メーオもそこのところは、計算していたと思う。 まあ、惚れた弱みといったところだろうか・・・ |
2007-10-10 Wed 10:46
メーオがマンションを飛び出した夜は、「もうどうにでもなれ!」と思っていたのだが、一晩経つと、やはりメーオの事が心配になってしまった。
そう思い、とりあえず電話をかけたのだが、案の定、メーオは電話に出てくれなかった。 メーオが本当に怒った時によくやる行動である・・・ こうなってしまっては、もうどうにもすることができないので、私は直接メーオに会いに行くことにした。 私は、久しぶりに会社を休み、メーオが働いている昼のお店まで足を運んだ。 昼の店舗は、パフィー通りにあったので、遠くからでもメーオの働いている姿を確認できた。 私は、メーオが働いている姿を見て、ホッとした。 そして、しばらく遠目でメーオを眺め、メーオのお店とは反対方向に歩いていった。 今回の事は、「メーオにすべてを決めてもらおう。」と、私は考えたのだ。 メーオがマンションに帰ってきてくれたら御の字だし、このまま私から離れて行っても、「それはきちんと受け入れよう。」と、私は決心した。 これで終わってしまうのなら、私達の関係はそれだけの関係だったのだと・・・ メーオに会いに行くために有給を取った私は、それをやめた事で一日フリーになってしまった。 私は、「何をしようか?」色々と考えたが、やりたいことを見つけられなかった。 とりあえず、メーオの事を警告してくれた、昼の部のリーダー格の女性に、お礼を兼ねて、現状報告しに行こうと考えた。 久しぶりに足を踏み入れた、昔メーオが働いて区画は、私を温かくは迎えてくれなかった。 私の姿を見ると、ほとんどの女性達が目をそらし、よそよそしい態度をとった。 「敵の彼も、また敵ということか・・・」と、私はひとりごちた。 また、その区画に、ダーちゃんの姿も探したのだが、結局、見つけることはできなかった・・・ リーダー格の女性だけは、昔と同じように、私に接してくれた。 私は昨晩の事を話し、私の力でもどうしようもならなかった事を伝えた。 リーダー格の女性は、「マイペンライ!(気にしないで)」と言い、私を慰めてくれた。 ただ、「メーオが問題に巻き込まれても、もう私達は助けてあげられないからね。」という事だけは、ピシャリと釘を刺された。 私は、「もちろんわかってるよ。」とだけ答え、リーダー格の女性の店舗を後にした。 すると、「カス、久しぶり!」と、とても明るい声が、私の背後から聞こえた。 その声の主は、ダーちゃんだった。 周りの女性達は、ダーちゃんにドラッグを売りつけているメーオの事を敵視し、その彼である私にもよそよそしい態度を取っているのに、ダーちゃんだけは、リーダー格の女性同様、昔と同じように、私に接してくれた。 でも、その屈託の無いダーちゃんの笑顔が、余計に、私を苦しめた。 見た目は明るそうに見えるダーちゃんの笑顔・・・ しかし、その元気は、メーオから購入したドラックによってもたらされたものだったのかもしれない。 |
2007-10-09 Tue 10:20
リーダー格の女性から聞いた話は、私にとって非常にショッキングなものだった。
ただ、メーオは日本に非合法にお金を稼ぎに来ていると考えれば、これらの事は当り前ともとれる事だったので、「この事をメーオに問いただすのは止めようか?」と思った・・・ しかし、ただでさえ警察に追われる立場の不法滞在の外国人の上に、ドラッグを常用しているだけでなく、ドラッグの売人まがいの事をしていれば、警察につかまりタイに強制送還されてしまう可能性が、今まで以上に高くなると考え、ドラック関係とは綺麗さっぱり手を切ってもらおうと考えた・・・ ただ、いくら悪いこととはいえ、ある程度メーオのプライベートに干渉することなので、「互いの関係に何らかの支障が出るであろう・・・」という事が気がかりだった・・・ そしてメーオにドラックを止めるように説得する日がやってきた・・・ 私: メーオ、あまりいい気持はしないと思うが聞いてくれ・・・ メーオ: なあに? 私: メーオは、スピードは止めたんだよな? メーオ: もちろん。 