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2007-10-03 Wed 11:00
女性は一般的にそうだと思うが、メーオは花が大好きだった。
日ノ出町方面に行った時は、途中の花屋さんでいつも花を買っていて、少なくともメーオの中では、毎月違う花を購入することが、日課になっていたようだった・・・ そんなメーオなので、日本の桜には大変感激していた。 特に黄金町の側を流れる大岡川沿いで咲き乱れる桜を見た時は、まるで有名人に出会ったかのように興奮していた(笑 メーオと同棲するようになって、結構、いろんなところに連れて行ったつもりだったが、メーオが一番喜んでいたのは、最も近場の、大岡川沿いの桜だったかもしれない(苦笑 その日は、メーオは夜勤を休み、私と一緒に、大岡川沿いに立ち並ぶ露店で、焼きそば、お好み焼き、肉の串焼き、そして缶ビールを買い込み、地べたに直接座り夜桜を楽しんだ。 そして、メーオは、桜の花を見ながら、ぽつりとつぶやいた・・・ 「ねえカス?」 「私は、来年も桜を見ることができるかな?」 私は、このメーオの言葉を、「来年も桜を見れる = 来年も黄金町で働く」という意味に受け取り、ものすごく悲しい気持ちになった。 「まだ、自分を売ってまでお金を稼ぎたいのか・・・」と、メーオに対する怒りまで込み上げてきた。 そのため、そのメーオの質問に対して何も答えないでいた・・・ メーオも、それっきり何もしゃべらないでいたので、それ以降は、二人して、ただぼんやりと、桜を眺めるだけになってしまった・・・ その状態がしばらく続いた後、メーオが突然、「ヤバイ!」と言って立ち上がった。 私は、「どうしたの?」と尋ねた。 するとメーオは、「前からお得意様が歩いてくるの。」「カスと一緒にいるところを見られたら、あのお得意様、もう来なくなっちゃうかもしれないでしょ?」「カス、ここから逃げるわよ!」 と言った・・・ 私は、まだ食べかけだった焼きそばを手に持ち、メーオと一緒に、日ノ出町方面に走って逃げた・・・ ちょっと酔っぱらっていた私は、逃げる途中に足が絡まり、大岡川沿いの道路に、もんどり打って倒れてしまい、持っていた焼きそばをぶちまけてしまった。 その事が、メーオのツボにはまったらしく、メーオは道路脇で腹を抱えて爆笑し始めた。 私は、その笑っているメーオに釣られて、道路に倒れた状態で爆笑した。 二人は、今まで心の中にくすぶっていた物を、すべて吐き出すように、腹の底から笑った・・・ ひとしきり笑った後、私はメーオの肩を抱いて、「来年の桜も一緒に見ようね。」と、メーオに言った。 メーオは、ニコリと微笑みを返してくれた。 でも、それだけだった・・・ 二人とも、その願いが叶う可能性は、限りなく低いと解っていた・・・ |
シュールな雰囲気だなぁ…
桜の情景が切なさを倍増していますね!はかない願いなのでしょうか…
焼きそばのシーンも映画のワンシーンの様に感じられてしまう…感情移入して読んでいるので二人が来年も一緒にいれますようにと願ってしまいます。
2007-10-05 Fri 03:52 | URL | リオ #-[ 内容変更] リオさんへ
次の年もメーオと桜を見たかったです。
やっぱり叶わぬ願いでした。
2007-10-05 Fri 10:35 | URL | Koganeangel #-[ 内容変更] |
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