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売春・人身売買・麻薬・殺人・・・メーオと過ごした1年10ヶ月
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さよなら日本
2007-11-22 Thu 11:43
みんなとお別れをしてしばらく泣きじゃくっていたメーオだったが、疲れからか、鳴き声はしだいにおさまり、寝息へと変わっていった。
私は、そんなメーオの寝顔を見ながら、成田へと車を飛ばした。

成田へと車を飛ばしている途中、私はメーオの寝顔をチラチラ見ながら、「この寝顔もこれが最後なんだな~」と、2人時間が終わろうとしている事を、ひしひしと感じていた。
いつかはこんな日が来るとは思っていたが、黄金町が崩壊してからの急展開に、正直、対応しきれていないのが本音だった。
メーオに対する未練だって、ほんとうはたくさんあった。
それにメーオとの結婚のことだって、考えなかったわけじゃない。
でも、「愛しているから。」だけじゃ、結婚生活は成り立たないのは、先の結婚生活で痛いほど感じていた私は、その結論を出すに至るまでには、二人が過ごした時間だけじゃ不十分と思っていた。
このまま結婚して、二人は幸せになれるのか、正直、自信がなかった。
そう考えると、二人とも別々の道を進むのが、互いにとって一番で唯一の解決策のように思えていた。
でも、これはもちろん私の一方的な思いであって、メーオがどのように思っていたのかは、解らない。
ひょっとしたら、この決断を下した私を怨んでいるかもしれないし、このような結果になってよかった思っているかもしれない。
そんな事を考えながら、一人悶々としている私の横で、メーオは、今まで何も苦労はなかったかのような笑顔で眠っていた・・・

そして私たちは、とうとう成田に着いた。
私はぐっすりと眠っているメーオを起こした。
メーオは、もう成田に着いた事に対してひどく驚いていた。
そして、最後の二人の時間、ずーっと眠ってしまっていた事を、私に申し訳ないと思っていたようだった。
私は、正直、最後の時間を、暗いムードで過ごすのは耐えられなかったので、メーオが寝ていた方が好都合だったのだが、わざと、メーオが眠っていたことに対して怒ったふりをして見せた。
メーオも、私が怒ったふりをしているのは解っていたので、まるで子供をあやすかのように私をなだめてれた。
これが、最初で最後の、人前で、2人がイチャイチャした時だった(笑
その時の私たちを見た方たちは、「バカップル、ここに極まれり。」ぐらいの不快感を抱いたかもしれないが・・・

そんな事をしながらも、メーオが帰国する準備は着々と進んでいく。
搭乗手続きは終了し、メーオの兄弟たちへの簡単なお土産も購入した。
そして、成田空港での、二人の記念写真もたくさん撮った。
あとは、出国手続きへ向かう前のセキュリティチェックのゲートをくぐるだけだった。

このゲートをくぐれば、もうメーオの姿は見えなくなる。
事実上のお別れということだ。
でも、私は、努めて明るくふるまい、「そろそろ行かないと、出国手続きが混みだすよ。」と、メーオに言った。
メーオも私の意図を読み取ったのか、笑顔でそれに答えた。
そしてセキュリティチェックに行こうとしたとき、メーオは不意にこちらを振り返った。
そして、「カスが買ってくれた携帯だけど、もらっていい?」と聞いてきた。
私は、メーオが完全に出国するまでに、なにかあるといけないから、すぐにでも連絡が取れるように、はじめからメーオに携帯を持たせるつもりだったので、「もちろん。」とだけ答えた。
メーオは、「ありがとう。」といい、セキュリテーチェックまで歩きだした。
メーオはセキュリティチェックで、2回ほど引っかかって、そのつど私の方を振り返り、私はそれを見ながら笑っていた。

そして、無事セキュリティチェックが済み、いよいよ出国手続きのゲートへと向かう時がやってきた。
私は、メーオが歩き出す方向に移動し、メーオが出国手続きのゲートへと向かう下りのエスカレータが見えるガラスの前で、メーオが見えなくなるまで手を振った。
さすがにそのときばかりは、私も、我慢していた涙があふれ出してきた。
メーオもそのときばかりは顔をくしゃくしゃにして泣いていた。
そしてとうとうメーオの姿は見えなくなった。
これで、「私とメーオは本当に終わったんだ。」と思い、私は、しばらくその場に立ち尽くしていた。
でも、「これですべてが終わったわけじゃない。」「メーオの飛行機が、無事に飛び立つまでが、私の義務だ。」と、自分に言い聞かせ、私は展望デッキに移動した。

メーオとお別れをして、約、40分後ぐらいに、メーオから電話がかかってきた。
私は、「さっき、感動的なお別れをしたばかりなのに・・・」と、思わず苦笑してしまった。
電話のメーオは、いつものメーオに戻っていた。
私たちは、メーオが搭乗するまでの間、たわいのない話をし続けた。
先ほどの感動的な別れは、どこ行く風という感じだった(笑

しかし、時間は非情で、とうとうメーオが飛行機に搭乗する時間になった。
メーオはそのことを私に告げ、私も電話を切ろうとしたのだが、メーオが最後に、「タイに帰って落ち着いたら、かならず電話するからね。」と言ってきた。
私は、その言葉を単なるメーオのリップサービスだと思い、その時は軽く流し、最後に「じゃあ、元気でね、さよなら。」と言い、電話を切った。
私としては、これが本当に本当の最後だと思った。

そしてそれから30分後、メーオの飛行機は無事に成田から飛び立った。
私は、メーオの飛行機が完全に見えなくなるまで、展望デッキで見送っていた。
そして、メーオの飛行機が完全に視界から消えたのを確認すると同時に、メーオの電話番号を携帯のメモリーから消去した。
そしてその次に、携帯の待ち受けにしていたメーオの画像も消去した・・・
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