カスに怒られてからは、一度もやってないわ。 私もバカにはなりたくないしね! 私: じゃあ、他人がドラックでバカになるのは問題ないのかい? メーオ: ・・・・・・・・・・・・・ 何が言いたいの? 私: メーオは、コークを売りさばいているらしいね。 どうやったら、そういうルートを見つけられるのか、私にはまったくわからないけど、それはやめた方がいいと思う。 もうこれで、ドラックの売人ごっこは終わりにしないか? 今はいいかもしれないけど、メーオにドラックを渡しているやつらだって、何かしら考えがあって、メーオを利用しているだけだよ。 今なら止められるから・・・ 今考えれば気休めにしか聞こえない説得だが、その時はこのような言葉しか思いつかなった。 これでメーオが考えを改めてくれるとは思ってなかったが、ちょっとは自分のしていることへの罪悪感を感じ、私との話し合いに応じてくれると考えてた・・・ しかしメーオは、私との話し合いに応じるどころか、憤慨してしまった。 「お金を稼ぐためにドラッグを売ってなにが悪いの?」 「カスは、早く私が目標額を貯めることを望んでるんでしょ?」 「だったら私がしていることを非難しないで、助けるぐらいの事をしてくれないの!」 と、金切り声でまくしたてた・・・ こうなると、だれもメーオの怒りを止めることはできない。 ヒステリーに狂ったタイ人女性は、吠え続ける野生動物とあまりかわらないのだ・・・ 私は、とにかく話し合いを続けようとしたが、怒りのスイッチの入ったメーオは、もう手がつけられなくなり、とうとうマンションを出て行ってしまった。 いつもならメーオの事が心配で、直ぐに後を追いかける私だったのだが、この時ばかりは、怒りとメーオに対する失望で、メーオを追いかけなかった。 私は、「もうどうにでもなれ!」と、なかばヤケクソになっていた・・・ |
2007-10-08 Mon 00:21
メーオの思いがけないドラック問題で、私のメーオに対する信頼と言うものは、少々揺らいでいた・・・
確かに黄金町に来るお客の中には、ドラックの常習者がたくさんいたし、遊んだ後に、マリファナを一服していくお客も少なくはなかった。 しかしメーオは、お店でマリファナを吸われるのを大変嫌がっていたので、私はてっきり、「メーオはドラックとは無縁なんだ。」と思っていた・・・ でもそれは、私の勝手な思い込みで、単純に、お店でのドラッグは、自分が逮捕される確率を上げるので禁止していただけで、メーオ自身は、あまりドラッグを常用する事に、罪悪感など持ち合わせていないという事がわかった・・・ スピードをメーオの鞄の中に見つけた時に、いろいろと問いただしたのだが、メーオ自身、大学時代から、スピードを、稀にだが服用していたようだった。 サヌック(楽しい)・サバーイ(きもちいい)を何より好むタイ人にとって、ドラッグは、もってこいのおもちゃなのかもしれない・・・ そんな事を思いながら、一人、黄金町界隈を歩いていた時、昼の部でメーオ達のグループでリーダー格だった女性と久しぶりに会った。 彼女は、屈託のない笑顔で、私に話しかけてくれた・・・ お互いたわいのない世間話をし、自分のマンションに戻ろうとした時、そのリーダー核の女性が、私を引き止め、このような事を話しだした。 「最近、メーオはあまり良くない友達と付き合っているから、ちゃんとコントロールしなきゃだめよ。」 私は、「夜の部の友達のことだ。」と直ぐに理解したが、さすがにメーオの友好関係まで干渉する気は無いので、その女性の言葉に、「ありがとう。」とだけ答えた。 しかし、私の気持ちのこもってない回答を見抜いたのだろうか? そのリーダ核の女性は、急に厳しい顔になり、私の腕を握り話をし始めた・・・ リーダー格の女性: カス、ダーちゃんを覚えてる? 私: もちろん覚えてるよ。 最近見ないけど、元気にしてる? リーダー格の女性: ダーはね、ドラックに溺れて、今は、ドラックのお金を払うためだけに働いているよ。 私はその時に、なにか嫌な予感を感じた。 リーダー格の女性: ダーにドラッグを覚えさせたのはメーオだよ。