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売春・人身売買・麻薬・殺人・・・メーオと過ごした1年10ヶ月
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偽りの天国
2007-12-16 Sun 15:58
初めて見るバンコクの街は、私が働いている新宿の混沌としたイメージと見事に重なった。
街にはエネルギーが充ち溢れているが、いろんな意味で陰と陽がまじりあっていた。
タイは、敬虔な仏教の国らしいが、神様はタイの人々を、平等にやさしい光で照らすことはしないようだ・・・

そんな事を考えていると、私たちを乗せた車は、ジェイクのコンドミニアムについた。
そのコンドミニアムは、日本の高級マンションに勝るとも劣らない感じだった。
ジェイクとメーオのお姉さんは、タイの神様から、優しい光で照らされ、タイではそれなりに輝いているのだろう。
私は、「メーオは「陰」で、お姉さんは「陽」か・・・」と、呟いた。
メーオは、私が日本語をしゃべったのは理解したようだが、内容までは解らなかったようで、不思議そうな顔をして私を見た。
私は、「何でもないよ!」というジェスチャーのつもりで、片手をヒラヒラと振り、私の話の内容を深く詮索されないようにした・・・

そして、とうとうメーオのお姉さんと初めてお会いする時になった。
メーオのお姉さんは、メーオの顔をもう少しキツめにした感じの女性だった。
そして、「はじめまして、カス。」「私はメーオの姉のニーナです。」と完璧な英語で自己紹介された。
メーオのお姉さんは、なんというか・・・自信に充ち溢れた人だった。
メーオは、性格は明るいが、どこかコンプレックスを持っているのが感じ取れた。
しかし、メーオのお姉さんには、そういうところが全く感じられなかった。
私は、そんなお姉さんにちょっと警戒心を抱きながらも、なるべくその気持ちを悟られないように注意した。

リビングに通された私は、まるで動物園のパンダのようにメーオのお姉さんに観察された。
初めて会ったときからなんとなく感じていたのだが、私の外見だけじゃなく、私の振舞いやマナーをしっかりとチェックしているようだった。
また、私の仕事内容に関しては、事情聴取かのようにいろんな事を尋ねられた。
さすがにメーオも、メーオのお姉さんの質問が、私のプライベートにあまりに踏み込んでいると思ったのか、途中、お姉さんの質問を遮る事があった。
メーオのお姉さんは、その度に私に「ごめんなさいね~」というのだが、ものの数分もするとそのことを忘れてしまい、私への事情聴取を開始した(笑
メーオのお姉さんは、「メーオが私に男性を紹介するのは初めてのことなの。」「だからどんな男性なのかすごく興味があったの。」と私に笑いながら言った。
私も、その言葉に、「いえいえ、全然問題ないですよ。」「何を聞かれてもボロは出しませんから。」とちょっと嫌味をこめて答えたのだが、メーオのお姉さんは、そんな嫌味など歯牙にもかけない様子だった・・・

私が、メーオのお姉さんに対して、少々窮屈な感じを抱いたのをメーオは察知したのか、「じゃあ私たちはお母さんの所に行ってくるから。」と言い、ジェイクの家をお暇することになった。
メーオのお姉さんは、タイ語でメーオに何かを言い、そして私たちは、メーオのお姉さんのコンドミニアムを後にした。
メーオに、「最後、お姉さんと何を話したの?」と尋ねると、「今晩の予定について。」とメーオは言った。
私は、「今晩の予定って?」と聞き返したら、メーオは、「今晩は、私のお父さんとご飯を食べるからね。」と言った。
私は、いきなりメーオのお父さんと食事をするという事実に、少々ビビッてしまった・・・
メーオは、私ににっこりとほほ笑み、「大丈夫、食べられたりはしないから。」と、ありがちなジョークを言った(苦笑

その後、しばらく車で移動すると、大きいお寺についた。
ここにメーオのお母さんは眠っているらしかった。
私はメーオの後を、まるで飼い犬のようについて行った。

そしてあるお堂のところの、女性の写真が埋め込まれているところでメーオは止まった。
そして私に向きなおり、「これが私のお母さん。」と、メーオのお母さん紹介してくれた。
メーオのお母さんの目は、メーオの目にそっくりで、私が大好きなメーオの微笑みに似た表情を向けていた・・・
私は、とりあえず、その写真に一礼をし、心の中で自己紹介をした。
メーオは、その写真に手を合わせ、タイ語で何か話していた。
私は、メーオがお祈りを済ますまで、炎天下のなかじっと待っていた。
乾期のタイは涼しいと聞いていたが、日本人の私には、べっとりと汗をかくには十分な暑さだった・・・

長いお祈りもようやく終わり、「メーオはそれじゃ家に行こうか?」と言った。
私は、肌が透けるほど濡れたシャツの背中を見せ、「もう少しかかるんだったら、その池に飛び込むつもりだったよ。」と蓮の花が咲いている近くの小さな池を指差した。
メーオは、「そんなことしたらお釈迦様が怒って天国に行けないわよ。」と笑いながら言った。
私も、「それは大変だ。」「そんな事にならないように、早くクーラーが効いたところで、冷たいものでも飲もう。」とメーオに言い、メーオの手を取り、車の方まで歩いて行った。
でも、心の中で、「メーオ、私は今、既に天国にいるよ。」と囁いた・・・
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この記事のコメント
 それはそれはお疲れ様でした・・・・・w。
 私も自信に満ち溢れた女性は苦手です。
 こういう人はぐいぐい進みます。後ろを振り返らずね。
 言いすぎかもしれないけど、力はあっても心がないんです。会話も自慢か、訊問調になりがちです。
 ゆったりと人を寛がせる広さがないんでしょうね。

 私がお姉さんなら、先ず何はさておき、「有難うございました」と申し上げ、下にも置かぬ態度で接するでしょうね。
 おそらくこういうお姉さんだから、メーオさんは心の居場所をなくしたのでしょう。
 ちなみにうちの長姉もこういうタイプですw。
2007-12-17 Mon 00:01 | URL | 迂路妙子 #mQop/nM.[ 内容変更]
迂路妙子 さんへ
タイ人女性は、ゴシップが大好きで、しかもそこそこの地位にいる女性は、競争意識も高いので、メーオが外国人の男性を連れてきたのが、少々鼻についたのでしょう。
もし私が、日本人ではなく白人だったら、メーオのお姉さんは、嫉妬でメーオを攻撃していたと思いますよ。
タイは、白人崇拝主義ですからね・・・
2007-12-17 Mon 18:01 | URL | Koganeangel #-[ 内容変更]
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