-------- -- --:--
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。 新しい記事を書く事で広告が消せます。 |
2007-07-21 Sat 10:43
それは、妻と晩御飯の買い物に行った時のことだった。
私は、「どうやって別れ話を切り出そうか?」と、色々と考えていた。 もちろん、そんな事を前面に出してはいなかったと思うが、妻が突然、こんなことを言ってきた。 「ねえ?私といて楽しい?」 私は、妻に心臓を鷲掴みされたような気分になった。 私が何も答えないでいると、妻はもう一度、「ねえ?私といて楽しい?」と聞いてきた。 私は、「なぜそんな事を聞くの?」と質問に対して質問で答え、妻の真意を図ろうとした。 それに対して妻は、「今の私たちの状況を考えれば、誰でもそういう疑問は湧くんじゃない?」と、至極まっとうな回答を出されて、私はどうこたえていいものか焦りまくってしまった。 とりあえず、スーパーの中で、男と女の痴話喧嘩をするわけにはいかないので、その場は何も答えず、お互い無言のままで、マンションまで帰った・・・ そしてマンションに帰り、妻が、晩御飯の食材を冷蔵庫に入れるためにキッチンに入っていくのを見計らい、私は妻の顔が見えない位置から、こう言った。 「すまん、私と離婚してくれ。」 ・・・・・・・・・・・・・・・・・ キッチンからは、物音が一切聞こえなくなった。 そして、どのくらい時間が流れたのだろう? 実際には、そんなに時間は立っていなかったのだと思うのだが、その重くのしかかる時間を切り裂くように、妻の泣き声が聞こえてきた。 今まで喧嘩して、妻が泣いた事は数度あったが、その時の泣き声は、今までの妻の泣き声とは明らかに異なっていた。 とてもとても悲しく、それでいて、私に対する憎しみがヒシヒシと伝わってくる声だった・・・ 私は、その声に恐怖を感じ、その場から逃げだした。 車のキーを握りしめ、妻に一言も声をかけず、その場を逃げだした。 卑怯だとは分かっているが、とにかく私はあの空間から逃げ出したのだ。 駐車場へ走り、車に飛び乗り、とにかく、あのマンションから遠くに行こうとだけ考えた。 多摩川土手の道をひたすら川崎方面に走り、気がつくと、羽田空港の近くまで来ていた。私は空港の近くで車を止め、ぼんやりと空港の明かりを見ていた。 この時に、まっ先にメーオの所に行かなかったのは、やはり妻に対する良心の呵責があったからだろう・・・ その後、しばらくして、妻は私にメールを送ってきた。 メールには、「今後の事をキチンと話し合いたい。」と書いてあった。 至極、まっとうな意見である。 私は、そのメールに、「もちろんきちんと話し合いたい。」 「ただ、私もじっくり考えたいので、話し合いは年明けにしてくれ。」とメールを送った。 それに対して、妻は、「わかりました。今年は私だけで福井に帰ります。」 「車は私が使いますので、駐車場に置いておいてください。」 「年末年始は、私はいませんので、マンションを使ってください。」とメールが返ってきた。 車の事は対応してあげようと思ったが、私は、もう二度と、マンションに戻るつもりはなかった。 自分が無駄にした時間が詰まった、あのマンションだけには・・・ |
|
||
管理者だけに閲覧 | ||
|
| 黄金町の天使 |
|