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 私は驚いた・・・ ただ、メーオはドラッグを教えただけで、それを常用するかしないかはダーちゃんの意思。 それをメーオの責任にするのは、責任の所在をすり替えていると思った・・・ しかし、その女性の次の言葉に、私は愕然とした・・・ リーダー格の女性: ダーは、世間知らずの田舎娘なんで、直ぐにドラッグにおぼれちゃったみたい。 しかもメーオは、その後、ダーにコークを定期的に売りつけてるらしいの。 その為に、私達のグループの女の子は、メーオを目の敵にしてるよ。 コーク(コカイン)? ドラッグとは一切関係のない私でも、非常に危険と解るドラッグである。 それを、メーオがダーちゃんに売り付けた? しかも、そのせいで、村八分されている? 私はその時、この前の不可解な出来事を思い出した。 あの時の出来事は、この事とリンクしていたのだ・・・ リーダー格の女性: それからメーオはダーだけじゃなく、お店に来ているお客にもコークを売りさばいているみたい。 もちろんメーオがどんな事をしようと私は構わないけど、そこから黄金町が取り締まりを受けるようになると非常に困るの。 私が注意しても、メーオは聞く耳を持たなくなっているから、カスからお願いしてくれない? メーオがドラッグの売人? 私は、メーオの説明のつかないお金の事も思いだした。 リーダー格の女性の話は、今まで説明のつかなかった出来事を、全て明らかにしてくれる、最後のピースとなった。 そして、全てを理解した私は、目の前が真っ暗になった・・・ |
2007-10-07 Sun 00:35
メーオの貯金は、その後もかなりのペースで貯まって行っているようだった。
私は、その事に関して不安はあったが、メーオも見た感じ、あまり変わってないようにも思えたので、あまり気にし過ぎないようにした。 メーオに問題が無く、それに加えてメーオのお金が増えているという事は、私にとってみれば、好ましい状態には違いなかったから・・・ しかし、そんな状態が続いたある日、メーオの事でちょっとした問題が起こった・・・ その日は、メーオは夜の仕事が終わった後、友達と一緒にディスコに遊びに行っていた。 私は、メーオのストレス発散にもなるだろうと思い、仕事が終わった後のディスコに関しては、別段、気にも留めずにいた。 メーオ達が行くディスコは、福富町界隈の地下にある、不法滞在の外国人がたむろするようなディスコだったのだが、そういうディスコだからこその、不法滞在の外国人を守るようなシステムが出来上がっていた。 昔は、「メーオに何かあったら心配だから。」と思い、メーオがディスコに行く時は、私もついて行ってあげていたのだが、そのようなディスコの方があまり問題がないという事がわかると、メーオと友達だけで、ディスコに行かせることが多くなった。 そして、そういったディスコからメーオが上機嫌で帰ってきたある日、メーオが何気なく机の上に置いたメーオの鞄から、見慣れない錠剤が見えた。 メーオは、あまり薬を飲まなかったので、私は、その薬にすぐピンときてしまった。 メーオは、私の知らない間にドラッグに手を出していたのであった・・・ 正確に言えば、メーオは常習者で、私が知らなかっただけかもしれない。 ただ私としては、どうしてもメーオにドラックだけには手を出してもらいたくなかったので、このドラッグを見つけた時だけは、かなり厳しくメーオを問い詰めてしまった・・・ メーオが服用していたのは、「アンフェタミン」と呼ばれるドラッグだった。 私はドラッグに関してはほとんど無知なので、その時はよくわからなかったのだが、後で調べると、巷では、「スピード (speed)」 と呼ばれているドラッグだった。 さすがに私でも、「スピード」というドラッグならば、名前くらいは聞いた事がある。 本来は、食欲低下や体重抑制、およびナルコレプシーや注意欠陥多動性障害 (ADHD) などの治療に用いられる薬のはずだが、服用すると頭がさえ作業能率の向上がみられ、気分もよくなることから、若者の間で流行っているドラッグ。 娯楽目的での濫用は、ほとんどの国で違法とされているはず・・・ 私は、メーオに、「ドラックだけは止めてくれ。」と懇願した。 メーオは、「ディスコに行った時にちょっとかじるだけで常用はしてないの。」と、子供じみたいい訳を続けていたが、最後には私のお願いを聞いてくれて、「ドラックだけには手を出さない。」と約束してくれた・・・ もちろん口約束だけなのだが、私にはメーオを信じることしかできなかった・・・ |
