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売春・人身売買・麻薬・殺人・・・メーオと過ごした1年10ヶ月
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プリクラ
2007-10-22 Mon 14:57
タイは「ほほ笑みの国」と呼ばれているらしい。
しかも、黄金町の女性たちは、客商売をしているもんだから、それに輪をかけて、笑顔が上手である。
ちょっと写真を撮る場合でも、ほんのコンマ何秒で、最高の笑顔を作れるのには恐れ入る。
この彼女たちの笑顔に、何人の男たちが騙されていったのであろうか(笑

そんな彼女たちなので、プリクラで可愛く写るのはお手のもの・・・
もともと、どんな人でも、それなりに可愛く写るように設計されているプリクラなんで、その仕上がりたるや、本人たちとは、全くの別人に写っているいることもしばしばあった。
メーオもそれにもれず、プリクラで撮ったものに関しては、本物より、3割増ぐらいは奇麗に映っていたのもだった(笑

ある日、私たちは、みなとみらいの 109 CINEMAS に映画を見に行った。
タイでは、デートとなると、映画かボーリングが定番らしく、私とメーオも、その当時、映画やボーリングによくいったものだった。
そして映画を観終わって、109 CINEMASの周りでブラブラしていると、たくさんのプリクラが置いてある場所を見つけた。
メーオは、目を輝かせながら、「カス、一緒にプリクラ撮ろう!」と私の手をひっぱり走って行った。

しかし、実は私、プリクラを撮った事が、その時まで一度もなかった。
もともと、そんなに外見に自信があるわけでもなかったし、写真に撮られるのもそんなに好きなほうではなかった。
そんな私なので、メーオと一緒にプリクラをとっても、なかなか笑顔を作れないでいた。
メーオも、最初こそ、「もっと笑って!」なんて言って、二人でプリクラを取ることを楽しんでいたようなのだが、あまりに私がうまく笑えず、満足なプリクラが取れないため、最後は、半ばあきらめムードで笑顔を作り、プリクラをとったのだった・・・

出来上がったプリクラは、メーオはさすがにかわいい笑顔で写っていたが、私は、なんというか、いやいや写らされているような顔になってしまっていた。
メーオ自身は、私の写真に満足できないのはもちろんだが、自分自身の笑顔にも満足できないようで、「こんなプリクラ使わない!」と、ちょっとすねてしまった。
そして、「このプリクラは、カスが好きに使って!」と言って、今度は自分ひとりでプリクラを取り始めた・・・

でも私は、そのメーオが私に押し付けたプリクラを見ながら、「私の顔はひどいな~」などと思いながらも、はじめてとったプリクラが、メーオと二人で撮ったという事実に、実はかなり満足していた。
そして、一枚だけ、そのプリクラを、私のスケジュール帳に貼り、残りは、私の机の引き出しにしまっておいた。

しかし、しばらくして机の引き出しを見てみると、そのプリクラはなくなっていた。
机にしまっておいたと言っても、ただ無造作に突っ込んだだけなので、いろんな書類を出し入れしているときに、誤って処分してしまったのかもしれない。
なので、私とメーオが一緒に写ったプリクラは、私のスケジュール帳に貼ってあるものだけだったのだが、そのスケジュール帳も、今はこの世に存在しない。
そして私は、あれ以来、プリクラを誰とも撮ったことが無い・・・
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