2007-10-06 Sat 01:26
メーオの変わったところは、友好関係だけではなかった。
依然と比べて、メーオは明らかに金回りが良くなっていた・・・ 確かにフリーランスになった事で、今まで以上に、お金を儲けることができるようになっていたわけだが、その部分を差し引いても、明らかに黄金町で稼いだお金以上の収入があるように見えた・・・ 以前は、仕事用の衣装や化粧品にのみにお金をかけていたのに、最近は嗜好品にまでお金をかけるようになってきた。 指輪やネックレスといったものから、私の以前からの持ち物だった、TV・ステレオ・冷蔵庫・洗濯機、そして電子レンジもメーオが買い替えてくれた。 また、「私へのプレゼント。」と言って、それこそ、10万円を超すようなスーツをプレゼントしてくれたこともあった。 紳士服のコ○カのスーツしか購入したことのない私にとってみれば、それはそれは高価過ぎるプレゼントだった(笑 以前から書いているが、私の願いは、「早くメーオに目標額を貯めてもらい、黄金町で働くことをやめてもらう事。」なので、「あまり無駄使いしないように!」と、メーオにそれとなく忠告したのだが、メーオは、「心配しないで。」「貯金はきちんとしているから!」といい、私の忠告は、右から左に流されてしまった・・・ 心配になった私は、メーオが働いている時に、こっそり、メーオが金庫代りに使っているボストンバックを覗いて見た。 するとそのボストンバックには、今まで以上のペースでお金が貯まっていた。 私は、「このお金の貯まり方のペースは明らかにおかしい?」と思った・・・ しかし、このペースの増分が何によってもたらされているのかは、全く見当がつかなかった。 「大口顧客が付いたのかもしれない?」とも考えたが、メーオは今までと同じように黄金町で昼・夜と働いている。 とてもじゃないが、一般のお客以上のサービスを提供するような時間は、メーオにはないはず。 そんなメーオに大金をつぎ込む、間抜けなお客もいないだろう・・・ では、この儲けの増加分はどこからきているのだろう? メーオに黙って、ボストンバックを開けてしまった手前、あまり込み言った話をすることもできない私は、「メーオが面倒な事に巻き込まれていませんように。」と、神様に祈ることしかできなかった・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 「黄金町にはまった男には、神様は微笑まない。」という事を、メーオの愛人契約の時に、痛いほど思い知らされたのに、性懲りもなく、神頼みなどしてしまった私は、ふと我に帰り、一人っきりの部屋で、「学習能力のないやつだ・・・」とひとりごちた。 そして、「メーオが何かよからぬ事をしている。」という不安で、いっぱいになった・・・ 私は、その不安に押しつぶされそうになり、たまらずマンションを飛び出た。 そして、その当時、よくメーオと散歩していた野下山動物公園の展望台に行き、眼下の日ノ出町から黄金町方面を眺めた。 遠くから見るととてもきれいな夜景なのに、近づくと人の欲望が渦巻くドス黒い町並みに変貌してしまう。 ひょっとしたらメーオも、近づき過ぎると、そのようなドス黒い部分が、たくさん出てくるのかもしれない・・・ |
2007-10-05 Fri 10:32
メーオの黄金町での交友関係は、昔から付き合いのあった、昼の部のタイ人女性がメインであった。
メーオが愛人契約時に悩んでいた時に、色々と力になってくれたのは、明らかに、昼の部のタイ人女性達であった。 そんな事もあって、私は、メーオの友達を、非常に信頼していた・・・ しかし、メーオが夜働くようになってからは、最初の方こそ、昼の部のタイ人女性達との交遊はあったが、日がたつにつれて、昼の部のタイ人女性達とのは関係は疎遠になっていき、代わりに夜の部のタイ人女性達との結びつきが強くなってきた・・・ 夜に働いていたタイ人女性達は、若く、きれいな女性達が多かった。 しかし、素行面であんまりよろしくない女性達が多いのも確かだった・・・ 昼の部の女性達は、結構身持ちが固く、簡単に男の家に転がり込んで、生活面で男に寄生するなんて事はほとんどなかったのだが、夜の部の女性達は、複数の男性を渡り歩き、その都度、男性に寄生する生活をする女性が多かった。 その寄生先となる男性も、不法滞在している、中国人や韓国人などが多く、ひとたび問題が起こると、男性から傷つけられる女性が出たりと、大きな問題に発展することも少なくなかった・・・ 不法滞在の風俗嬢が生き残るための知恵と言えばそれまでなのだが、正直、私は、メーオの友達たちがどのような生活を送っていようがどうでもよかったのだが、それら夜の部の女性達が、「メーオに何か問題ごとを持ち込むんじゃないか?」という事が心配で、メーオが夜の部の女性達と交友を深めていくのを、心よくは思ってなかった。 とはいえ、メーオに、「彼女達とは親しくするな。」とも言えないでいた・・・ そんなある日、私が伊勢佐木町を歩いていると、前方から、メーオと親しくしていた、昼の部の女性が歩いてきた。 その女性とメーオはかなり仲がよく、昔はメーオの部屋に晩御飯を食べに来たりしていたのだが、ここのところは全く来なくなり、私もその女性とは、ほとんど会ってなかった。 懐かしく感じた私は、少ししゃべろうと思い、その女性に近づいた。 すると、私に気づいたその女性は、ちょっと戸惑いの表情を浮かべた後、明らかに私と話すのを避けて、早足に歩き去ってしまった。 その時私は、「ひょっとしたら、タイミングが悪かったかな?」ぐらいにしか思わなかった・・・ しかし、彼女が私を避けた理由は、そのような簡単な理由じゃなかった・・・ |
2007-10-03 Wed 11:00
女性は一般的にそうだと思うが、メーオは花が大好きだった。
日ノ出町方面に行った時は、途中の花屋さんでいつも花を買っていて、少なくともメーオの中では、毎月違う花を購入することが、日課になっていたようだった・・・ そんなメーオなので、日本の桜には大変感激していた。 特に黄金町の側を流れる大岡川沿いで咲き乱れる桜を見た時は、まるで有名人に出会ったかのように興奮していた(笑 メーオと同棲するようになって、結構、いろんなところに連れて行ったつもりだったが、メーオが一番喜んでいたのは、最も近場の、大岡川沿いの桜だったかもしれない(苦笑 その日は、メーオは夜勤を休み、私と一緒に、大岡川沿いに立ち並ぶ露店で、焼きそば、お好み焼き、肉の串焼き、そして缶ビールを買い込み、地べたに直接座り夜桜を楽しんだ。 そして、メーオは、桜の花を見ながら、ぽつりとつぶやいた・・・ 「ねえカス?」 「私は、来年も桜を見ることができるかな?」 私は、このメーオの言葉を、「来年も桜を見れる = 来年も黄金町で働く」という意味に受け取り、ものすごく悲しい気持ちになった。 「まだ、自分を売ってまでお金を稼ぎたいのか・・・」と、メーオに対する怒りまで込み上げてきた。 そのため、そのメーオの質問に対して何も答えないでいた・・・ メーオも、それっきり何もしゃべらないでいたので、それ以降は、二人して、ただぼんやりと、桜を眺めるだけになってしまった・・・ その状態がしばらく続いた後、メーオが突然、「ヤバイ!」と言って立ち上がった。 私は、「どうしたの?」と尋ねた。 するとメーオは、「前からお得意様が歩いてくるの。」「カスと一緒にいるところを見られたら、あのお得意様、もう来なくなっちゃうかもしれないでしょ?」「カス、ここから逃げるわよ!」 と言った・・・ 私は、まだ食べかけだった焼きそばを手に持ち、メーオと一緒に、日ノ出町方面に走って逃げた・・・ ちょっと酔っぱらっていた私は、逃げる途中に足が絡まり、大岡川沿いの道路に、もんどり打って倒れてしまい、持っていた焼きそばをぶちまけてしまった。 その事が、メーオのツボにはまったらしく、メーオは道路脇で腹を抱えて爆笑し始めた。 私は、その笑っているメーオに釣られて、道路に倒れた状態で爆笑した。 二人は、今まで心の中にくすぶっていた物を、すべて吐き出すように、腹の底から笑った・・・ ひとしきり笑った後、私はメーオの肩を抱いて、「来年の桜も一緒に見ようね。」と、メーオに言った。 メーオは、ニコリと微笑みを返してくれた。 でも、それだけだった・・・ 二人とも、その願いが叶う可能性は、限りなく低いと解っていた・・・ |
2007-10-02 Tue 13:49
黄金町の女性たちが稼ぎだすお金は、容姿がそこそこ良く、若く見えれば(実際に若くなくてもよい)、1日、5~6時間働けば、コンスタントに、10万近く稼げ、調子が良ければ、30万に手が届くぐらいの売り上げをあげていたようだ。
でもこれは昼の部の話で、夜の部になればコンスタントに30万近く稼ぐ兵もいたようだ・・・ メーオに関しては、昼の部では、かなりお客がついていた方だったし、夜にもかなりの一元客を相手にしていたようであった。 でも、「メーオの稼ぎ = 寝た男性の人数」 となるので、私はメーオの稼ぎを極力聞かないようにしていた。 なので、メーオが今日の稼ぎを話そうものなら、私は、耳を塞ぎ布団にもぐりこんでいた。 メーオはそれが面白いらしく、帰ってくるなり、「今日の収入はね~」と、いつも私をからかっていた・・・ 実際、メーオはママさんの管理下を離れた事で、明らかにお金も持っているのがわかるようになった。 以前は、ママさんから支給される微々たる生活費を切り詰め、仕事用の衣装や化粧品を購入していたので、ドンキホーテ等のディスカウントショップに買い物に行く事が多かったのだが、このころからは、化粧品もきちんとしたブランド物を購入し、仕事用の衣装も、横浜のデパートまで出向き購入するようになった。 私としては、メーオに早く希望額を貯めてもらい、仕事を辞めてもらいたいと思っていたので、たかが黄金町に遊びに来る男どもの為に、そんなにお金をかけるメーオに、少々不愉快でもあった・・・ そんなある日、「カス、貯まったお金を数えたいんだけど手伝って。」とメーオが私に言ってきた。 私は、メーオのお願いをむげに断ることもできなかったので、渋々、それを了承した。 するとメーオは、昔から持っていたボストンバックを抱えてきて、おもむろにそのボストンバックをひっくり返し、バサバサと振り始めた。 そのボストンバックからバッサバッサと落ちてくるお札で、周りは、ちょっとした山ができた。 もちろん全部が1万円札ではないのだが、かなりの金額になっているのは間違いなかった・・・ そこから二人して、そのお札を数えたのだが、ビックリするような金額になった。 単純計算すれば、メーオは、この金額を、10000で割った人数と Sex をしたことになる。 もちろん、既に使ったお金やママさんに摂取されたお金があるので、その人数 + α ということだ・・・ 私は愕然とした。 仕事とはいえ、やはり、自分の彼女が、ここまでの男性に触れられていると思うと、胸が掻き毟られる程の痛みと、燃え盛る嫉妬を感じてしまう。 そのお金の山の前で、私は、しばらく何も言えないでいた。 そして、確かに金額としては大きいが、「メーオの価値はこんな金額じゃ測れないはずだ!」と、心の中で叫んでいた・・・ 今思えば、青臭い考えである・・・ メーオは、その数え上げたお札から、200万を取り出した。 そして、「これはカスが私の為に払ってくれた借金の分。」「あと100万は、もう少し待ってね。」と言って、その200万を私に差し出した。 私は、その200万を受け取るのを辞退したが、メーオも、「私に返す!」と、ガンとして譲らないので、とりあえず受け取り、何かあったときの為にプールしておくことにした・・・ そう、二人のお金として・・・ |
2007-10-01 Mon 13:05
夜勤を始めた事で、メーオの収入は、飛躍的にアップしたようだった。
働けば働くほど、それが金額となって帰ってくるのは、メーオのやる気を引き出すのに十分なものだった。 私はメーオの健康を一番心配していたのだが、その心配をよそに、メーオは、今までと同じように、黄金町の仕事をこなしているようだった。 ただ、夜勤をするようになってから、今までのメーオとは明らかに違う面も出てきた。 それは、お客の愚痴を言うようになったことだった・・・ メーオは、どちらかと言えば、お客に対するサービスはいい方だったと思う。 実際にやっていた内容まではわからないが、メーオの営業電話等の対応から推測するに、どんなお客でもおざなりな対応は取っていなかったと思う。 もちろん、あの愛人契約を結んでいた男以外なのは言うまでもないが・・・ そのメーオが、ここのところよく愚痴を言うようになったので、その愚痴を聞いてあげると、そのほとんどが、夜のお客に対する愚痴だった。 メーオが黄金町で夜勤をし始めたころは、黄金町も末期のころで、2chの掲示板や 黄金町などの「ちょんの間」の事を説明したサイトの情報を元に、いろんなところからたくさんのお客が、黄金町に来るようになっていた。 特に、週末の黄金町などは、一大観光スポットのような様相を醸し出すようになり、冷やかしの客ばかりが集まり、黄金町で働いていた女性達には、かなり評判が悪くなっていた。 さすがに昼間は、そのような客は少なく、そういったまともな?お客ばかりを相手にしていたメーオにとっては、夜の冷やかしの客を相手にするのは、かなりのストレスだったようである・・・ また、黄金町は、基本的には金額交渉制をとっているが、基本は、1回1万という暗黙のルールがあった。 昼のお客は、そのルールで上手に遊ぶらしいのだが、夜のお客になると、セコセコと、500円単位での値切り交渉を始める輩が多いらしかったらしい。 「ケチ」という事を、この上なく恥と感じるタイ人にとっては、この値切り交渉は、かなり耐えられないものだったようだ・・・ まあ、このあたりは国民性の違いと言う事で、私自身は、「どっちもどっちかな?」と思っていたが、とりあえず、メーオの前では、「それはひどいね!」「そんなバカな客は無視すればいいよ。」と、とにかくメーオの味方になるように努めていた(笑 しかし、笑ってすますことのできないルール違反を犯すお客も多かったようだ。 それは、夜のお客は、「コンドーム無し」を要求するお客が多いらしかった。 また、問題外として、「いざ、挿入!」となった時に、コンドームの先端を破る輩がかなり多かったらしい・・・ そのようなお客に対しては、そこで行為をストップし、「ヤクザを呼ぶ!」と脅して、お店から追い出していたようだったが、中にはそのような脅しに屈しないお客がいたようで、そのままお店に居座り続け、にっちもさっちもいかなくなったメーオは、本当にヤクザを呼んだ場合もあるようだ。 メーオ曰く、昼間のヤクザは頼りにならなかったが、夜のヤクザはそれなりに頼りになったそうだ(笑 実際、私も、ヤクザに首根っこつかまれてどこかに連れて行かれる一般人を、夜の黄金町で、何回か見たことがあった・・・ それらのメーオの愚痴を聞いて、私は、「メーオのガス抜き以外でも何かできることはないか?」と考え、結局、スタンガンを購入し、メーオにプレゼントした。 メーオは、スタンガンの存在は知っていたようだが、実際に使った事はないようで、そのスタンガンをおっかなびっくり受け取った。 しかし、しばらくすると、恐怖心より好奇心の方が勝ったようで、しきりに「ねえ?カスでテストしてもいい?」と聞いてくるようになった(笑 さすがにスタンガンのテスト台になる事はなかったのだが、メーオはスタンガンを使いたくてウズウズしていたようである・・・ でも結局、メーオが黄金町を去るまでの間、スタンガンが実際に使われることはなかったらしい。 ただし、脅しとしては、十分効果を発揮していたようだ・・・ |
| 黄金町の天使 |
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